池戸万作氏のXより。
日本維新の会が候補者を出せば出すほど、保守票が割れて、立憲民主党が優位になって来ます。逆に、自民党と立憲民主党の一騎討ちの方がキツイです。維新との候補者調整など一切不要です。橋下徹氏が言うことには説得力はありません。
— 池戸万作@政治経済評論家 (@mansaku_ikedo) 2024年4月30日
今回の衆院東京15区補選には自民党候補は出なかったけれども、保守票というか右翼ネオリベの二派(ファ民と維新)、それに超極右(日本保守党)の右側の3勢力ががみごとに割れてくれたおかげで酒井候補は楽勝できた。
橋下は維新は東京15区から候補を下ろせなどと言っているが、正直言って次回も金沢結衣が出てくれた方が助かる。現在の右側の状況では金沢氏を右派統一候補にまとめることなどできそうもなく、右側からさらなる対立候補が立つことは必至だから、出てくれた方が大いにありがたいのである。もちろん敵の同士討ちを当てにしているようではダメで、地力を高める必要はあるが。
立花孝志氏が正しいです。橋下徹氏や泉房穂前明石市長は間違っています。立憲民主党と日本維新の会は、候補者を一本化する必要性は全くありません。立憲民主党からすれば、日本維新の会の候補者が出てくれた方が有利に働きます。立憲民主党は共産党とは候補者を一本化すべきです。 https://t.co/1KjvjxfKpA
— 池戸万作@政治経済評論家 (@mansaku_ikedo) 2024年5月2日
少なくとも東京では、自民批判票を立民と維新が分け合って自民党を助けてしまう展開は思い浮かばない。そんな可能性のある選挙区があるだろうか。維新の候補がある程度強いという意味ではほかならぬ東京15区がそうだが、本区において投票先を酒井菜摘か金沢結衣かで迷った人などほとんどいないのではないか。NHKの出口調査でも維新支持層から酒井への流出は1割ほどあったらしいが立民支持層から金沢への流出はごくわずかだ。
東京都では連合よりも共産党の方が強いので。公務員の労組も連合より共産党系です。 https://t.co/xT1C1S4p8W
— 池戸万作@政治経済評論家 (@mansaku_ikedo) 2024年5月2日
この池戸氏の意見の真否は知らない。
私にいえるのは、今回の東京15区方式は地域の特性に合っていたということだ。今回結果を出したやり方を変える必要はないと思う。しかし東京15区という特殊な例を、もっと立民の地力のある他の選挙区に適用しろというのもいささか乱暴な議論だ。私は、仮に東京15区で本選でも今回の布陣を踏襲する場合に共産の小堤氏の処遇がどうなるか、小堤氏本人の意思はどうなるかが気になる。このあたりについては、立民支持層でも組織対候補予定者の緊張関係において候補予定者の側に立って思考する人などほとんどいないし(たとえば結局最後まで総支部長に再任してもらえなかった井戸まさえさんの事例に立民支持層の誰も関心を持っていないと言っても過言ではないし、一頃井戸さんに同情していたさる泉健太支持者の方も今では黙ってしまっるでしょう?)、共産支持層ではそれがさらに極端なのではないかと疑われるから(私は党内のパワハラ問題で執行部の側にしか立てない人たちを念頭に置いている)、また変なネット言論が横行するのではないかと憂慮しているが。
なお醍醐聰氏が下記のXをポストしている。
https://t.co/ufQIm37xnE
— 醍醐 聰 (@shichoshacommu2) 2024年4月30日
支持政党別にみた酒井菜摘さん当選への貢献度
(NHKのふだんの支持政党別投票先の出口調査より計算)
無所属 43%×0.3%=12.9%
立民支持層 11×0.8=8.8%
自民党支持層 24×0.1=2.4%
共産支持層 3×0.7=2.1%
小 計 =26.2%
酒井さんの実際の得票率=29.2%
①酒井さん当選にもっとも貢献したのは有権者の43%を占めた無党派層のうちの3割が酒井さんを支持したこと。
