kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

反原発派で再評価される佐藤栄佐久前知事は「保守本流」なんだよ。小沢系じゃない

福島県佐藤栄佐久前知事といえば、2006年に実弟・祐二氏の絡む汚職事件で追及を受け、任期途中での辞職を余儀なくされた人だが、反原発派の知事としても知られていた。現在の知事は、謝罪しにきた東京電力幹部との面会を拒否するなどしているが、原発推進派である。

この佐藤前知事に絡んで、小沢信者がこんなブログ記事を書いている。


「10基もの原発を有する原発銀座 福島県~佐藤栄佐久氏~水谷建設~検察」(~小沢一郎氏) - 来栖宥子★午後のアダージォ


どうやらブログ主は、小沢一郎原発反対論と結びつけようとしているようだが、残念ながら佐藤前知事は小沢系というか田中−竹下系ではない。

佐藤前知事は、1988年に福島県知事選に初当選した時、伊東正義斎藤邦吉らの支援を受けた。要するに、大平正芳宮沢喜一加藤紘一ら「保守本流」の流れをくむ人である。田中−竹下系は、「保守本流」と盟友関係にあったけれども流れが異なり、福田(赳夫)派や中曽根派ほど極端ではないが、ややタカ派寄りだった。つまり田中派(のち竹下派)は、ハト派保守本流タカ派の福田・中曽根の中間にある政治集団だった。その中でも、小沢一郎は「田中系らしからぬタカ派」という印象を私は90年代からずっと持っていた。

事実は、ブログ主の願望とは大いに異なり、保守本流の地方政治家は中央の政治に逆らって「反原発」の姿勢をとっていたけれども、中央の野党の代表(当時)は、党の政策を「原発慎重派」から「原発推進派」に転換させたかった、電気会社御用労組出身にして元は社会党社民党に属していた某政治家の希望をいとも簡単に受け入れて、党の政策を転換してしまったのだ。

もちろん、当時の党幹事長や党代表代行にも連帯責任はあるけれども、もっとも重い責任があるのは当時の党代表である。そんなことは当たり前だろう。