kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

民主党の「原発推進」エネルギー政策転換は、小沢一郎代表時代の2007年になされた

当ブログがフリスキーさんの指摘を紹介して話題になった民主党のエネルギー政策の転換だが、実際には大畠章宏が政策転換の要望を出した2006年に直ちに政策転換が行われたわけではなかった。実際に政策が転換されたのは、民主党参院選自民党に圧勝した、翌2007年のことである。


上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場 : 民主党の原発政策と電力総連 が、電力総連出身の民主党議員・藤原正司(昨年の民主党代表選では小沢一郎に投票した)が電力総連の機関紙『つばさ』で語った内容を紹介している。


以下、上脇教授のブログより孫引きする。実は、少し前にも当ブログで紹介したばかりの記事なのだが、「2007年の参院選小沢一郎前原誠司時代の原発推進マニフェストから原発推進色を弱めたのではないか」というコメントを寄せてこられた方がいたので、再度紹介する次第だ*1


藤原議員は下記のように語っている。

民主党内でも様々な意見があるのは事実ですが、エネルギーの実情を認めざるを得ないのです。これまで民主党政策において、原子力発電は「過渡的エネルギー」という位置付けでしたが、2007年民主党政策におけるエネルギー分野では、「原子力発電は我が国の基幹エネルギーとして捉えながら安全第一に進める」という方向付けがなされました。その甲斐あって、これまでの「過渡的」の文言がとれ、更には、核燃料サイクルに国の役割を明記するなど、かなり前進したものとなりました。


(『つばさ』 2007年6月1日付128号より)


2007年は小沢一郎代表時代で、夏の参院選と秋の大連立騒動があった年である。その年に民主党がエネルギー政策を転換したと、電力総連出身の民主党議員が明言しているのだ。


小沢一郎は、2009年3月の「西松事件」直前にグリーンニューディール政策に舵を切ろうとしたではないかともコメントされたが、当時はアメリカのオバマが大統領に推進して、大々的にグリーンニューディール政策を宣伝していた頃。マスコミでも大いに注目されたし、昔から環境派の国会議員として名を売ってきた鳩山由紀夫が熱心に旗を振ろうとしていた。


しかし、鳩山は政権交代に伴って首班指名を受けて組閣した際、経産省に旧民社の直嶋正行を任命したり、官房長官電機連合出身の無能な平野博文を任命したりして、自分で自分の首を絞めた。これらの人事の当然の帰結として、グリーンニューディールのつもりが原発推進に換骨奪胎され、しまいには鳩山自身も原発推進の旗を振るようになった。この鳩山政権の原発推進政策は、菅政権に引き継がれるとさらに前のめりになった。これらの過程で、小沢一郎原発推進へと傾斜を強める鳩山及び菅の姿勢を批判したことは一度もなかったし、昨年9月の民主党代表選でも原発政策は争点にならなかった。


どう甘く見積もったところで、小沢一郎はエネルギー政策には大して関心がなく、支援団体である連合が要望するままに原発推進政策を無批判に進めていたとしか解釈できない。

*1:なお、前原誠司民主党が「郵政総選挙」で惨敗した2005年に、引責辞任した岡田克也の後を受けて民主党代表に就任したものの、翌年4月にライブドア事件に絡んだ「偽メール事件」で引責辞任した。その間国政選挙はなかったので、「前原誠司時代のマニフェスト」など存在しない。