kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

菅内閣不信任案否決以後、自民党の支持率が急落。焦る産経(笑)

産経の政局記事が興味深い。


http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110614/stt11061423140014-n1.htm

支持率低下に焦る自民党 問責決議案も世論次第
2011.6.14 23:11


 菅直人首相が続投意欲を強めていることに、自民党執行部が危機感を募らせている。内閣不信任決議案が否決されたうえ、有権者の間で「自民党は震災対策より政局優先」との見方が出ているためか、政党支持率もじりじり下落。野党が多数を握る参院で問責決議案を可決させて退陣に追い込む策も、世論の理解が得られなければおぼつかない。焦燥感は高まる一方だ。

 「自民党が意地悪でもしていると思われているんじゃないかね」

 14日の党役員会で、野田毅自治相は各種世論調査自民党の支持率が下がっていることについて、こう指摘した。他の役員も「菅首相ではダメだという点を発信しなきゃいかん」などと危機感を口にした。

 5月28、29両日の産経新聞とFNNの合同世論調査政党支持率では、自民党民主党を3ポイント上回った。しかし、6月11、12両日の朝日新聞調査では民主党自民党を3ポイント上回った。その他の調査でも自民党民主党に逆転されるケースが出てきている。

 石破茂政調会長は14日の記者会見で「支持率下落はわれわれの説明が不十分だからだ。永田町と世論の乖(かい)離(り)を埋める努力をすべきだ。大いに反省したい」と低姿勢に終始した。

 自民党への世論の支持が弱まると、首相を退陣に追い込むための問責決議案の提出が難しくなる。衆院内閣不信任決議と異なり、参院の問責決議には法的拘束力がなく、可決したとしても首相が続投するなら欠席戦術で対抗するしかない。そのときに、世論の支持がなければ批判の矛先が自民党に向かってしまう可能性があるためだ。

 小坂憲次参院幹事長は14日、首相問責決議案の提出について「何が何でも出さなくてはいけないという問題ではない。世論の要請がどれだけ強いかが問題だ」と述べた。ただ、菅首相退陣を迫ってきた党執行部は「首相を辞めさせられなければ党内が持たない」と焦りを隠せない。問責決議案提出も含めて菅首相を退陣に追い込めるか。22日の会期末が迫る中、自民党は正念場を迎えている。


あまりに面白すぎる記事だ。


あの内閣不信任案否決劇は、間違いなく「自公小」にとってボディーブローのように効いている。私は、自民党があの「国民的不人気」の小沢一派なんかと組もうとしているのを見て、「この人たち、本当に本気なのか?」と訝っていたが、鳩山由紀夫らの裏切りにあってみごと自爆した。あれでは人心が離れるのも当然で、周りで自民党を良く言う人の言葉を聞いたことがない。それに対し、「あいつらが原発を推進したんだろ? 不信任案だって原発を守りたかっただけなんじゃないか」という声は毎日のように聞く。日本全国で、自民党支持が多数派というコミュニティはどのくらいあるのだろうか。


何より情けないと思うのは、「菅首相ではダメだという点を発信しなきゃいかん」と言ったという、自民党の役員の言葉だ。彼らには、「自民党はこんなに良いという点を発信しなきゃいかん」という発想はないのである。自民党に取り柄なんてこれっぽっちもない、そのことを自分たちが一番よく知っているから、自党の良さをアピールしたいという言葉が出てこないのだ。


あと、以前は産経の調査で自民党の支持率が民主党を上回っていたのに、最近の朝日の調査では民主党の方が上だったといって慌てふためいている産経の記者にも笑える。産経と朝日だったら、同じ日に調査したってそういう結果になりかねないのではないかと私は思うのだが、普段だったら産経の記者もそう思うのではないだろうか。それなのに、自民党の人気がものすごく急落しているのではないかとばかり、彼らは疑心暗鬼に陥っている。おそらく、政党支持率の数字以上に、ここのところしばらく自民党に吹いていた順風が一気に逆風に変わった、その変化が急激なのだろうと想像する。


そういえば、4年前の今頃もそうだった。「消えた年金」問題の発覚と松岡利勝農水相の自殺が起きるや、それまで高支持率で順風満帆、参院選でも自民党が勝つだろうと見られていた安倍晋三内閣の支持率が急落し、7月の参院選自民党は歴史的大敗を喫したのだった。逆の例もあって、昨年の今頃、菅直人が突如消費税増税を言い出したところから、民主党参院選の惨敗に追い込まれた。


政治は一寸先は闇。国民生活をほったらかしにして改憲だけに熱中した安倍晋三、消費税増税を言い出したって勝てると甘く見た菅直人、小鳩の甘言にまんまと乗せられた自民党の長老連。彼らの浅はかさが墓穴を掘ったといえようか。