Yahoo! Japanに「意識調査」というのがある。
その中に、こんな設問があった*1。
首相のTPP会見、どう思った？
野田首相がTPPについて関係国との協議に入ることを表明。前農相らは「交渉参加表明でなく、事前協議にとどまった」と評価していますが、あなたはどう思う？
（実施期間：2011年11月11日〜2011年11月21日）
これを書いている現時点での票数は下記の通り。
- 実質的な参加表明 84%（12220票）
- 参加表明ではない 7%（1005票）
- どちらともいえない/わからない 10%（1398票）
つまり大部分の人は「実質的な参加表明」だと思っている。朝日新聞（11/12）の1面トップの見出しは、横書き黒字白抜きの大見出しが「TPP交渉 参加方針」、縦書きの見出しが「首相「関係国と協議」」、その横に置かれた縦書きの見出しが「反対派にも配慮の表現」となっている。
asahi.comでは下記のようになっている。
http://www.asahi.com/politics/update/1111/TKY201111110508.html
野田首相、ＴＰＰ交渉参加の方針表明
野田佳彦首相は１１日、首相官邸で記者会見し、環太平洋経済連携協定（ＴＰＰ）について「ＴＰＰ交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と述べ、参加国との事前協議から始まる交渉プロセスに参加する方針を表明した。首相は１２日からハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）首脳会議で、オバマ米大統領らＴＰＰの関係各国首脳と会談し、交渉参加の方針を伝える。
（asahi.com 2011年11月11日 23時11分）
どうでも良いが、記事の日付と時刻を書き換えると2011年11月11日午後11時11分だ。以上が記事のリード部分で、3行ぶち抜きのレイアウトになっている。
以下が段組みの記事の書き出し。
ＴＰＰ交渉に正式参加するには、すでに交渉入りした米国など９カ国と事前協議を行い、それぞれ承認を得る必要がある。日本が各国と本格交渉を始めるのは、早くても来年春以降とみられる。首相が「交渉参加に向けた協議」と表現し、事前協議を強調したのは、民主党内の反対派に配慮した面もある。
首相は会見で、農業や医療などの分野でＴＰＰ参加に反対する声が強いことを念頭に「世界に誇る日本の医療制度、日本の伝統文化、美しい農村、そうしたものは断固として守り抜き、分厚い中間層によって支えられる安定した社会の再構築を実現する決意だ」と強調。こうした懸念に配慮する姿勢をみせた。
これ以降の文章は、紙面には出ているが、ネットでは『朝日新聞DIGITAL』を契約していないとアクセスできない。
「医療制度」だの「伝統文化」だの「美しい農村」だのといった言葉を野田が発しているのはテレビのニュースで見たが、あまりにも空疎だった。「美しい」という形容詞からは安倍晋三を思い出した。
記事の終わりの方に、こんなことが書いてあった。
慎重派の鹿野道彦農林水産相は11日夜、記者団に「総理は『参加表明』とはおっしゃらなかった。交渉参加を前提とするものではないと理解している」と指摘。首相表明が交渉参加にはつながらないとの認識を示した。
これまた、あまりに空疎な言葉だ。
要するに山田正彦だの鹿野道彦だのは矛を収めてしまったわけだ。
私は声を大にして言いたい。
民主党内に「TPP反対派」など存在しない
と。
いや、そうではないと言うなら、まず民主党を離党せよ。それから野党と一緒になって「野ダメ内閣不信任案」を提出せよ。
それらが実行されたなら、当エントリは取り下げる。