— 醍醐 聰 (@shichoshacommu2) 2024年4月30日
②一部から「立憲共産党」と言われたが、両党合わせた貢献度は10.9%で、酒井さんの得票率の37%に過ぎない。
③数の上では共産党支持層の貢献度よりも、自民党支持層の貢献度の方が大きい。
(訂正)
— 醍醐 聰 (@shichoshacommu2) 2024年4月30日
無所属 43%×0.3%=12.9%
↓
無党派層 43%×0.3=12.9%
出口調査での無党派層の酒井支持3割強はNHKの数字(3割弱)で朝日新聞では2割代半ばで須藤元気と同じくらい、毎日新聞ではわずかに須藤氏の方が多いくらいだったけれども、須藤氏には地元効果があるからそれを差し引けば、酒井氏が一番無党派層をから得票できたというのはたぶん事実だ。もともと酒井氏にはそういう浸透力あるいは吸引力があるから、最初の区議選から高位当選できた。だから今回低投票率云々がよく言われるけれども、投票率が上がってもほぼ投票率に比例するだけの得票が見込めたと思う。投票前には酒井候補がここまで強いとは思わなかったから、投票率が低い方が良いなどと考えていたけれども。
あと自民と共産の支持層からの「貢献度の差」に有意差はないと思う。同程度だったといえるが。
立憲民主党の新人、酒井さんは、▼立憲民主党の支持層の80%あまり、▼共産党の支持層の70%台半ば、▼自民党の支持層の10%あまり、▼日本維新の会の支持層のおよそ10%、▼無党派層の30%あまりから支持を得ました。
無所属の新人、須藤さんは、▼自民党の支持層のおよそ20%、▼公明党の支持層の20%台半ば、▼無党派層の20%あまりから支持を得ました。
日本維新の会の新人、金澤さんは、▼日本維新の会の支持層の70%あまり、▼自民党の支持層のおよそ20%、▼無党派層の10%あまりから支持を得ました。
無所属の新人、乙武さんは、▼自民党の支持層の10%あまり、▼公明党の支持層の50%台半ば、▼国民民主党の支持層の40%台半ば、▼都民ファーストの会の支持層の30%台半ば、▼無党派層の10%あまりから支持を得ました。
諸派の新人、飯山さんは、▼自民党の支持層の10%台半ば、▼無党派層の10%台半ばから支持を得ました。
NHKの出口調査は、各報道機関の出口調査の中でも、無党派層に占める酒井への投票者の割合が特に高く出たものではあるけれども、無党派層の投票先は酒井30%強、須藤20%強、金沢10%強、乙武10%強、飯山10%台半ばとなっている。これが一番無党派層の酒井への投票率が低く出た毎日だと酒井と須藤がともに20%強で、かつ須藤の方がわずかに多いという結果だったが、それを当てはめても投票率が60%なら須藤が勝ったとはいえないだろう。ましてやNHKの出口調査を当てはめると、投票率が高くなればなるほど酒井の圧勝傾向が強まることになる。特に金沢や乙武とは無党派層への浸透力でも大差がついている。須藤に次ぐ脅威が飯山だというのは非常に嫌な結果だけれど。
実は、酒井氏はここまで強かったのかと私も驚いている。このリベラル不毛の土地柄でこんな結果が出ようとは。4か月前の区長選では小池印の大久保朋果現区長に完敗したのに、なんでこんなに変わるのか。
2021年衆院選での柿沢未途の得票率は32.0%だったから、今回の酒井菜摘の29.0%は柿沢に3ポイント差、率にして9%負けているだけだ。「区長選からほとんど伸ばせていない」どころかあの柿沢に肉薄するレベルにまで既にきていたわけだ。もちろん本選では今回自民党支持層から流れた同党支持者の1割の分はほとんどなくなるわけだけれども。だから酒井菜摘はもはや「本選では簡単に落とせる」候補(現時点では議員)ではなくなった。それは間違いなくいえる。ただ、だからといって本選では共産党との共闘は必要ないとの意見には同意できない。それをやればリベラル系無党派層の投票行動に悪影響を与える。私は思想信条や主義主張的には立民右派はもちろん同左派よりも社民に近いであろう人間だが(但し昨今の減税真理教的主張に対する福島瑞穂氏のスタンスには批判的だ。税制全体のビジョンが必要であって、消費税減税のワンフレーズポリティクスは有害無益だ)、その立場からいえばネガティブな心象を持つことになる。
