kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ウクライナ戦争と陰謀論

 最近、宮武嶺氏がウクライナ戦争関係の記事を多く公開して大奮戦されている。

 その宮武氏の下記記事の冒頭部分に注目した。

 

blog.goo.ne.jp

 

 以下引用する。

 

 私も以前から参加しているFacebookグループに戦争をさせない1000人委員会 in Facebookという有名な団体のFacebookページがあるのですが、その冒頭にこういう注意書きがあることに最近気づいて、どこもうちと同じようにご苦労されているのだなあと苦笑してしまいました。

『ご一読ください。このグループの管理陣の共通見解です。

 

 陰謀論、おことわり!。 

 

  ↓、これらを首肯する投稿・コメントは、見つけ次第に軒並み対応します。ご了承ください。

 

 ムサシによる投票操作、ディープステートや日本を操る本当の支配勢力の暗躍、トランプは全地球的な英雄、気象兵器は存在する、311は人工地震によるテロ、ケムトレイルはバイオ兵器、在日特権はある、小沢一郎鈴木宗男堀江貴文中川昭一田中角栄らはジャパンハンドラーに陥れられた、明治てんのーは替え玉、田布施システムが明治てんのーの替え玉を用意した、ワクチンを打つと政府に監視される、ワクチンを使って人体にマイクロチップを埋め込む、ワクチンを打つと必ず死ぬ、コロナ等のパンデミックは支配勢力の作戦、911は自作自演、日航機123便は撃ち落とされた、123便の生存者は墜落現場で殺害された、南京大虐殺はなかった、強制連行はなかった、従軍慰安婦はいなかった、真珠湾攻撃はなかった、ウクライナアメリカの代理戦争のための緩衝材、ウクライナは台湾有事に備えたアメリカの代理戦争の実験、アゾフ大隊はネオナチ、ドンバス地方でネオナチがジェノサイドを起こした、ドンバス地方の民は自発的にロシアに投降した、ウクライナの民衆を殺傷したのはウクライナ軍、ウクライナ報道は西側大手メディアが仕掛けたヤラセ・捏造、ウクライナ=善・ロシア=悪は西側メディアによる芝居の筋書き、云々。』

 

 

 前から申し上げている通り

 

1 ディープステイト(DS)陰謀論・トランプ信者

       ↓

2 コロナ軽視論・反ワクチン陰謀論

       ↓

3 プーチン信者・親露派陰謀論

 

という陰謀論の流れがあって、ツイッターYouTubeで一握りの陰謀論者がアクセス稼ぎと「自然」食品などの物販で儲けるために荒唐無稽な陰謀論を大量に広げる流れがあるんです。

 

 うちにもウクライナ戦争に関して親プーチン・親ロシアのコッテコテの陰謀論者が来られてコメントを一時投下され始めたのですが、反ワクチン陰謀論だけは人の命にかかわるので止めてくださいとお願いしたのに、また凄いのを書いてきたので永久追放しました。

 

 そしたら、最後にまた、

 

『大嘘報道に騙されることの罪

皇軍の蛮行(アジアで2000万人を殺戮)を知っているはずのリベラル弁護士・宮武嶺さんは、ウクライナのネオナチ政権──当然、相手を敵だと思えば、あらゆる蛮行を平気でする──が蛮行をすべてロシアのせいにするトンデモに加担。

あなたは今までのキャリアを全てぶち壊す愚行に今励んでいる。そろそろ目覚めないと、愚者のまま余生を縮めて──人口削減計画の「ワクチン」傷害で──終わることになる。』

 

という捨てセリフコメントを書いてこられて、物凄い妄想にとらわれているとしても私のことも気遣ってくれているように、悪い人じゃないことはわかるんで、何とも言えない気持ちになりました。

 

 こういう反米・親露の陰謀論者の人たちは、トランプ前米大統領やロシア政府だけは真実ばかりを述べていると思っていて、実は両者が桁外れの量のフェイクニュースを流していることは気にしないのでしょうか。

 

URL: https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/c7d8498c8357b64e0d57aff584531af2

 

