kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「緑の政治勢力」いろいろ(1)

「緑の政治勢力」について書こうと前々から思っていたが、無為に時間が過ぎてしまった。この件に関して、昨年下記記事を書いた。


この記事で下記の本に言及している。


緑の政治ガイドブック―公正で持続可能な社会をつくる (ちくま新書)

緑の政治ガイドブック―公正で持続可能な社会をつくる (ちくま新書)


「緑の政治勢力」で常に懸念されるのは、「右も左もない」という脱イデオロギーないしイデオロギーフリーを装ったイデオロギーに侵されやすいのではないかということだが、著者のデレク・ウォールは、「緑の党を『右翼でも左翼でもない』と定義するのは単純化が過ぎる」と言い、「『右でも左でもなく前へ進む政党』という定義は、『キリスト教民主党』を離党して緑の党の設立に参加した、西ドイツ連邦議員のヘルベルト・グルールが作った言葉である」、つまり、もともと緑の政治勢力中でも保守派に属する人間が言い出したことを指摘している。だが、著者がそう書いているにもかかわらず、この本の巻末には「右でも左でもなく前へ進む運動を」と題された鎌仲ひとみと西沢新一の対談が収録されている。これはむろん著者ではなく、ちくま新書を編集した編集者が責めを負うべきだろうが。


さて、みどりたち - Living, Loving, Thinking, Again(2013年4月8日)に言及されている 緑の党とみどりの風 - 一人でお茶を(2012年12月30日)より。

亀井静香みどりの風に合流したとニュースで知り、そういえば緑の党というのがあったのではなかったかと検索してみると、あった。先の衆院選には候補者を出していなかったが、来夏の参院選には出るようだ。

緑の党http://greens.gr.jp/

みどりの風http://mikaze.jp/

それにしても、まぎらわしい名前。漢字の「緑」と、ひらがな表記の「みどり」では、見た目の字面はずいぶん異なるが、読みの音が同じだし、まあ党と風がぜんぜんちがうから、いいのかな。

緑の党は、リベラル・左派寄りの市民運動が基で、みどりの風は(これは亀井静香が合流したせいでそう見えるのかもしれないけれども)保守寄り、というのがちがいになるのだろうか。


(中略)


追記:緑の党はもうひとつあるぞ!

緑の党(Green Party)http://www.greenparty.gr.jp/

先に紹介したところは英語名が Greens Japan なんで、ちがってるんです。どうしてこうなった?


みどりたち - Living, Loving, Thinking, Again より。"The Greens" ではなく、"Green Party" の方の「緑の党」について。

「様々なサイトで泡沫扱いされ嘲笑の対象」ということだけど、東京周辺の人にとっては、変な街頭募金をやってる人たちというイメージが強いのでは? 『日本新聞』という機関紙のタイトルはエコロジストの新聞というより右翼チックな匂いがする。今では(上に引用した記事のように)「脱原発」を掲げているようだが、1980年代にこの機関紙を最初に見たとき、「緑の党」と名乗っているのに原発を初めとする環境問題の記事は殆ど見えず、とにかく印象に残ったのは、日本共産党を罵倒しているなということだった。新左翼は一般的に共産党を罵倒するものだが、その罵倒というのは自らの主張の序でというか、その帰結として出てくるもので、罵倒それ自体が目的というわけではない。『日本新聞』から感じたのはその自己目的化された共産党への罵倒ということだった。ところで、Wikipediaでは緑の党 (三橋派)」としていますね。因みに、地球温暖化」問題については陰謀説に立っているようだ。

そういえば、1980年代にあの太田竜が「日本みどりの党」というのを結成していたのだった。それで、晩年太田が『週刊日本新聞』というのを出していて、「緑の党」の『日本新聞』と話がこんがらがって困るという人もいた。