池戸万作氏のXに戻る。
橋下徹氏や泉房穂前明石市長は、そのことを分からずに、立憲民主党と日本維新の会の一本化を叫んでいます。 https://t.co/EItp61fh5Q
— 池戸万作@政治経済評論家 (@mansaku_ikedo) 2024年5月2日
小川淳也衆議院議員は日本維新の会が候補者を擁立したことで、ゼロ打ちで勝利しました。日本維新の会の候補者がいなかった方が、厳しい選挙戦を強いられた典型例です。次の衆議院総選挙では日本維新の会がボンボコ擁立しているから、立憲民主党が小選挙区を120議席ほど取る試算も出ているようです。 https://t.co/8oES5Pb62D
— 池戸万作@政治経済評論家 (@mansaku_ikedo) 2024年5月2日
立憲民主党に入れたくない層が、一騎打ちならば自民党に入れますが、三つ巴ならば日本維新の会に入れて来るので、その分、自民党の票数が減って、立憲民主党には有利になるということです。今の小沢さんは執行部にいないから、立憲民主党の情勢調査は見ていないのでしょうね。 https://t.co/WuyrUQq8F4
— 池戸万作@政治経済評論家 (@mansaku_ikedo) 2024年5月2日
はい、小沢一郎衆議院議員は間違えています。立憲民主党には投票したくない層は、一騎打ちならば自民党に投票しますが、日本維新の会の候補者がいるならば、維新に投票したいという人も1〜2割存在します。ネオリベ政策を支持する層ですね。 https://t.co/AcHg4EBKov
— 池戸万作@政治経済評論家 (@mansaku_ikedo) 2024年5月2日
そうだな。
そもそも野党共闘の対象に維新を入れるのは小沢一郎の発想だ。小川淳也にしても泉健太にしても、その点では小沢と考え方が同じなんだよ。言い出しっぺは小沢だ。
ただ、ネットの議論を見ると、立民支持層と維新支持層のオーバーラップは大きいとする意見もある。それは主に立民右派支持層から出ている意見であって、両党が食い合うと自民を助けるというのだが、残念ながらその主張を定量的なデータで裏づけた議論は見たことがないので、私はその説の信頼性をかなり、というより大いに疑っている。
下記は宮武嶺さんのブログ記事へのリンク。
以下引用する。
2021年衆院選に負けた時の開票速報番組で、枝野幸男は維新について聞かれて「自民党の補完勢力!」と言い切ってました。幸い、維新の方でも今も相変わらず立民を第一の打倒対象にしてくれてますから、そこは問題ないでしょう。
一番の問題はやはり党代表ですな。相変わらず維新への未練が感じられます。維新への執着に関しては、12年前に「私の意見は橋下市長と同じだ」と口癖のように言っていた某剛腕氏と同じくらい重症だと思います。
再び宮武さんの記事より。
立憲・泉代表「(立憲と)ことさら戦おうというような構図作りはあまり功を奏しないのでは」
維新の馬場代表の発言について問われると、立憲の泉代表は「独自性を出されたいお気持ちはよくわかるんですけども、ただ立憲民主党は既に自民党とのまさに政治改革の戦いを続けていますので、立憲とことさら戦おうというような構図作りは、あまり功を奏しないのではないか。むしろそこに力を入れるよりも、自民党の政治に対して維新さんがどう思っているのか、ということを主張されるということが、より今の政治を変えていく力になるんではないか」
なんでこの人はこんなに腰が引けてるんですかね。この人の口から「自民党の補完勢力!」という言葉は出てきそうもありませんね、残念ながら。
今は維新に対して、そして都ファに対しても「水に落ちた犬は打て」に徹するべき時期だと思います。