 私は、現在は放置状態にしている以前のメインブログを運営していた2008〜09年に、ブログ村内で「小沢信者」どもと軋轢を起こして最後には彼らにパージされたのだが(その首謀者が『喜八ログ』の運営者・喜八だった)、その過程で上記引用文に書かれているような陰謀論が大好きな連中とずいぶんバトルをやった。おかげで彼らと訣別して以来、コメント欄で陰謀論者に悩まされる機会は少なかった部類だろう。宮武さんのブログに多数の陰謀論コメントを寄せたH氏には「ブラック」の用語の問題でずいぶん絡まれたが、それは陰謀論とは異なる差別用語問題に係る件だ。H氏は草野球が大好きな方らしく、野球のDH制について意見をやりとりしたことがある。日本のセントラルリーグパシフィックリーグよりも弱いのはDH制のせいだというのがH氏の指摘で、私もそれに同意した。アメリカでもかつてアメリカンリーグよりも格上に見られていて、オールスター戦でもいつも勝っていたナショナルリーグがDH制を採用しないうちに、いつの間にかオールスター戦で連敗を重ねるようになっていたが、大谷翔平の活躍と関係があるのかどうか、ナショナルリーグもDH制を採用したら、採用2年目の今年、11年ぶりにナショナルリーグが勝った。余談だが、なぜかニューヨークは例外なのだけれども概してナショナルリーグの方がアメリカンリーグよりも人気があるらしく、だからエンジェルズよりもダジャーズ(ドジャース)の方が観客の入りも良い。ヤンキーズMLBきっての邪悪な球団ではあるが、おそらくは観客動員の観点からDH制の導入が早かったアメリカンリーグに属している点で、日本の「権威ある」セントラルリーグに属している読売球団よりは罪が軽いのではないかと勝手に考えている。私などはセ・リーグも早くDH制を導入すれば良いと考える人間だが(それ以前に1リーグ3地区制にすれば良いと思っているが)、旧弊もあらわな球団を3つも抱える(読売、中日および私が応援するヤクルト)セ・リーグの保守性というか反動性はどうしようもない。

 野球の話はこれくらいにして陰謀論の話に戻ると、上記引用文を見ると、陰謀論には「右」も「左」もないことがよくわかる。特に、「小沢一郎鈴木宗男堀江貴文中川昭一田中角栄らはジャパンハンドラーに陥れられた」とする陰謀論に出てくる5人はいずれも保守か右翼か新自由主義者の少なくともいずれかであるにもかかわらず、少なからぬ「リベラル・左派・左翼」がタカ派の保守にしてバリバリの新自由主義者である小沢一郎にシンパシーを抱いてしまった弊害は絶大だった。小沢の「国民の生活が第一」というスローガンは、新自由主義の旗を小泉純一郎に奪われてしまったためにやむなく打ち出した方便に過ぎなかったのだが。

 もっとも、方便ではあってもそれで小沢が結果を出せれば、自らの思想信条とは異なる軽武装・経済重視路線で結果を出した吉田茂のようにある点では評価できるところもあったかもしれないが、小沢にはそれすらもなく、ただ「壊した」だけだった。民主党政権時代に起きた東日本大震災・東電原発事故への対応に民主党政権が集中しなければいけなかった時に、こともあろうに小沢と鳩山由紀夫野党第一党自民党と手を組んで激烈な党内抗争を仕掛けた。あれは就任前の2010年6月の民主党代表選で前原誠司野田佳彦に担がれた菅直人にもすくなからぬ問題があったとはいえ、その代表選で「社民党にも理解できる候補を」と口にしていた小沢が担ぎ出したのが、なんと過激な新自由主義者樽床伸二だったのだからどうしようもない。この時点で現在の民主・民進系政党(山本太郎元号新選組を含む)の末路は決まっていたかもしれない。私は「まっとうな社民主義政党」を求めたいだけなのだが、残念ながら零細政党と化した社民党を含めてそういう政党は日本には存在しない。

 宮武さんは今年に入ってブログで自らの主張を以前よりも旗幟鮮明にされるようになった印象を持っている。ウクライナ戦争についても、小沢一郎に対するスタンスにしても。

 宮武さんの記事から上記引用文に続く部分も引用する。

 

 いま、陰謀論の主戦場がウクライナ戦争になっているということは、冒頭の戦争をさせない1000人委員会の注意書きでよくわかるんですが、もちろん注意書きの

 

ウクライナ報道は西側大手メディアが仕掛けたヤラセ・捏造』

 

ウクライナ=善・ロシア=悪は西側メディアによる芝居の筋書き』

 

の部分は程度問題で、ウクライナに関する情報や報道は確かに日本で暮らしていると圧倒的にウクライナNATO側に都合のいいものが流れてくるので気を付けないといけないです。

 

