kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「ヨタ専科」エジリンのプロ野球開幕騒動迷解説

夕刊フジ江尻良文という、プロ野球ファンの間では有名な、ヨタ記事を書くゴロツキ記者がいる。通称を「エジリン」という。

エジリンは、長嶋巨人時代は読売マンセーの翼賛記者だったが、近年では読売を見捨てて阪神マンセー記事を書いている。その時その時でもっとも人気のある球団になびく、恥ずべき根性の持ち主だ。

そのエジリンの記事だから話半分で読まなければならないが、プロ野球の開幕騒動を面白おかしく解説している。
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/110325/bbl11032523150026-n1.htm


以下引用する。

 4月いっぱいは東京ドームではデーゲームも行わない−。巨人・清武英利代表は“完全撤退”を明言した。「基本的にはナイターの時間帯に需要が高まるとはいえ、ナイターと類似の電力使用があれば、控えていただきたい」と蓮舫節電啓発担当相からダメ出しされていた巨人は、ここでもあっさり白旗を上げている。最後の出方が注目されたが、予想外の豹変ぶり。いったい、どうしたことか。球界関係者がこう明かす。

 「巨人の大誤算は、テレビ朝日出身の民主党代議士、監督官庁文部科学省の笠(浩史)政務官との間で話がついたと、早とちりしたことだろう。笠氏は、選挙区が神奈川9区で巨人の選手が多く住んでいる川崎の麻生区などが地盤。そんなこともあって、日頃から巨人とのホットラインがウワサされている」

 そもそも、今回の開幕問題大騒動は18日に突然出された、プロ野球界の監督官庁文部科学省鈴木寛副大臣名での通達が引き金だ。

 「(1)厳しい電力事情を踏まえ、計画停電が行われている東京電力東北電力管内以外の地域で試合を開催するよう、可能な限りの努力をお願いします」「(2)特に、東京電力東北電力管内の地域では、夜間に試合を開催することは厳に慎むようお願いします」

 この通達を受け、当初の予定通り25日開幕を強行しようとした巨人は翌19日、東京・大手町の球団事務所でセ・リーグ緊急理事会を招集させた。その結果、「セ・リーグの開幕を29日に延期する」「東京・東北電力管内では4月3日までデーゲーム。4月5日以降は減灯ナイターにする」と軌道修正した。

 が、巨人軍の誤算は、笠浩史文科大臣政務官と事前にコンタクトを取り、政府が開幕日の決定に介入しないと踏んでいたことだ。笠氏自身、自らのホームページで、セ・リーグが19日の臨時理事会を開く前に「見直しの方向性」に関して助言を求めてきたことを明かしている。

 同時に、「私が文科省政務官としてセ・リーグの開幕を承認したという報道がありましたが、承諾した事実はございません」と、29日開幕に同意したことを全面否定している。

 その上、23日はさらに高木義明文部科学相蓮舫節電啓発相から、相次いでダメ押しの厳しい注文と意見が出た。「4月いっぱいのナイター中止」「セ・リーグが4日間延期することにどういう議論があって、どういう根拠があったのか? 選手の意見をくみ取っていない。新井会長が言うこと(4月12日にセ、パ同時開幕)にすべて賛成です」と。

 この裏には、巨人側の動きとは全く対照的で、政界人脈をフル活用した選手会の周到な根回しが見え隠れする。文科省鈴木寛副大臣と元労組日本プロ野球選手会長の古田敦也氏のホットラインは「2人の蜜月関係は我々でも知っている公然の秘密」と、前出の球界関係者は明かし、さらにこう語る。

 「選手会の石渡顧問弁護士は民主党と太いパイプがある。蓮舫節電啓発担当相が有名になった、あの事業仕分けのメンバーにもなっていたほどだ。こういうコネクションがあれば、どうやっても巨人に巻き返す策はない」

 自民党政権下ではキングメーカーを自任していた巨人・渡辺恒雄球団会長も新たに打つ手はなかったのだろう。「開幕を何日にしろってのは、お上が決めることかよ! 日程は我々自身が決める」と言い放った滝鼻卓雄オーナーの言葉も今となっては虚しい。26日の12球団オーナー会議を前にして、面目丸つぶれの撤退となった。


