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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

オバマ大統領再選、「減税」がウリのロムニー候補敗れる

http://mainichi.jp/feature/news/20121107k0000e030217000c.html

米大統領選:オバマ氏再選…ロムニー氏伸びず


 【ワシントン古本陽荘】米大統領選は6日、投開票され、米メディアによると、再選を目指す民主党バラク・オバマ大統領(51)が、6日午後11時(日本時間7日午後1時)過ぎの段階で、中西部オハイオやミシガン、ウィスコンシン州などを固め、勝利に必要な選挙人数270人を超える275人を獲得、再選が確実になった。オバマ氏はツイッターで「あなたのおかげだ。ありがとう」と事実上の勝利宣言を行った。政権奪還を目指した共和党ミット・ロムニーマサチューセッツ州知事(65)は勝敗にかかわる激戦州で伸び悩み敗北した。

 複数の米主要メディアによると、オバマ大統領は激戦州のうち、ロムニー氏の事実上の地元である東部ニューハンプシャー州で勝利。オハイオ州アイオワ州も押さえた。

 東部ニューヨーク州など本来の民主党の地盤を固めたほか、ロムニー氏が終盤で追い上げていた東部ペンシルベニア州も逃げ切った。

 さらに、事前の世論調査ではロムニー氏が先行していた大票田の南部フロリダ州でも、互角の戦いを展開した。

 一方、ロムニー氏は、南部や中西部の共和党の地盤の州を固め、206人の選挙人獲得を確実とし、激戦州の南部ノースカロライナ州で勝利、バージニア州でも先行したが、及ばなかった。

 08年大統領選で「変革」を掲げ、黒人初の大統領として当選したオバマ大統領だったが、金融危機後の米国の経済情勢は依然として厳しく、失業率も7%台後半と高止まりしたまま。国民の多くが不満を抱えた中での大統領選となった。

 選挙戦も、経済の立て直しや雇用創出が最大の争点となった。オバマ大統領は過去4年間で、金融危機から立ち直り、雇用環境に改善が見られていると主張。「中間層」を重視する政策の継続を訴え、教育や職業訓練などで政府が果たす役割の重要性を強調した。国民皆保険を目指す医療保険改革法の成立も実績として訴えた。

 これに対しロムニー氏は、投資ファンドを経営し、企業再生の事業に携わった経験を掲げ、雇用創出や経済の立て直しに「適任」と訴えてきた。減税や規制緩和を進め、民間主導で景気回復を目指す姿勢を強調。

 安全保障政策では、オバマ政権の国防費削減に反対し、レーガン元大統領が掲げた「力による平和」の再現を目指す姿勢を示した。

 大統領選は各州と特別区(首都ワシントン)に割り振られた選挙人(計538人)の過半数270人を獲得した候補が勝利する仕組みで、事実上は激戦州の勝敗で次期大統領が決まる。

毎日新聞 2012年11月07日 13時34分(最終更新 11月07日 16時44分)


大方の予想通りの結果だろう。いまさら「減税や規制緩和を進め、民間主導で景気回復を目指す姿勢を強調」していたロムニーが勝つかもしれない、などとは私は全く思わなかった。オバマにも大した期待はできないけれども、それでもロムニーが勝つよりはずっとマシだ。

ところで、この大統領選の対立構図にも現れているように、「減税や規制緩和を進め、民間主導で景気回復を目指す姿勢を強調」するのはアメリカでは共和党の常套手段だろうが、日本では過去において左派勢力が減税を求める図式が長らく存在した。現在でも民主党から分かれた「減税日本」が党名通り減税をアピールし、それを同じく民主党から分かれた「国民の生活が第一」の代表・小沢一郎が後押ししている。しかし、民主党は(アメリカの民主党もそうだが)別に左派政党ではないし、「減税日本」の河村たかし民社党春日一幸委員長の秘書上がりだし、小沢一郎にいたってはそもそもが自民党の出だから、特にねじれているとかそういうわけではなく、彼ら(河村たかし小沢一郎)の「経済右派」としての地金が出てきただけの話だろう。

今の民主党政権も、自公に引っ張られてか、どんどん外交・安全保障面でも経済政策面でも右傾化を強めているのだが、それに対抗する「国民の生活が第一」やら「減税日本」やらもまた、民主党と同じように外交・安全保障と経済政策の両面において「右派政党」というほかない。しかし、「リベラル・左派」の少なくない人たちがそれに魅了され、彼らのイデオローグが売り出した孫崎享トンデモ本を信奉して「改憲派」へと転じつつある。

これからの日本は、アメリカとは違った道を歩むだろうと私は予想している。