kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

衆議院の選挙制度はブロック毎の小選挙区比例代表併用制が良いのでは

きまぐれな日々 「巨悪」安倍晋三が「巨悪群」の1人でしかなくなった年末 のコメント欄に「飛び入りの凡人」さんからいただいたコメント*1

左派のブログではほとんどが比例代表制のメリットのみを述べ、小選挙区制を罵倒するばかりです。いや、私も当初はそう思っていました。
小選挙区における死票の多さは確かに問題ですが、だからといって果たして比例区選挙はバラ色の選挙制度なのでしょうか?


橋下+石原の維新連合は比例区での大得票を目指したものでしょうし、嘉田+小沢の未来連合も同じでしょう。これらふたつの「野合集団」はもともと選挙区では大きな議席を見込めませんでしたし、最初から比例区に的を絞っていたとも言えます。
一方、自民+公明は選挙区を勝つためでした。


橋下と石原の軋轢はすでに始まっているようですし、未来の空中分解はもはや誰の目にも明らか。比例区に偏りすぎると、こうした「野合集団」により、政治が滅茶苦茶にされかねないこともあると感じました。
比例区では政党の大きさが命です。だから政党をとにかく大きく見せるために野合が繰り返され、ひとりの政治家が政策の正反対な党に連携を申し入れるという事態が起きます。
ポピュリズムに毒されやすいのも小選挙区制の欠点とも思うようになりました。


こうしてみると、以前の中選挙区のほうが優れているように思えます。
中選挙区は金のかかる選挙」という視点で小選挙区が採用されたわけですが、金がかかることが「死票が多い」「有権者の2割の意見だけが代表」「オセロゲームのように政権が(得票にそぐわない形で)コロコロ変わる」「当選するためだけの野合」「ろくな政策もないのに話題性だけの党が大躍進」などより問題とは思えないのです。

2012.12.29 22:55 飛び入りの凡人


私は衆議院選挙制度小選挙区を廃し、現在の衆院比例ブロックを100%にする形が良いと思います。

橋下+石原の維新連合は比例区での大得票を目指したものでしょうし、嘉田+小沢の未来連合も同じでしょう。これらふたつの「野合集団」はもともと選挙区では大きな議席を見込めませんでしたし、最初から比例区に的を絞っていたとも言えます。

嘉田+小沢の未来連合は明らかにそうですが、維新は大阪の結果が明らかになったように、党のネームバリューで小選挙区での集票力を持つ政党になりつつありました。橋下と石原との野合は、橋下にとっては東日本など維新の力が及ばない地域で石原人気によって得票をかさ上げする狙いがあったためです。比例区での議席増はそれに付随してくるものに過ぎず、橋下は当初の構想では明らかに第一党への躍進を考えていたものと思われます。そのために安倍晋三自民党から引き抜こうとしたわけです。一方、石原は橋下人気に便乗して、つまりコバンザメのようにくっついて、党運営において主導権を握ろうとしたものです。これは小沢一郎が考えていたことでもあり、石原と小沢は同類の人間といえます。なお、小沢一郎が政界においてもっとも強硬な「小選挙区制」論者であることは片時も忘れてはなりますまい。

比例区では政党の大きさが命です。だから政党をとにかく大きく見せるために野合が繰り返され、ひとりの政治家が政策の正反対な党に連携を申し入れるという事態が起きます。

そうでしょうか。どう考えたって小選挙区制こそ政党の大きさが命だと思いますが。いうまでもなく、この場合の大きさとは単に候補者数を意味するのではありません。候補者数なら2009年の総選挙における幸福実現党は大政党です。

今回の総選挙では、たとえば亀井静香平沼赳夫のように、小政党であっても抜群の人気があれば小選挙区で当選できますが、そんな候補者は他にどのくらいいるでしょうか。あっ、「信念を貫く男」城内実(笑)がいたか*2。冗談はともかく、たとえば枝野幸男あたりにしたって、無所属ないし少数政党で立候補して当選できたかといえばはなはだ疑問です。

比例代表制であれば、少数派であっても議席を獲得することはできます。たとえば近畿ブロックの場合、全議席比例代表制であったとすると、現在の29議席から77議席になりますが、これなら社民党でも議席は獲得できたでしょうし、新規の政治勢力の参入障壁も低くなります。

ポピュリズムに毒されやすいのも小選挙区制の欠点とも思うようになりました。

これはその通りですね。

こうしてみると、以前の中選挙区のほうが優れているように思えます。

これはおそらく、たとえば事実上の比例代表制である小選挙区比例代表併用制で選挙が行われた場合、日本維新の会が今回のような第3党ではなく第2党の議席を獲得したであろうことからきたご意見かと思いますが、これはもう日本の有権者のいわゆる「民意」がその程度のものになってしまったということであって、原因を比例代表制に求めるのは間違いではないでしょうか。それに、中選挙区制であれば維新の会の議席獲得を阻めたかというと決してそんなことはないでしょう。同じ落選でも、日本未来の党の候補者には供託金没収が続出したのに対し、維新の会の候補はその数倍の得票を得ている場合が大半です。また、中選挙区制であれば新規の政治勢力の参入は比例代表制よりも難しくなります。

後者の点は特に私が強調したいことであって、たとえば2007年の参院選では、ネトウヨの間では「維新政党・新風」、左派系ブログでは、のち「小沢信者」となった人たちが旗を振った「9条ネット」が大人気でした。これらは77議席衆院近畿比例ブロックですら議席を獲得できるか怪しい程度の広がりしか持たなかったものの、これらよりもう少し広範な支持を得る勢力が参入するためには、中選挙区よりも大選挙区の方が好都合です。そしてその方があるべき姿だと私は思うのです。たとえ主張がトンデモであっても、一定の支持者があるのなら議席に反映されて然るべきでしょう。そして、その中でまっとうな主張をしている政党だけが、それ以降の選挙で議席を伸ばしていく可能性があると思うのです。具体的には環境政党(いわゆる「緑の政党」)を念頭に置いています。嘉田由紀子飯田哲也は残念ながら馬脚を現してしまいましたけど。

いずれにせよ、いっこうになされる気配のない、1990年代の「政治改革」の否定的総括は今後求められるところでしょう。下々のわれわれがギャーギャー騒いだところで簡単に選挙制度が変わるものではないかもしれませんけれど。

*1:http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1283.html#comment15929

*2:城内実は2009年の衆院選に無所属で立候補して圧勝した。現在は自民党所属。