 たとえば、私が上記の陰謀論者の人への返信でコメント欄に書いた実際にあったアメリカの「陰謀」に、こんな歴史的事実があります。

 

 湾岸戦争の時に、ブッシュ(親)政権がアメリカ議会と国連全体をイラク攻撃に誘導するためにでっちあげた「ナイラ証言事件」というフェイク事件です。

 

 イラク軍がクウェートに侵攻した際に、イラク軍の兵士がある病院の新生児室の赤ちゃんたちを殺して回っているのを見た、という証言をクウェート人の少女がアメリカ議会でしたのです。

 

 ところが、実はこの少女は駐米クウェート大使の娘で、クウェート侵攻時にはもちろんアメリカにいたのでそんな場面を見たわけがないし、そもそもこの子の証言内容はブッシュ大統領の選挙運動を担当していた広告代理店が演出していた、というトンデモ事件が発覚したんです。

 

 だから、欧米の報道がいつも真実なわけがないので、当ブログでは例えばロシア軍がブチャ虐殺を本当にしたのか見極めるために1年間様子を見ましたし、ダム決壊についてはロシア占領地域で起こったことですからロシア軍がやった可能性は高いとは思いますが決めつけていませんし、ロシア政府がウクライナ子どもたちを強制的に連れ去っているという戦争犯罪についても西側の報道を鵜呑みにはせず注意深く観察して記事を書くようにしています。

 

 ウクライナ=善・ロシア=悪という善悪二元論で白黒はっきりつくものではなく、ウクライナやゼレンスキー大統領にもさまざまな問題があります。

 

 たとえば、クラスター爆弾の使用などウクライナ軍側にも違法行為はいろいろあるし、ゼレンスキー政権は一定年齢の男性の国外脱出を許さないとか一定の政党の存在を許さないとか汚職などの問題ももちろんあります。

 

 しかし、だからといってロシアとウクライナどっちもどっちということはもちろんあり得なくて、侵略しているロシアの行為の違法性が格段に高いし、戦時国際法に違反する行為戦争犯罪も圧倒的にロシアに多く見られるのは確かです。

 

URL: https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/c7d8498c8357b64e0d57aff584531af2

 

 上記引用文に続く具体的な事例については、宮武さんのブログ記事を参照されたい。

 上記引用文にも指摘されているソースの信頼性の問題は、弊ブログがウクライナ戦争の記事をそれほど公開しない理由でもある。それが信頼できるという心証が持てないから記事にできないのだ。

 弊ブログにもたまにロシアを擁護する側に立つ方からもコメントをいただくが、たいていは主張のソースが書かれていないので信頼できない。FaceBookの断り書きに「アゾフ大隊はネオナチ」というフレーズがあるが、現在では普通「アゾフ連隊」と呼ばれる「アゾフ大隊」にネオナチの過去があることは、CNNが昨年4月に公開した下記記事からもにも書かれている通り、事実だ。

 

www.cnn.co.jp

 

 だが、それを言い出すならなぜロシアの民間軍事会社が、ヒトラーが心酔した反ユダヤ主義者にして大作曲家だった人間の姓にちなんだ「ワグネル」を名乗っているのかという反論がすぐに成り立つ。現在は消息不明の前科者・プリゴジンこそネオナチの見本だ。ワグネルはアフリカでロシアが直接手を下せない「汚れ役」をずっとやってきた。プリゴジンが「反乱」とやらを起こした時、「胸熱」だのとヤフコメで熱狂していた人たちがいたが、私はそれを見て「バッカじゃなかろかルンバ♪」と口ずさんだ。

 前にも書いたが、プーチンプリゴジン、ルカシェンコが出てくるニュースなど、登場人物が全員極悪人というミステリのようなものだ。前に書いた時には松本清張の小説にたとえたが、先日読んで昨日読書ブログでぶっ叩いた東野圭吾の『レイクサイド』の世界に近い。あの小説は本当に登場人物全員がどうしようもなく気持ち悪かった。おそらく作者自身が気持ち悪い人なんだろうと想像する。だから前記作品とは別だが、罪もないホームレスを虐殺した(犯人の「X」は身元がわからなくするためにホームレスの顔を潰したのだ)蛮行を「献身」に仕立て上げる糞ミステリを平気で書ける。

 国際刑事裁判所から逮捕状が出ているプーチン容疑者の言う「ネオナチとの戦い」の正体は、そんな「容疑者Xの献身」を国家規模でやらかすような巨大戦争犯罪だ。