2022年の記事の締めはウクライナ関係。昨日公開した下記記事で批判した「とおりすがり」氏から再びコメントをいただいたが、これが×××新選組信者界隈その他で流布していた陰謀論の見本のような中身だった。
とおりすがり
コメント主は×××新選組(や鈴木宗男・維新その他)の支持者ではないとのことだが、上記で開陳されたコメントに見られる陰謀論は新選組の信者たちが垂れ流していたものと酷似している。
「今のゼレンスキー体制は一昔前の南米諸国と同じようにアメリカが謀略でひっくり返した親米政権」だと仰るが、ゼレンスキーの前任者・第5代ウクライナ大統領のポロシェンコの方がよほど親米だった。親露政権だったのはその前の第4代大統領・ヤヌコーヴィチ(ヤヌコビッチ)だ。私はウクライナの政治について全然知らなかったので、ウクライナ戦争勃発直後にネット検索をかけてこの事実を知り、全く根拠のない親露の陰謀論を垂れ流す新選組信者たちに呆れ返ったものだ。
先代のポロシェンコであれば、自身がオリガルヒだし、政権に極右(ネオナチ)が紛れ込んでいる疑いもあった。しかし2019年の大統領選でポロシェンコはコメディアン出身のゼレンスキーに敗れた。親米のポロシェンコに代えてコメディアンを大統領にしようとアメリカが謀略を行った蓋然性はきわめて低いとしか言いようがない。実際、ポロシェンコはゼレンスキーがロシアに対して弱腰であるとして非難していた。
しかしそのゼレンスキーのバックにもオリガルヒがいるのではないかとの懸念は確かに持たれていた。ところが最近になって、時事通信が下記記事を報じた。これが、いつだったかこたつぬこ(木下ちがや)氏がツイートからリンクしていた記事だ。
以下引用する。
弱体化するオリガルヒ ロシア侵攻で社会構造変化―ウクライナ
2022年12月20日07時06分
【キーウ時事】ロシアによる侵攻が続くウクライナで、富を独占してきた新興財閥(オリガルヒ)が弱体化している。政治家と癒着することで自らの利権を守り、汚職がはびこる環境をつくってきた「政商」。戦争の思わぬ副産物となったその衰退により、ウクライナの社会構造は変わりつつある。
オリガルヒは1990年代、ソ連崩壊期に進められた国有企業の私有化で財を成した。エネルギーやメディアなどの産業分野で主要企業を配下に置き、政権中枢に食い込んだ。
だが、ロシアの侵攻で保有資産の多くを失った。中でも痛手を負ったのが、激戦地となった南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所などを所有するリナト・アフメトフ氏。米フォーブス誌によると、1月時点で137億ドル(約1兆8700億円)あった同氏の純資産は、11月には3分の1の43億ドルに激減した。
ゼレンスキー政権は反オリガルヒ法を制定するなど、侵攻前から「脱オリガルヒ」に着手していた。戦争でその力が衰えたのに乗じ、一気に排除を加速させた。
政府の公式見解と異なる報道を規制し、オリガルヒによる傘下メディアを使った世論操作を不可能にした。自らの後ろ盾だったオリガルヒのイーホル・コロモイスキー氏についても、法律が禁じる二重国籍を保持しているとして、市民権を剥奪したとされる。
スロバキアのシンクタンク「GLOBSEC」のコンスタンチン・スコルキン准研究員は「ロシアの侵攻は、オリガルヒというゼレンスキー氏にとっての旧来の問題を自動的に解消した」と分析。「戦争が終わっても、オリガルヒがかつての力を取り戻す余地はない」として、欧州連合(EU)加盟の障害だった汚職構造の改革が進む可能性があるとの見方を示した。
(時事通信より)
