kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

岩手県の大学進学率と小沢一郎と新自由主義と

隗より始める? - Living, Loving, Thinking, Again より

 高橋氏の文章*1の中でいちばん引っかかったのは最後のパラグラフだったのだ;

 少なくとも、大学進学率が40%未満だった、青森、岩手、大分、宮崎、鹿児島の各県が、大学進学率をあげるためだけの方策を実施することだけは、止めてほしいものだ。どの県も、その指標だけではない魅力あふれる県ではないか。

 「魅力あふれる県」? たしかに観光客として数日間滞在するだけなら。問題は大学進学率が低い県というのは就職先も少なそうだということだ。逆に進学率が高い大都市圏は就職先も田舎よりは相対的にましだということは容易く推測できる。


「岩手」で誰かさんのことを思い出してしまったのだが、「国民の生活が第一」でおなじみの誰かさんは、自民党時代から自由党時代まで、主に政権与党の政治家だった時代に、自らの新自由主義政策によって地元の土建業者を衰退させてしまったと聞いたことがある。岩手県の大学進学率と関係があるかどうかは知らないが。

地元への利益供与にばかり明け暮れる政治家はよく批判の対象になってきたが、地方に選挙区を持つ政治家が地元への利益供与を競うことは、かつての自民党政治の標語「国土の均衡ある発展」にはそれなりに資するところがあったのかもしれない。ある時期からそれへの批判が高まったが、80年代あたりから新自由主義の世の中になると、一転して大都市、特に首都圏への経済の集中が進んだ。それまで減少していた東京など大都市の人口が増加に転じる一方、地方自治体の人口は急激に減少している。その流れで神奈川の小泉純一郎が総理大臣になったし、小沢一郎は地元の土建業を衰退させた。今も止まらぬ東京集中が続けば、関東・東海・近畿と北東北・南九州の大学進学率の格差はますます拡大するかもしれない。

また、岩手への原発誘致を阻止した鈴木善幸は、地元に迷惑施設を持ってくるのを阻止した政治家として後世の地元民から評価されることになるかもしれないが、小沢にはそんな実績もない。

小沢一郎とは、岩手県民にとってどういう存在だったのだろうかと、またまた話を小沢と結びつけて考えてしまったのだった。