kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

岩手県に原発がないのは鈴木善幸の立ち回りのおかげだった。小沢一郎(笑)は原発誘致派だった

1/21の朝日新聞3面に、「原発国家 三陸の港から」と題された記事が出ている。

周知のように、青森県から茨城県までの太平洋沿岸で唯一原発がないのが岩手県である。この事実をとらえて「小沢信者」たちは「小沢一郎原発に反対だったからだ」と宣伝しているが、この記事を読むとそれは事実と異なることがわかる。

岩手県にも原発を誘致する話はあり、1982年には東北電力に売り込みをかけた。朝日新聞記事は、旧衆院岩手1区の自民党玉沢徳一郎(福田派)や旧2区の小沢一郎田中派)も賛成を表明していたと書いている。

それなのになぜ岩手に原発は建たなかったか。記事は、元首相・鈴木善幸の立ち回りに理由を求めている。自民党政権の首相として、鈴木善幸もまた国策としては原発推進を表明していた。しかし、鈴木は地元入りした時には原発のことは何も言わなかった。それどころか、長男の前衆院議員・鈴木俊一には「三陸原発は作らせない」と断言していた。1982年に首相を退任した後も、鈴木は原発誘致話に動かず先延ばしにしているうち、東北の電力はだぶつき、岩手への原発誘致は立ち消えになったのだという。

記事には、「空白岩手 陰に和の政治」という見出しがつけられている。間違っても「空白岩手 剛腕が原発阻止」ではない。記事を書いた本田修一記者は、「和の政治」を掲げた鈴木善幸小泉純一郎橋下徹ら「対立軸を鮮明にして選挙で決着をつける政治家」と対比している。鈴木善幸のような「保守本流」のやり方にもいろいろ問題はあると思うが、80年代前半に岩手県でもっとも力のある保守政治家が小沢一郎ではなく鈴木善幸だったことが、岩手県原発建設を阻んだことだけは間違いなさそうだ。