「安倍晋三は脱原発派」という今日の東京新聞の記事はマジで酷すぎ(追記・訂正あり) - bogus-simotukareの日記 にはびっくり仰天するとともに、東京新聞の記者に虚言を吹き込んだらしい横田一というライターに激怒してしまった。リンク先の記事にもあるように、横田には魚住昭や佐高信らとの下記共著がある。この本を私はかつて「きまぐれな日々」で紹介し、未だにブログの右側カラムからリンクを張っている。
その横田が、安倍晋三があたかも「脱原発派」であるかのようなことを言っていたという。そういえば少し前の『日刊ゲンダイ』に、安倍晋三が山口県知事選で飯田哲也を応援し、知事選は飯田が勝つだろうなどというヨタ記事が出ていたことを思い出した。現実には安倍は「ノーパンしゃぶしゃぶ」山本繁太郎を応援したことはいうまでもない。もっともその山本繁太郎も「脱原発依存」まがいの発言をして自民党本部の怒りを買ってはいたが。
ところで、安倍晋三は4月5日放送の『報道ステーション』に設けられていたコーナー「原発再稼働 わたしはこう思う」で発言していた。安倍の発言を文字起こししていたブログがあるので、以下引用する。
元総理 安倍晋三氏が語る「原発再稼働わたしはこう思う」 | misaのブログ
私は、賛成とか反対とかいう事ではなくて、再稼働が必要であると考えています。
想定を上回る地震や津波にも耐えうるという事が証明され、そして政府はそれを説明していく中において再稼働をしていくという事になると思います。
ーなぜ、再稼働が必要なのか?ー
原子力発電を止めて、ガス・石油に頼ると一年間で3兆円のコスト増につながり、それは企業にとって電力料金として2割高になってしまう。
そうなると海外に出て行くと、経営者は判断をしなければならない。
それは雇用にも響いてきますし、また、経済成長にも大きな打撃を与える。
日本が資源がない中において、安定的に発展をしていく経済成長した結果、今の社会保障の制度を積み上げる事ができたんです。
経済成長なしに現在の水準の年金や、医療や介護、これは無理ですから、それを作り上げていく上においては、安定的な安いエネルギーが大きく貢献をしてきたことは事実です。
ですからエネルギー政策として原子力政策を推進してきたことは、間違いがなかったと思います。
日本は原子力発電、原子力の平和利用については、世界で最高水準の技術力を持っています。
インドやベトナムやASEANの国々は、原子力発電所を作りたいと思っています。
また、中国も原発をこれから増やしていきたいと思っています。
そういう中で、日本の技術は大きな力なんです。その力を持っている。
これを私はみすみす捨てるべきではないだろうと思います。
(事故は)原子力という巨大なエネルギー、そして時には荒々しいエネルギーを制御することに対する、いかに大変なことであるかという謙虚な気持ちと緊張感を失っていた結果だろうと、これは我々反省しなければいけない点だろうと思います。
我々は、非常に過酷な事故を経験しましたが、しかしそこで萎縮することなく、私たちの知恵と技術でそれを克服していこうと。
それは当然、再生可能エネルギーの分野でもそうなんですが、原子力の分野においても本当に安全なものにしていこうという精神、スピリットを持って未来を切り開いていくべきだと思います。
これが安倍晋三の原発観である。「脱原発に頑張る橋下市長を応援しよう」と某左翼人士にエールを送られた橋下徹が安倍と組みたいというのなら、原発政策に関する両者の整合性について説明しなければならない。
もっとも、最悪安倍晋三が「脱原発」のポーズをとるかもしれないとは私も予想しないではない。とはいえ、現時点で安倍が「脱原発」発言をしたことなど一度もない。
未来を先取りしたのかどうか知らないが、「安倍晋三=脱原発」なる虚言を撒き散らすライターがいたとは、それも過去には安倍晋三を批判していたはずのライターだったとは怒りが収まらない。
そういえば6年前にはこんな本もあった。
- 作者: 宮崎学,近代の深層研究会
- 出版社/メーカー: 同時代社
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 単行本
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これも「きまぐれな日々」からリンクを張っているが、著者の宮崎学*1は吉田茂、鳩山一郎と岸信介を対比し、「現行憲法維持・軽武装」で「親米」の吉田茂も、「憲法改定」で「自主独立」の鳩山一郎*2も、ともにアメリカのお気に召さず、アメリカは「憲法改定」で「親米」の岸信介を好んだことを指摘している*3。この分析には説得力があるが、今では孫崎享の「吉田茂は『対米従属』、岸信介(や佐藤栄作)は『自主独立』」だなどという粗雑な分析を掲載した本がベストセラーになり、それを植草一秀以下の「小沢信者」たちがありがたく信奉し、必読のテキストだとほざいているらしい。
これらのことから、今や「小沢信者」クラスタ全体が「安倍晋三的なるもの」に激しく傾斜していることが看取されるのである。これは黙っては見過ごせない傾向だ。