kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「庶民増税」でも「金持ち減税」でもない「再分配重視」の「第三の道」を目指せ

河村たかしは、現在の政治の対立軸は「減税対増税」だという。能天気な民主党支持者は「政治主導対官僚主導」こそが現代政治の対立軸だという。いずれも誤りである。

政治主導云々の世迷い言はほっておいて河村を批判すると、菅直人与謝野馨谷垣禎一らが進めようとしている「庶民増税」と、小沢一郎河村たかし大村秀章らがもくろむ「金持ち減税」は、実は「同じ穴の狢」である。直接庶民からむしり取るか、金持ちを減税したために財源が不足して社会保障切り捨てを招くかの違いがあるだけだ。後者の方が間接的であるから痛みを自覚しにくいが、これは所得税には重税感があるが消費税にはそれが薄いことと対応する。小沢一郎のかつての政策が「所得税・住民税の大幅減税」と「消費税の大幅増税」がセットであったことからもわかる通り、所得税や住民税の減税はいずれ消費税増税を招く政策である。菅直人小沢一郎の抗争など、しょせん新自由主義者同士の醜い権力闘争に過ぎないことをわれわれは冷徹に認識する必要がある。

与謝野らの「庶民増税」でもなく、河村らの「金持ち減税」でもない道が「再分配重視」であり、これは、担税力の大きい人ほど多く分担してもらって、貧富の差の小さな社会を目指す行き方だ。「正義」と「経済効率」の両方の観点から、これこそが目指すべき道であるとわれわれは考える。

菅直人はかつて、公共事業重視の第一の道でも、市場原理主義の第二の道でもない「第三の道」を目指すと言ったが、現実に菅直人が進んでいるのは「第二の道」であり、菅直人と距離を開けながらも同じ道を進んでいるのが小沢一郎である。同じ道を歩く別のグループには、小泉純一郎竹中平蔵らもいる。彼らが先導する「新自由主義」の道などを進んではならない。

現在進むべき道は、「庶民増税」の第一の道でも、「金持ち減税」の第二の道でもない、「再分配を重視する」第三の道だと言いたい。実際には、この第一の道と第二の道は、違う道であるかのように見えて同じ道であり、本当は三者択一などではなく二者択一でしかないのだが、河村が「減税対増税」などという偽りの対立軸をでっち上げるものだから、便宜上「第三の道」と呼ぶ次第だ。