最近の野党政局を見ていると、立民の泉健太は内心では維新に未練たらたら、共産の志位和夫や小池晃は立民との野党共闘に未練たらたらであることがそれぞれ明らかである一方、立民の小沢一郎や小川淳也らの妄動も、その土台に「維新から共産までを含めた『大きな塊』論」があることが明らかで、まったくどいつもこいつも、と思わずにはいられない。
こんなツイートがあった。
実は「立憲民主党にも共産党にも党員になるほど魅力は感じてないが、”立憲共産党”なら喜んで入党する」する人、案外多いんじゃないかという気がしている。ソースは私。
— 烏丸百九@全ての差別に反対します🏳️🌈🏳️⚧️ (@crowclaw_109) 2023年6月20日
はるさんのデータと、ここ最近の人民運動とを考えると、「”立憲共産党”なら喜んで入党する」方々こそ、大切にしないといけないと思います。
— 辰巳泰我 @いち人民T 立憲共産党上等 (@ewuq8nbRVQqDz3S) 2023年6月20日
(はるさん @miraisyakai 引用失礼します)https://t.co/AchXL91kCz
立民と共産とが野合しても仕方ないが、「党内立憲主義のある共産党」なら良いかと私も思う。現在の共産党には、除名問題や、それよりさらに深刻だと思う各地でのパワハラ体質に見られる通り、党内における権力の放恣な行使が目にあまる。
「立憲」を政党名に掲げる立憲民主党(立民)でも党内での権力の不当な行使が抑制できているかといえば、そうはいえないだろう。たとえば泉健太など、維新との関係に典型的に見られる通り、党外との交渉力は極端に弱いが、党内では強権を発動したがるタイプだと私はみている。昨年の参院選に惨敗した後に幹事長をリベラル派の西村智奈美から保守派の長老・岡田克也に交代させた人事がその典型例だ。この人事について、常連コメンテーター氏は西村氏の幹事長としての働きに問題があったためだろうと推測しているようだが、それなら同じリベラル派でもっと「経験値の高い」人物に差し替えるべきところだ。しかし泉はそれをやらず、保守派長老で党内に睨みが利く岡田克也に差し替えた。泉には党内権力掌握の段階で既に岡田克也を押さえていた経緯がある。俗に「爺殺し」という、権力志向の強い人間に典型的な手口だ。わかりやすい例でいうと、プロ野球で現役時代に「強い××に立ち向かう」というイメージで人気を博した故星野仙一が、引退後に野球解説者になるといきなり元××監督の川上哲治にすり寄ってプロ野球OB連の世界で地位を固めたようなやり方だ。個人的な話をすると、以前勤めていた会社にも「爺殺し」がいた。
しかも岡田克也は思想信条的にも西村智奈美より泉健太自身に近い保守派だ。昨年の立民幹事長交代人事は、能力や実績を公正に評価した結果ではなく、党代表である泉健太自身の権力闘争の一環だとしか私には評価できなかった。
かつての民主党時代の2002年には、菅直人との代表選に勝った鳩山由紀夫が論功行賞的な人事を行ったところ党内から猛烈な反発が起き、その上に鳩山は小沢一郎の自由党との統一会派騒動をも引き起こしたために、2か月半後に代表選をやり直さざるを得ない羽目に追い込まれたことがあった。当時の民主党には新自由主義的な政策を掲げていたという大きな問題があったが、党内権力の過剰な行使には歯止めをかけることができる政党だったと評価できる。しかし2003年の自由党との合流で小沢一郎を受け入れた後は、その伝統が破壊された。