kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

西村康稔は安倍晋三を裏切って「脱原発」に転向するのか

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110614-OYT1T00920.htm

河野氏ら自民中堅・若手が「脱原発」議連


 自民党の中堅・若手議員が14日、「エネルギー政策議員連盟」を結成し、東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、「脱原発」を党の政策とするための活動を始める方針を確認した。

 議連の中心メンバーは、河野太郎前幹事長代理、西村康稔経済産業部会長、世耕弘成参院幹事長代理ら。河野氏は以前から「脱原発」を持論としていたが、西村氏らも議論に加わったことが注目される。

 初会合には約20人が参加し、河野氏は「明日、原発を止めるわけにもいかないし、原発を新設するわけにもいかない」とし、太陽光など再生可能エネルギーの促進を訴えた。

 同党の中長期的なエネルギー政策の検討は、「電源立地・原子力等調査会」(会長・細田博之官房長官)が担当している。調査会のベテラン議員は「原子力をゼロにするのは現実的ではない」と強調した。党内では「脱原発」の是非が、世代間対立の芽になるとの受け止めも出ている。
(2011年6月14日21時01分 読売新聞)


この記事で注目されるのは、なんといっても「西村康稔」という固有名詞だ。

10年近くの昔から安倍晋三を最大の敵と位置づけている私にとって、「西村康稔」は絶対に見逃せない名前。なんたって、安倍晋三の側近中の側近とされている。

安倍晋三といえば、原発推進勢力の中でももっとも悪質な人間だ。先日も、ガセネタをもとに菅政権を追及しようと、あたかも5年前の「偽メール事件」で自分がやられたことをやり返そうとするかのような妄動に出て、みごとに自爆した。

あの「偽メール事件」は、ライブドア投資事業組合をめぐる疑惑を民主党が追及していた最中に起きた。その直前、民主党幹事長を務めていた鳩山由紀夫は、安倍晋三のほか西村康稔の固有名詞を口にして、彼らの疑惑を言い立てていた。

しかし、「偽メール事件」はすべてを無にしてしまった。陥落寸前だった武部勤までもが生き延びてしまった。自殺した永田寿康は責任を取って議員辞職したばかりか、3年後には自殺に追い込まれたというのに、前原誠司は今や総理大臣の座をつけ狙っている。

だが、前原はまだしも民主党代表辞任という代償を払った。私が今でもこだわっているのは、西村康稔安倍晋三同様無傷で生き延びたことだ。その西村が、「脱原発」に転向しようとしている。西村は、つい1か月前に、甘利明の「原発を守る」ための議連に参加し、朝日新聞に書き立てられたばかりだというのに、なんという変わり身の早さだろうか。


下記の飯田哲也Twitterを見ると、西村は飯田氏にもある程度食い込んでいるようだ。
http://twitter.com/#!/iidatetsunari/status/80585675832954880

首相、続投に意欲 今国会で再生エネ法案成立を【共同通信 6/14 13:17】自民党は「菅内閣の間は政府提出法案には協力しない」と。この法案を政争の具にする国会は国民と歴史に対する犯罪だと思う。経産委員会自民党理事の西村康稔議員(@nishy03)はそんなことしないよね?


4時間前 TweetDeckから


西村は、法案の審議入りを妨害した張本人だ。その西村を、飯田氏がとがめているが、飯田氏の書きぶりにはどこか親愛の念がこもっている。西村は、元通産官僚で自然エネルギー推進に携わっていたことがあるそうだから、飯田氏とは昔からの知り合いなのだろうと推察する。

おそらく、西村は頭の悪い安倍晋三とは全く異なり、人の心をとらえる話術や人当たりの良さを持っているのだろうと推察する。話の筋道も通っていて頭の良さを感じさせるものであるに違いない。その西村が「脱原発」に寝返ることは、安倍晋三にとっては大いなる「裏切り」だろうが、現在の「脱原発」の流れは本物だと西村が察知していることを意味する。


飯田哲也は、こうもつぶやいている。
http://twitter.com/#!/iidatetsunari/status/80562098261852160

【明日6/15 17:30?エネシフ・ナウhttp://ow.ly/5gW60 】署名していない議員は誰?地元の国会議員事務所に問い合わせてみよう!再生可能エネルギー促進法案の早期審議入りを求める議員署名が180名に達し、200名を超えることが確実とのことです #genpatsu


5時間前 TweetDeckから


果たして西村は寝返るのだろうか。

私は、「白猫黒猫論」を正しいと思っているから、西村康稔だろうが城内実だろうが、「脱原発」への寝返りは大歓迎だ。城内や西村は、他の件で思いっきり叩けば良いと考えている。

だが、ここで西村が「脱原発」に寝返るのであれば、ますます西村を強く警戒しなければならなくなる。もともと私は西村は安倍晋三とは「格が違う」強敵なのではないかと思っていた。城内実も機を見るに敏な人間だが、城内の場合は自らのブログを何度も炎上させるなど隙が多く、そこはご愛嬌だ。何より、腹を立てた時にすぐ言動が乱れてしまうという弱点を城内は持っている。しかし、西村には城内のような隙は全くなさそうだ。

読売の記事が、西村の「脱原発」転向をことさらに書いているのも、逆、つまり原発推進の立場からの西村への警戒心の表れであるように、私には読める。

おそらく西村は、主君である安倍晋三を裏切ることなど屁とも思っていないのではないか。今後の自民党では、この西村康稔という人間に対して、決して警戒を怠ってはならないと思う。


[PS]
記事を書いたあと、検索語「西村康稔」でGoogle検索をかけたら、一昨年に私が書いた下記記事が引っかかった。
きまぐれな日々 自民党総裁選 ─ 西村康稔の「陽動作戦」に騙されるな


以下引用する。

『kojitakenの日記』にも書いたが、私があれっと思ったのが、西村康稔サンプロの討論で小泉構造改革を明確に否定したことだ。西村の批判は河野太郎に向けられたもので、西村は、河野が都市部選出の議員であり、小泉改革の継承を主張しているが、地方の痛みがわかっていないと言っていた。

(中略)西村は、ライブドア事件の時に、投資事業組合にかかわった噂が流れた政治家である。灘高─東大─通産省と進んだ西村のキャリアは、村上世彰と完全に同じであり、西村は村上の3年後輩にあたる。3年前には、西村が村上ファンド関連会社役員から献金を受けていた事実を、『しんぶん赤旗』に暴露された。こんな人物が「小泉構造改革」を否定し、地方代表の政治家面するなんてちゃんちゃらおかしい。西村こそ小泉構造改革のうまみをたっぷり吸った人間ではないか。西村の選挙区の明石や灘高校のある神戸はれっきとした都市部である。それなのになぜ西村が「小泉構造改革」を批判し、河野太郎が地方の痛みをわかっていないと主張するのか。その理由はただ一つ。地方票が河野太郎に流れるのを阻止することが狙いである。西村自身が地方の痛みを理解し、地方を豊かにする政治を目指しているわけでは決してない。