ロシアに侵攻されたウクライナ南部はネオナチの拠点でもあった。時事通信の記事の信頼性がどの程度あるのかはわからないが、事実であればゼレンスキーは自らを支援したコロモイスキーを含むオリガルヒとネオナチを弱体化させ、ウクライナ国内の富の平準化に大きく貢献したことになる。戦争(総力戦体制)が富の平準化をもたらすとはトマ・ピケティも力説していたことだ。ピケティは戦争によらない富の平準化を課題として『21世紀の資本』を書いたと私は認識している。残念ながらピケティの理想には全く及ばないが、ゼレンスキーは戦争による富の平準化という従来から知られていた現象をに生じさせるべく自覚的に行動した政治家といえるかもしれない。この評価が妥当であるかどうかはわからないが、少なくともその可能性を感じさせる。特に、自らを支援したコロモイスキーの恩を仇で返すとは、本当であればたいしたものだ。ゼレンスキーとは岸田文雄とは大違いの胆力の持ち主なのかもしれない*1。
以下、上記記事についた「はてなブックマーク」コメントより。
弱体化するオリガルヒ ロシア侵攻で社会構造変化―ウクライナ:時事ドットコム
開戦前のウクライナが理想郷だったわけではなく、むしろ汚職はひどいしゼレンスキー氏の政治手腕もあまり評価されてなかった。戦後ウクライナの未来が少しでも良いものであることを願う。
2022/12/20 23:17
弱体化するオリガルヒ ロシア侵攻で社会構造変化―ウクライナ:時事ドットコム
宇も露と似たような腐敗した支配層の問題は同様で、それがクリミア併合に繋がる国勢衰退の源でもあり、現政権はその改革派。国富が一部の私財に消える構造は、本邦のD通や統一教会と与党の癒着も類似の構造がある。
2022/12/22 18:57
特に後者のブコメに注目した。「宇も露と似たような腐敗した支配層の問題は同様で、それがクリミア併合に繋がる国勢衰退の源でもあり」と書かれているが、実際親露派のヤヌコーヴィチも親米派のポロシェンコもともに腐敗していたらしい。それに対して「現政権はその改革派」として、明らかにゼレンスキーを評価するブコメになっている。
ところが、このコメントに大の親露派にして反ウクライナの権威主義者であるはずの某暴犬がスターを進呈しているのだ。これには大爆笑してしまった。某暴犬にウケたのは、スターに引用された「国富が一部の私財に消える構造は、本邦のD通や統一教会と与党の癒着も類似の構造がある」という部分のようだが、ゼレンスキーを評価するブコメであることには気づかなかったのだろうか(笑)
以下は×××新選組及びそのブレーンと思われる人士への悪口。
昨日、石田昌隆氏のツイート経由で伊勢崎賢治があのマオイズム系極左集団の準機関紙『長周新聞』に寄稿したクソ記事を知った。
氏はまず下記ツイートをリツイートしている。
伊勢崎賢治「ウクライナは2014年から8年間ずっと内戦状態であり、その延長として今の戦争がある。侵略は許されないことだが、そこには理由がある」
— Hirano Takashi 🍉 平野高志 (@hiranotakasi) 2022年12月30日
※ここの「内戦だった」→「侵略には理由がある」の主張、完全に露偽情報/ナラティブに乗っかっている。クレムリン歓喜。
https://t.co/7GkrcugcSS
下記は石田氏自身のツイート。
さすがにもう伊勢崎賢治に発言の場を提供するのは長周新聞ぐらいになったか。読まずに見出しだけで批判すべき→ アメリカの代理戦争と緩衝国家の安全保障――琉球列島のトリップワイヤー化を問う 東京外国語大学教授・伊勢崎賢治|長周新聞 https://t.co/Al3toCrEZv
— 石田昌隆 (@masataka_ishida) 2022年12月30日
