kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「小沢信者」の「政治ブロガー」までもが「ソンタクズ」になる理由

「ソンタクズ」というのはさる掲示板で知った言葉で、もしかしたら「2ちゃんねる」あたりの発祥かもしれないが、2ちゃんねるの書き込みはあまり検索エンジンには引っかからないので、いま現在「ソンタクズ」で検索すると当ブログの記事が上位に引っかかる。

なお、ご存じない方のために書いておくと、「ソンタクズ」の意味は下記の通り*1

ソンタクズ【名】


小沢一郎の意向を忖度(そんたく)して動く国会議員たちのこと。おおむね、旧自由党系の議員や一新会幹部。政権交代後は、労働組合系の幹部議員も仲間入りした。
掲示板に書き込む小沢シンパのことを指すこともある。
小沢の考えを察して解説したり理論づけしたり、他勢力を叩いたりする。実際に小沢が指示を発しているかは必ずしも定かでなく、「虎の威を借る狐」にすぎないこともある。


また、現在「ソンタクズ」で検索すると筆頭に表示される 小沢一郎の足を引っ張る「ソンタクズ」(笑) - kojitakenの日記 が引用している 代表選の情勢拮抗、小沢(&側近)のイメージはいかに?+山本昌、サッカーなど : 日本がアブナイ! の中の下記のくだりは笑える。

 たとえば、側近議員が「小沢先生しか、日本を救える人はいない」「この国や国民を守れるのは、小沢先生だけです」と熱い目で、力を込めて語るのを見て、「何だか宗教の教祖さまのように扱っている感じがして、不気味だ」「昔の自民党の、派閥の親分と子分という形がそのまま残っているのではないか?」「小沢さま、マンセーという雰囲気がコワイ」と、ある種の不快感や懸念を覚える人がいるし。

(中略)

 また、ヤワラちゃんはじめ小沢ガールズに着目している人も何人もいた。これは、TVの映し方もあるのかもわからないけど、彼女たちが目をキラキラ輝かせて、小沢氏を見つめていたり、一緒に並んで拍手や声援をしていたりする光景を見て、気持ち悪がる人も少なからずいたし。<ヒドイ人は、「どこかの国の女性応援団や『喜び組』みたい」とまで言ってりして。^^; 「小泉チルドレン」のイメージと被るという人も複数いた。>


実際に「小沢グループ」に入ってしまうとこのようになってしまうのは理解できなくはない。読売新聞社ナベツネに楯突いたり、「わしが育てた」のオヤジが率いる野球チームで監督に逆らったりしたらその組織の中では生きていけないからだ。橋下徹の下での大阪府(今後は大阪市)の職員も同じかもしれない。

ただ少し前にも指摘されて再認識したことだが、小沢一郎の場合は少し違って、グループで実際に威張り散らしているのは小沢一郎自身というよりは「ソンタクズ」なのである。実際、小沢グループを離れた議員が「ソンタクズ」への不満を口にしたケース(柴橋正直*2)があった。

「ソンタクズ」の笑える例としては民主党岩手県連の会合で同県連代表代行が「元代表の胸中をそんたくした場合、ここまで(総括文に)書かなければいけないと考えた」と、文字通りの「ソンタクズ」ぶりを発揮した件*3が挙げられる。


ところでなんとも不思議なのは、リアルな「ソンタクズ」の縛りを受けないはずのブロガーの間にも小沢一郎の意向を「忖度」する人間が後を絶たないことだ。他でも指摘されているが、4年前に橋下批判の声を張り上げていた「小沢信者」の代表格のブログが、今回は大阪ダブル選挙について沈黙を守っていたと思ったら、選挙後になって橋下を肯定的に評価する例があった。中には、4年前と同様橋下を批判したブログもあったが、それはブロガー自身が大阪在住で、橋下の悪政の被害をもろに受けるからだった。そういうブログにしても投票日の前には大阪ダブル選挙についてたいして騒いでいなかった。同じく大阪在住の別の「小沢信者」代表格ブログは、選挙後にTwitterで橋下を批判していたが、ブログには今回の選挙に関して橋下批判の記事を上げていない。


彼ら「小沢信者」のブロガーの筆を鈍らせる存在として私がにらんでいるのは植草一秀である。植草は元々右翼だから彼らとはベクトルの向きが違う。しかし、彼らは愚かにも植草を「三種の神器」の一つに祭り上げてしまったから(それは「八咫鏡」に違いないと思うが)、植草がどういう主張をするかをうかがって記事の方向性を自主規制する。

その植草だが、昨日、やはり! 植草一秀が橋下徹一派の圧勝を事実上手放しで賛美 - kojitakenの日記 で批判したように橋下徹を賛美する記事を書いていたのだが、1日経って若干の言い訳をしている。


BLOGOS不正疑惑と大阪ダブル選後の政局懸念: 植草一秀の『知られざる真実』

 大阪で橋下徹氏が率いる大阪維新の会が圧勝したことについて、昨日記事に記載した。
 
 私が強調したかったことは、主権者国民の意思表示が何よりも重要であって、主権者国民が既存の政治勢力に対して、極めて強い不満を持ち、その意思を表明し始めたということであった。
 
 このことについての表現が、橋下氏の政策そのものに賛同しているとの誤解を招きかねない部分があったので、誤解の無いよう、補足して私見を提示しておきたい。

(中略)

 ただ、ひとつ、書き落としたことがある。それは、橋下徹氏が為政者の一人として、憲法擁護義務を負っていることである。日本国憲法第99条は、公務員の憲法尊重、擁護義務を明記している。
 
 橋下氏のこれまでの言動のなかに、日本国憲法に抵触するような内容が数多く含まれている。日本国憲法を逸脱する意味での独裁者の権限は市長、知事に与えられていない。


植草が「書き落としたことがある」と言い訳したことは、「もっとも書き落としてはならないこと」なのではないかと思うが、もともと右翼である植草は憲法などはなから軽視しているのであろう。何しろ植草は一昨年、8月30日総選挙に勝利し「無血革命」を実現しよう: 植草一秀の『知られざる真実』 の中でこんなことを書いた男である。

テレビに頻繁に登場する人々の9割以上が、「走狗」に塗り固められてしまった。第二次大戦後、GHQによる「公職追放」が実施されたが、新政権樹立後、マスメディア人材の「パージ」を実行する必要がある。偏向報道を主導した関係者の責任を明確にしなければならない。


ダブル選挙に圧勝した夜、橋下が大阪市職員を脅した言葉が思い出される。そして、橋下と植草、橋下と「小沢信者」の親和性の高さをつくづく感じるのである。