河野太郎という政治家を私はもともとほとんど買っていなかった。
父の河野洋平氏が筋金入りの「ハト派」政治家といえるのに対し、河野太郎はゴリゴリのタカ派だったからだ。安倍晋太郎と安倍晋三の例を引くまでもなく、世襲政治家は親よりもタカ派になることが多い。安倍家の場合は、安倍晋太郎自身が、「平和主義者」として知られた父の安倍寛と比較すると、岸信介・福田赳夫の派閥に属するタカ派政治家だったが、安倍晋三の場合は晋太郎の比ではない極悪な極右政治家である。安倍晋三ほど極端ではないにせよ、河野太郎も父とは違って明らかにタカ派に属する政治家といえる。
その河野太郎のウリは「脱原発」だった。一時脱原発派の論客として期待された(のち橋下徹のブレーンになったり、日本未来の党から衆院選に出て衆院議員の座を狙ったりして馬脚を現した)飯田哲也(いいだ・てつなり)などは河野に対して歯の浮くようなお世辞を並べ立てていたものだ。
その河野が、あの暴言で悪名高い過激な原発推進派だった元敦賀町長・故高木孝一(2012年死亡*1)のドラ息子・高木毅らとともに初入閣するや、脱原発を主張し、原発再稼働に反対する記事が書かれた自らのブログを閲覧できない「メンテナンス中」にして、世の失笑を買っている。
http://www.asahi.com/articles/ASHB777P2HB7UTFK016.html
入閣の河野太郎氏「脱原発」どうする ブログの公開中断
関根慎一
2015年10月7日23時55分
自民党内きっての脱原発派として知られる、河野太郎衆院議員(麻生派)が初入閣した。河野氏はこれまで安倍政権の原発推進の方針に異議を唱えてきたが、7日の初閣議後の記者会見では持論を封印。また、原発再稼働を批判してきたブログは同日夜現在で「メンテナンス中」として、閲覧できない状態になっている。河野氏は自身のブログ「ごまめの歯ぎしり」で、安倍政権の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)再稼働について「核のゴミには目をつぶり、やみくもに再稼働しようというのは無責任です」と批判してきた。
7日の記者会見で持論と政権方針との整合性を問われると「2012年の総裁選の時に、当時の安倍晋三候補は長期的には原子力への依存度を下げるとはっきりおっしゃっていた。ベクトルとしては同じ方向を向いている」と説明した。
またブログを閲覧できなくしたことに関しては「今までは外から言っているだけだった。今度は政府内の議論でしっかりと言うべきところは言っていく」と述べ、言葉を濁した。河野氏の姿勢は今後、野党から追及の的となりそうだ。(関根慎一)
(朝日新聞デジタルより)
http://mainichi.jp/select/news/20151009k0000m010106000c.html
初入閣の河野太郎氏:「脱原発派」を封印、「安全運転」に
7日に初入閣した自民党の数少ない「脱原発派」、河野太郎国家公安委員長兼行政改革担当相が「安全運転」に徹している。就任後の記者会見では持論を封印。脱原発の主張を記したブログは「メンテナンス中」として公開が中断された。河野氏は昨年7月、ブログに「核のゴミには目をつぶり、やみくもに再稼働しようというのは無責任」などと記していた。公開中断について河野氏は8日、記者団に「スマートフォン対応へのリニューアルをしていた」と説明。その上で「外に向け、政府の政策を訴える象徴」として内容を刷新する考えを示した。過去のメールマガジンやツイッターの書き込みは「そのままにしておく」と語った。
山東派の山東昭子会長は8日の派閥会合で「河野さんは改革の専門家。内閣の一員になった以上、自己改革して政府として発言し行動すると思う」と皮肉交じりに評価。維新の党の松野頼久代表は記者会見で「内閣に入っても持論は堂々と主張してもらいたい。(国会の)委員会でしっかり聞く」と整合性を問う考えを示した。【樋口淳也】
(毎日新聞 2015年10月08日 21時59分)
河野太郎とはしょせんこの程度の政治家に過ぎないのである。もともと河野を買っていなかった私からすると、全く驚くには当たらないの一語。