kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

民主党小沢派議員にとっての「小沢一郎」とは読売新聞社員にとっての「ナベツネ」と同じなんだろうなあ

上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場 : 野田首相の実質的なTPP交渉参加表明と、国民新党、民主党慎重派の腰砕け・裏切り!(本音は推進!?) は、いつもながら妥当な論評だと思う。

(1)野田首相が10日表明の予定を1日延期し、11日に実質的なTPP交渉参加表明を表明した(報道は後掲)。
これまで日本共産党社民党だけではなく、自民党公明党、さらには、国民新党や、民主党の一部なども、野田首相のTPP交渉参加(表明)に反対してきた(同上)。

(2)にもかかわらず、国民新党や、民主党の慎重派は、野田首相の実質的なTPP交渉参加表明に抗議してはいない。
マスコミ報道を読むと、腰砕けになり、あるいは推進派とグルになり裏切っているようだ。
本音は日本のTPP交渉参加に推進ではなかったのか、とさえ、思えてくる。

民主党元代表小沢一郎氏は、TPPに全面反対ではなく、条件付き賛成を表明していた。

山田氏も所属する小沢一郎元代表グループは静観の構えで、「勝負はTPP参加批准の時だ」(中堅)と自重を求める声もある。(読売新聞11月13日付記事より)

ある議員は最近、小沢一郎元代表の側近から「今動いても勝てない」といさめられた朝日新聞11月11日付記事より)

この朝日の記事は当ブログでも取り上げたことがある。

一番呆れたのは下記。この朝日の記事は見落としていた、というより、もう呆れてしまって記事を読む気も失せていたのだった。

反対派議員の一人は「各国の同意を得る手続きを事前交渉と名付け、事前交渉は、交渉に参加しているわけではないと主張」としたメモを執行部に渡し、「落としどころ」を探っていた。朝日新聞11月12日付記事より)

そして、上脇教授が書く通り、野田首相は、このメモ通りの表明をした!」のだ!!!

これを「八百長」と言わずして何と言おうか。


ブログ記事の最後の部分は本当にその通りだと思うので、全文を引用する。

5.本来なら今こそ野田内閣不信任に動くべき!


(1)今年6月初めには菅内閣不信任案が自民党などによって提出され、民主党小沢一郎氏らのグループがそれに賛成する構えであった。


これにより自民党政権に戻る計画だったようだ。


この計画は失敗したものの、結局9月には、菅首相は退陣に追い込まれた。


(2)私は、菅内閣は財界政治を進めるもので、問題があったと考えるが、当時の内閣不信任案提出には全く賛成しなかった。
脱原発」ではなく「脱原発依存」にすぎなかったものの、当時の菅首相は、国の原発政策に少しブレーキをかけていたからだ。


(3)むしろ、内閣不信任案を提出するのであれば、今回の野田首相の実質的なTPP交渉参加表明後だろう(反対派・慎重派は国会で表明させるべきだった)。


(4)自民党のTPP反対派は、事前に、野田首相がAPEC首脳会議でTPP交渉への参加を表明した場合、衆議院内閣不信任決議案を、参議院に首相問責決議案を提出するよう求めるよう谷垣禎一総裁に決議文を提出している。

日経新聞2011/11/8 20:05
「参加表明なら不信任案を」 自民TPP反対派

 自民党の「環太平洋経済連携協定(TPP)参加の即時撤回を求める会」(森山裕会長)は8日、野田佳彦首相がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、TPP交渉への参加を表明した場合、衆院内閣不信任決議案、参院に首相問責決議案を提出するよう求める決議をした。森山氏は決議文を谷垣禎一総裁らに手渡した。
 自民党は8日の総務会で、APEC首脳会議での交渉参加表明に反対する見解を決定。森山氏は記者団に「参加阻止に向けてみんなでやっていこうという気持ちだ」と述べた。


自民党が本気でTPP交渉に参加することに反対するのであれば、野田内閣不信任案を提出するはずである。
また、民主党の反対派・慎重派は、本気であれば、同案に賛成するはずである。

自民党が内閣不信任案を提出しなければ、本音はやはり推進ではないかと思ってしまう。


(5)自民党が躊躇するようであれば、民主党の反対派・慎重派が内閣不信任案を提出すべきだろう。
離党しないのであれば、せめて、それくらいはすべきだろう。
そうしなければ、本音はやはり推進ではないかと思ってしまう。


否、前述した腰砕けや裏切りを見ると、本音はやはり推進ではないかと思ってしまうから、そうでないというのであれば、民主党の反対派・慎重派が内閣不信任案を提出するしかないだろう。


(6)財界のためではなく、一般庶民のための政治をするというのであれば、そうすべきである。


今、自民党民主党の反対派・慎重派の本気度が試されている!


なお、私は自民党民主党の自称「反対派・慎重派」が本気だなどとは露ほども思っていないから、何も期待していない。

今回の政局は、上脇教授も書く通り、原発政局では小沢一派が自民党の内閣不信任案提出に協力してこれを煽ったにもかかわらず、TPP政局ではそんな気配は全くなかったことから、完全な茶番であったことは明白だ。

もともと小沢一郎のみならず民主党小沢派の議員にとって「TPP」も「消費税」も政争の具に過ぎない。そして、「TPP」をネタにして政争を起こそうにも、ボスの小沢一郎がその気にならなければ動くに動けないのである。

こうしてみると、民主党小沢派議員にとっての「小沢一郎」とは、読売新聞社員にとっての「ナベツネ」と同じなんだろうなあとつくづく思う。下手に逆らうと、清武英利みたいな目に遭ってしまう。そこにあるのは「派内恐怖政治」(読売の場合は「社内恐怖政治」)なのだ。これでは、彼らに政治を良くしてくれると期待する方がおめでたいとしか言いようがない。