鈴木寛古田敦也の結びつきか。本当かなあと思って鈴木寛参院議員(民主党)について調べてみたら、なるほどと思った。

鈴木寛は、1964年2月に兵庫県明石市に生まれ、同県の灘高校、東大法学部を卒業して通産省(現経産省)入りし、慶応大学助教授を経て2001年の参院選で初当選した。

古田敦也は、1965年8月に兵庫県明石市に生まれ、同県の川西明峰高校、立命館大を卒業してトヨタ自動車を経て1990年にヤクルトスワローズ入りした。

ここらへんは、同郷ではないが育ちが兵庫県である私にはピンとくる話で、なるほどこれなら2人のウマが合っても不思議はないと思う。

今回の開幕延期に当たって、古田が鈴木寛に強く働きかけたことによって文科省からプロ野球界に強い圧力がかかり、ナベツネといえどもひとたまりもなかったというエジリンの想像は、なるほどありそうな話だと思えるのである。

一方、エジリンの記事で引き合いに出されている笠浩史は、1965年1月に福岡県に生まれ、同県の修猷館高校、慶応大文学部を卒業してテレビ朝日に入社、2003年の衆議院選挙で初当選した。笠は鈴木の1学年下で、古田は笠のさらに1学年下に当たる。いずれも40代後半の働き盛りだ。

政治思想的には鈴木寛笠浩史とも党内右派で鳩山系とされる。特に笠浩史民主党内でも有数の極右議員として悪名高いが、政治思想や党内抗争において両議員が対立的な立場に立っているわけではない。また、鈴木寛阪神ファンであるかどうか私は知らないし、そんなことはどうだって良いだろう。

要するにここで言いたいことは、読売巨人やナベツネのゴリ押し反対、という声をあげるだけであれば、大昔から私を含むアンチ読売のプロ野球ファンがやっていたことであって、その中には「江川事件」より前の1978年に癌で早世した明大の鈴木武樹教授(中日ファン)のように、参院選(1977年)に立候補して政治にかかわろうとした人もいたが、結局政権との結びつきを持ち、政権がプロ野球界に影響を与えることなくして「読売巨人の横暴」を止めることはできなかったのではないかということだ。


突然話は原発に飛ぶのだが、原発推進に反対し、再生可能エネルギーへの注力に政治を傾斜させるためには、そのような方向に政治を動かせる人物を政界に送り込み、政権の中枢を担ってもらうしかないと思う。

環境派の政治家として売り出した鳩山由紀夫は、原発への賛否は別として、自然エネルギー再生可能エネルギー)重視という点ではそのような方向性を持つ人間だったが、彼が自らの属する政党を大きくする際に、旧民社・旧同盟の人間たちと手を組んだことが鳩山自身の足を引っ張る形となった。何度も書くが、電力総連や電機労連*1は、経団連と並んで国内でももっとも強硬な原発推進勢力であり、鳩山が掲げた「温室効果ガス削減中期目標25%」も原発推進へと話をねじ曲げ、自然エネルギー開発につながる政策を次々と潰していった。鳩山は昨年春頃に「政策がズタズタにされた」と嘆いたというが、鳩山の理想をズタズタにしたのは鳩山自身の取り巻きである旧民社・旧同盟の連中だったから、自ら蒔いた種、身から出たサビとしか言いようがない。おまけに、鳩山は菅直人ともども、2006年に小沢一郎民主党の政策を「原発慎重派」から「原発推進派」に転換した時の民主党首脳だった*2

民主党は今後「脱原発」に政策の舵を再度切り直さなければならないと思うが、その際には、鳩山も現首相の菅も、そしてもちろん民主党の政策を転換した張本人である小沢も、要するに「トロイカ」は全員、政界の一線から身を退くべきだと思う今日この頃なのである。

*1:電機労連は旧民社・旧同盟ではないが、原発推進という点ではもっとも強硬な勢力であることには変わりはない。

*2:鳩山は党幹事長、菅は党代表代行。