4/3の朝日新聞1面トップ記事。
http://www.asahi.com/politics/update/0403/TKY201204020672.html
大飯原発の再稼働、判断先送り 近隣府県の反発に配慮
野田政権は2日、定期点検で停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を再稼働させる政治判断を先送りする方針を固めた。福井県に隣接する京都府や滋賀県などの反発が強く、慎重に見極める。政権がめざす4月中の再稼働も厳しい情勢になった。
■枝野経産相、反対を明言
野田佳彦首相は3日夕、枝野幸男経済産業相ら関係3閣僚と大飯原発の再稼働について協議。安全性の確認をするが、結論は見送る見通し。当初はこの段階で再稼働可能と判断し、地元を説得する方針だった。
枝野経産相は2日の参院予算委員会で、社民党の福島瑞穂党首の質問に「地元をはじめ国民の一定の理解が得られなければ再稼働はしない」と答えたうえで、「現時点では私もいま再稼働に反対だ」と明言した。
理解を求める「地元」の範囲は、「日本全国に福島(第一原発)の事故は直接、間接の影響を及ぼしている。そういう意味では『日本全国』が地元だ」と指摘。大飯原発から30キロ圏内に一部が入る京都府や滋賀県の知事が再稼働反対の意向であることを踏まえ、「2人の理解が得られないと地元の理解は得られたことにならない」と述べた。
(朝日新聞デジタル 2012年4月3日8時9分)
「風見鶏」枝野幸男が土壇場で風を読み、関西電力大飯原発の再稼働判断は先送りされた。
朝日3面には解説記事が掲載されている。要点をピックアップする。
まず、野田(「野ダメ」)政権が原発再稼働に前のめりなのは、電力不足と雇用不安を懸念してのことだとして政権を弁護。そのあとに、5月5日に北電の泊原発が止まってしまうと再稼働への心理的抵抗が大きくなるから、それまでに再稼働させたかったとの経産省幹部のコメントを紹介している。このあたりの書き方はいかにも朝日らしい。さらに、周辺自治体の反発に加えて、橋下徹率いる大阪維新の会が脱原発の主張を強めていることに野田政権は配慮せざるを得なかったと書く。
各自治体主張のコメント。
- 橋下「むちゃくちゃうれしい。(電力供給体制のあり方を議論する有識者の)会議を作ったかいがあった」。
橋下と河瀬一治のコメントを対置して、橋下の「脱原発」の主張を際立たせる記事になっている。
結局この件では橋下が大きくポイントを稼いだ形となった。