kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

そういや中曽根康弘も「転向」してたんだっけな

昨夜の『報ステ』で原発立地自治体の財政が電源三法交付金頼みで、交付金なくしては病院の経営も成り立たないと言っていたが、あくまで電源三法自体は廃止すべきだろう。原発立地自治体に建った、不必要に豪華なハコモノなどは、電源三法交付金が「極限にまで歪んだ再分配」のあり方以外のなにものでもないことを示す。今回の東電原発事故でも、電源三法交付金のおこぼれになど全く大してあずかっていなかった飯舘村などが原発のせいで理不尽な被害を被ったことを忘れてはならない。

それから、このところ橋下徹前原誠司が「脱原発」に転向した話題を取り上げてきたが、今朝の朝日新聞を読んで思い出したのは、田中角栄ともども「電源三法」の生みの親というべき中曽根康弘も転向していたことだ。最初に中曽根の転向が報じられたのは1か月ほど前だっただろうか。

中曽根は転向しているのに中曽根の腹心だった与謝野馨がいまだに原発固執しているのはひどい醜態だといえるが、これは引退した政治家と現役の政治家の違いだろう。現役の政治家は官僚や財界とのつながりが深い。官僚が原発固執するのは天下りなどで甘い汁を吸っているからだし、財界については、何も孫正義を持ち出さなくとも、自然エネルギーをビジネスチャンスと捉えている企業は多いと思うが、経団連を牛耳っているのは電力会社を含めた古色蒼然たる重厚長大産業の偉いさんたちだ。だから、中曽根康弘でさえ「脱原発」へと転向する時代に、与謝野にしても民主党の政治家にしてもなかなか思い切った「脱原発」発言はできない。前原誠司が「脱原発」宣言をできたのも、菅内閣の閣僚を辞めたからだろう。

それを考えると、もともと政権の主流とは距離があるのに、いまだに(たとえば前原誠司のように)「脱原発」の旗幟を鮮明にしない小沢一郎*1の真の立場がいかなるものか、推測がつきそうなものだと思う。もちろん野党でありながら「脱原発」という言葉を使いたがらない自民党の「真の立場」はあまりにも明白だ。自民党の政権奪回は、即、「日本の滅亡」につながる。

このままだと、延々と民意無視の政治が続くだけだが、思うのだがやはり「電源三法」の廃止が鍵だろう。原発利権をなくしていけば、原発推進勢力の抵抗も弱まっていく。いまだに菅直人小沢一郎も「電源三法廃止」を口にしないようでは、彼らを「脱原発」の人間であるとは到底認めることができない。

*1:現在、小沢一郎の「脱原発」とされているのは、使徒川内博史が「小沢一郎かく語りき」として週刊誌の記者に吹き込んだものに過ぎない。小沢の肉声としては、ニコニコ動画のインタビューでかなり腰を引きながら「原発は過渡的なエネルギー」だと語った例がある程度だ。