と言いつつ読んでしまったが〈僕を攻撃する人たちは、プーチンだけを「絶対悪」「抜きんでた悪魔」と見せたいのだが、それは日本にとっても好都合なわけだ。軍備増強のために〉。ふ・ざ・け・る・な😡 伊勢崎賢治を批判することと日本の軍備増強を批判することにまったく矛盾はない。💩は滅びてくれ。
— 石田昌隆 (@masataka_ishida) 2022年12月30日
毛沢東主義系の『長周新聞』がロシアのウクライナ侵攻を支持する因果関係がよくわからないのだが、もしかしたらこの極左紙が山本太郎に入れ揚げていることから起因しているのかもしれない。山本が伊勢崎と昵懇であるのは周知だ。改憲派同士だから2人の気が合うのも道理。
もう一つわからないのは、「日本共産党(左派)」を名乗っていることからも明らかな日本共産党の分派の準機関紙である『長周新聞』に熱烈に応援されている山本太郎に共産党委員長の志位和夫がすり寄っていることだが、まあこれは別の話だ。結局、山本太郎と伊勢崎賢治と長周新聞が親露のトンデモ言論を垂れ流していると推測される。
また、石田氏のツイートによれば2016年におおさか維新の会公認で参院選東京選挙区に立候補しやがった田中康夫も親露派トンデモ路線を突っ走っているらしい。
ゼレンスキーをdisって、ノーム・チョムスキー、エマニュエル・トッド、佐藤優に一目置く田中康夫。完全に人類の敵になった→ 【田中&浅田年末対談】プーチンは魅力的な思想家なのか? ウクライナ問題のリアリティを真面目に考える《憂国呆談 第6回 Part6》 @gendai_biz https://t.co/ZGioj6rGcZ
— 石田昌隆 (@masataka_ishida) 2022年12月31日
佐藤優ももれなくついてくるようだ。よくもまあこれだけ私の大嫌いな奴らが結集したものだ。
きたる2023年も山本太郎(×××新選組)、伊勢崎賢治、それに長周新聞の「アホのトライアングル」を徹底的に全否定しなければならないと決意を新たにした大晦日の夕方なのだった。
これだけ悪口を書きまくって「良いお年を」もないかもしれないが、臆面もなく皆様、よいお年をお迎えくださいと書いて今年の弊ブログを締めくくる。
*1:但し、政府に不都合な報道に対する規制をかけているらしいことは、たとえオリガルヒの弊害を防ぐためとはいえ、手放しでゼレンスキーを礼賛するわけにはいかない。
(前略)件のウクライナ戦争ですが、どう考えてもアメリカの思惑ありすぎにしか思えないんですね。
(維新、鈴木宗男、れ〇わ山〇太〇などに与するつもりはまったくありません)
例えば、ウクライナがNATOに加盟したら・・・ロシアと揉めたら自動的にNATO加盟国と戦争状態になる条約だったような気がします。
それと今のゼレンスキー体制は一昔前の南米諸国と同じようにアメリカが謀略でひっくり返した親米政権ですし。
そもそもロシアを挑発したのはアメリカですし、日本のリベラル派はアメリカの思惑に踊らされてるとしか思えないんですよね。
最近のリベラル派は憲法九条について殆ど触れてないように思います。
憲法九条という盾があったおかげで朝鮮戦争、ベトナム戦争に日本が出兵せずにすんだわけで。
もちろん、自衛隊がウクライナ戦争に派兵されるわけではないと思いますが。
(ウクライナvsロシアの建前上、他国が直接出兵したらシャレになりませんし)
話が逸れましたが、日本のリベラルが取るべき道はロシア、アメリカに停戦を呼びかけ、ウクライナに対しては中立を取り人道的支援を訴えるにとどめるべきでは?
と思った次第です。
因みにウクライナはアメリカがネオナチを支援して今のゼレンスキー体制を維持してる、と何かで見ましたがさもありなん、と。
ネオナチはナチスと違い、新自由主義でグローバリズムですよね。
アメリカと相性バッチリかと。(後略)