kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

プーチンとプリゴジンはどっちもどっち(怒)

 ロシアの傭兵ネットワークにしてプーチンの私兵とされる「ワグネル」の創設者、エフゲニー・プリゴジンの「反乱」は、結局プリゴジンがワグネルのモスクワへの進軍を取りさせて自らはベラルーシに「亡命」するというわけのわからない決着となった。

 私が先日ようやく読んだ『ウクライナ戦争』(ちくま新書)の著者・小泉悠氏のコメントが毎日のサイトに載っている。以下に示す。

 

揺らいだプーチン大統領の権力基盤

小泉悠・東大先端科学技術研究センター専任講師の話

 

 ワグネルの反乱が長引いてロシア軍との内戦状態になれば、ウクライナ戦況に与える影響は甚大だった。だが、ごく短期間で収束したので、戦況への影響は短期的にはあまりないだろう。

 

 ロシア軍が反乱への対応のために動員したのは国内を担当する旧内務省系の部隊で、ウクライナ侵攻で主力となる部隊は用いなかった。ワグネル側も総兵力だという「2万5000人」の一部を割いたにすぎず、前線の兵力配置にほとんど変化はなかったとみられる。

 

 一連の事態でプーチン大統領の権力基盤が揺らいだことは確かだ。「決断できないだらしないリーダー」という認識が広まれば、戦争継続が難しくなる事態に直面しかねない。ただ、そうした観点からも、反乱が長引いた場合に比べて今回の影響は限定的だ。

 

 しかし、プリゴジン氏がこのまま諦めるかは分からない。

 

 今回の蜂起の発端となったのは、ショイグ国防相が今月10日、全ての志願兵に国防省と契約するよう命じたことだ。ワグネルも管理下に収めようという狙いがあったが、プリゴジン氏は反発していた。

 

 ワグネルの撤収にあたり、プリゴジン氏とプーチン氏の間で何らかの取引があったと思われる。だが、プリゴジン氏が当初要求していたショイグ氏の解任も実現しておらず、その中身は不明だ。プリゴジン氏は、一旦は妥協したのだとしても、今後こうした密約が果たされないことがあれば、同様の事態を繰り返すかもしれない。【聞き手・五十嵐朋子】

 

毎日新聞 2023/6/25 20:18(最終更新 6/25 20:18) 

 

URL: https://mainichi.jp/articles/20230625/k00/00m/030/173000c

 

 なお、記事に載っていたもう一人のコメントは引用しなかった。当該人物についてのブコメがあったので以下に紹介する。

 

プリゴジン氏撤収 識者「諦めるかは分からず」「一定の勝利」 | 毎日新聞

ここで言ってる事はまともだけど、ヴァルダイ会議(露政府のプロパガンダイベント)にずっと出てた畔蒜泰助氏にコメントさせるのはどうなんだろな。

2023/06/26 06:03

b.hatena.ne.jp

 

 やはりそうなのか。私は畔蒜泰助氏については何も知らなかったが、肩書きといいコメントの内容といい、ちょっと引っかかるところがあったのだった。

 「反乱」勃発当初、ヤフコメなどを見ると「胸踊るものがある」などとする軽薄な意見が多かったが、私には最初から胡散臭さしか感じなかった。何より、プーチンプリゴジンがともに相手を名指しで批判することをせず、結局プリゴジンが傭兵を退却させ、プーチンプリゴジンの訴追を取りやめたことが両人の胡散臭さを象徴している。何しろ、かたや「帝政ロシアの最高を夢見る」最悪の反動野郎と、ヒトラーが敬愛し、かたや本人も生前にユダヤ人差別の論文を発表していたドイツの大作曲家の名を組織名に冠した事実上のネオナチだ。両者とも信用などこれっぽっちもおけるはずがない。

 そういえば、鈴木宗男だの、組名に元号を冠する反動政党の組長である山本太郎だのはこの件について何かコメントを発したのだろうか。

 私の意見はもちろんタイトルに書いた通りで、プーチンプリゴジンとは本当に「どっちもどっち」。人の命を屁とも思っていない点で両者は共通する。彼らに対しては怒りの念しか持ち得ない。