さて、Green PartyなのかGreensなのかということですが、「緑の党」の元祖である独逸に遡って検討してみると、日本で「緑の党」と言われているのはDie Grünenで、英訳すればThe Greens、そこには「党」を表す言葉(Partei)は入っていない。ここでは詳しく論じられないけど、「党」が入っていないことの政治思想史的な意味は大きいのだと思う。ともかく日本語にするとすれば、緑たちとか緑な人たちとすべきだろう。何故原語にはない「党」が入って「緑の党」になったのかといえば、1980年代には政党について、たちあがれ日本」だとか政党助成金もとい「国民の生活が第一」というようなキラキラした名前への許容度が低かったということがあるのではないか。Greens Japan はエコロジスト政党の世界的なネットワークGlobal Greensの会員であるけど、世界各国の加盟組織を見ても、PartyがあるのもあればPartyがないのもあるという感じで、これに関しては統一はない。


引用文中青字ボールドにした部分には噴いてしまったが、「緑の党(三橋派)」にも興味をそそられた。政治的な立ち位置といい機関紙といい、あの「日本共産党(左派)」を連想させるからだ。「日本共産党(左派)」は『長周新聞』を発行する左翼集団だが日本共産党とは犬猿の仲。毛沢東を信奉する極左集団らしい。確か檀一雄・ふみ父娘の近親者にも関係者がいたのでは(故人の女性と記憶する)。その機関紙『長周新聞』の記事の内容を手打ちしてあちこちのブログに投稿しまくっている「通りがけ」というHNのユダヤ陰謀論系左翼(「小沢信者」と思われる)がいる。こいつは昨年の総選挙の頃には『きまぐれな日々』にもコメントを寄越してきたが、承認しなかったので掲載していないはずだ(削除したかどうかは忘れた)。ネットで調べてみると、「緑の党(三橋派)」にも毛沢東信奉の傾向があるらしいから、その点でもよく似ている。「(三橋派)」なんていうから、三橋貴明と関係でもあるのかと一瞬思ったが、さすがにそうではなかった。しかし、「緑の党(三橋派)」というのは共産党を敵視しているほかに「地球温暖化陰謀論」を信奉しているらしいことなど、「小沢信者」との相性が抜群に良さそうだ(笑)


さらに引用を続ける。

おまけ;

nessko 2013/01/08 14:35

政党ではありませんが、グリーンアクティブという団体がありますね。

http://green-active.jp/

環境問題に関心を寄せる人たちのネットワークを形成したいという意図で組織された運動体、だということです。

組織概要では、発起人が、中沢新一(代表)、いとうせいこう宮台真司、マエキタミヤコということになってます。

マエキタミヤコという人ですが、調べてみると、例のホワイトバンドの仕掛け人だった。

原発事故をきっかけに、エネルギーや環境問題に関心を持つ人は増えただろうし、そういう人達が自分の知りたいことがわかる場所やサイトを運営することには意味があるでしょう。でも、政治家にとっては、一種の逃げ場になっているように見えてしまう。他の政治課題を避ける口実に脱原発が使われているようなところがあるんじゃないでしょうか。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20130108/1357603948#c1357623300


tonybenn1973 2013/01/08 18:20

マエキタミヤコ胡散臭いですねぇ。河村たかしと昵懇らしく、例の「南京大虐殺はなかった」発言の時は、愛川欣也の番組で必死に河村を擁護(「発言の本当の意図が伝わっていない」云々)してました。昨今騒がれている脱原発運動がこういう「右も左もない(政治的イデオロギーとは無縁な)脱原発」を地でいく人々に先導された運動なら、そんなものどうでもいいなって思います。私なら、河村たかしとはいかなる目的があろうが絶対に共闘なんてしませんからね。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20130108/1357603948#c1357636858


上記は、小沢一郎と嘉田由紀子が「脱原発」に冷水を浴びせた - kojitakenの日記(2013年1月8日)のコメント欄からの引用。これらをきっかけにネットで調べてみたところ、いろいろな情報が芋づる式に引っかかって収拾がつかなくなり、1本の記事にまとめられなかったのだ。だからシリーズものにすることにした。今回がその第1回。