kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

携帯電話の着信音と教会の鐘の音、またはジョン・ケージ

http://www.cnn.co.jp/showbiz/30005258.html より。

NYフィルの公演中に携帯の着信音、指揮者が演奏中断
2012.01.13 Fri posted at: 10:45 JST


ニューヨーク(CNN) 米名門オーケストラ、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートの最中に観客の携帯電話が鳴り響き、指揮者が演奏をストップするハプニングがあった。

観客席で携帯電話が鳴ったのは、10日夜に同オーケストラがマンハッタンで行った公演でマーラー交響曲第9番を演奏している最中だった。会場にいた観客がツイッターやブログで伝えた話を総合すると、交響曲は最後のクライマックスを過ぎて「音楽と静寂が入り混じる」極めて繊細な場面。タイミングは最悪だったという。

鳴っていたのはステージ左型の最前列に座っていた高齢の男性の携帯電話だったが、この男性は身じろぎもせず、マリンバの音の着信音は3〜4分あまりも鳴り続けたという。

音に気付いた指揮者のアラン・ギルバート氏は手を止めて演奏を中断。会場には着信音だけが響き渡った。ギルバート氏は持ち主に向かって「終わりましたか?」と尋ねたが、返事がなかったため「結構です、待ちましょう」と言い、指揮棒を譜面台の上に置いた。着信音はさらに何度か続いた後、ようやく鳴りやんだという。

苛立った観客からは「1000ドルの罰金だ」「そいつを追い出せ」と叫ぶ声も上がったが、大半の観客の「シーッ」といさめる声に制された。

ギルバート氏は「通常であれば、このような妨害があっても止めない方がいいのですが、今回はひどすぎました」と断った後に、オーケストラの方を向き、「118番」と指示して演奏を再開。観客からは拍手が上がった。

同氏はニューヨーク・タイムズ紙に「非常にショッキングな出来事だった。あの作品の中でも崇高な感情が高ぶる部分で、乱暴にたたき起こされたようなものだ。壇上の全員ががく然とした」とコメントしている。


37年前の下記の件を思い出したが、効果は正反対だったに違いない。


http://blog.zaq.ne.jp/matsukaze80hiisan/article/123/

ところで朝比奈/大フィルファンには有名な話ですが、ブルックナーゆかりの聖フローリアン教会で演奏した時、ちょうど第二楽章が終った時に5時の鐘が鳴ったそうです。朝比奈さんはその鐘の止むのを待って第3楽章を始めました。


ニューヨークで聴衆が怒り狂ったのも理解できるが、この日の聴衆は、考えようによってはジョン・ケージ的芸術を味わうことができたのかもしれない。


4分33秒とは - はてなキーワード