kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

アメリカ、憲法96条改定を問題視。どうする安倍晋三・孫崎享(笑)、どうする橋下シンパの「リベラル」

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5327680.html(引用者註:リンク切れ;キャッシュより再現)

憲法96条改正、米国から懸念の声も


 国会では、衆議院憲法審査会で96条の改正について各党の議論が行われました。安倍総理が強い意欲を示す96条の改正ですが、具体的には、憲法改正を発議する要件を衆参両院の「3分の2以上の賛成」から「2分の1以上の賛成」に緩めて改正しやすくするというものです。

 かつてないほど憲法議論が盛んとなる中、憲法改正のルールを定めたこの96条の改正に、思わぬところからも懸念の声が上がっています。

 衆議院憲法審査会で初めて行われた96条についての議論。自民党は、憲法改正が頻繁に行われる諸外国と比べ、衆参3分の2の賛成と国民投票を要件とする日本はハードルが高すぎると主張しました。

 「あらかじめハードルを下げておく必要があり、(96条の)先行改正の合理性はあると考えております」(自民党 船田元衆院議員)

 日本維新の会みんなの党も改正に賛成の立場を表明しましたが、連立を組む公明党は「なぜ変えるのか不透明だ」として慎重な立場を示しました。一方、憲法改正をめぐり、党内にさまざまな意見がある民主党は・・・。

 「96条だけを先行して改正すべきではない」(民主党 三日月大造衆院議員)

 民主党は、改正に積極的な長島前防衛副大臣を党の憲法調査会に迎え入れて議論。96条を先行して改正することには反対する考えで一致したといいます。ただ、憲法改正自体への意見が今後、党内でまとまるのか、見通しは立っていません。

 一方、アメリカの議会関係者らが安倍政権側に対し、96条改正に対する懸念を間接的に伝えていたことが明らかになりました。複数の日米関係筋によりますと、連休中に訪米した自民党議員などを通じて、「アメリカは憲法改正について9条よりも96条の改正を一番問題視している」と伝えてきたということです。

 背景には、安倍総理歴史認識をめぐって中国や韓国が反発する中、憲法改正の要件を安易に引き下げることへの警戒感があるものと見られます。こうした懸念を受け、政府内でも空気が変わりつつあります。

 「憲法は急がなくていい。政権の最後の切り札として温めておいて最後にやる感じでいい」(日本政府関係者)

 「国民的理解をですね、96条についてまだ得られている段階ではない」(菅義偉官房長官

 安倍総理にとって悲願ともいえる憲法改正に向け、どのような手順を踏んでいくのか、難しい舵取りが迫られそうです。

(TBSニュース 2013年5月9日 16:56)


孫崎享によって「対米従属派」に分類されているはずの安倍晋三だが、日に日にアメリカを敵に回しつつある。安倍が今もっともやりたいであろう憲法96条の改定がアメリカに不快感を与えていることに絡んで指摘しておきたいのは、歴代首相を「対米従属派」と「自主独立派」に二分する孫崎享のトンデモ理論が、早くも破綻しているということだ。どうする安倍晋三、どうする孫崎享(笑)


もう一人注目したいのは橋下、というより橋下シンパの動向である。


http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130509/lcl13050922500000-n1.htm

橋下氏「護憲派はうさんくさい」 発議要件緩和の必要性重ねて訴え


 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は9日の記者会見で、「護憲派ほどうさんくさいものはない。護憲派の人たちは、今の憲法が絶対的に正しいと思っている」と述べた。

 橋下氏は「国民はどのような考え方を持ってもいいというのが憲法の根幹の部分。今の憲法が正しいと考えてもいいし、だめだと考えてもいい。(憲法が正しいかどうか)分からないから国民投票で決める」と述べ、96条を改正し発議要件を緩和する必要性を重ねて訴えた。

 その上で、護憲派に対し「『(憲法に対する異なる)価値観を強要しないで』と言いながら(今の憲法が正しいという価値観を)ばりばり強要している」と批判した。

MSN産経ニュース 2013.5.9 22:46)


橋下は安倍晋三とは違って「俺様が世界で一番」の人間だから、アメリカが96条がどうこうと口出ししてきても、それで主張を曲げるどころか、アメリカの圧力で自民党が「弱腰」になるようなことがあればむしろそれを自らの人気浮揚の好機ととらえる人間だろう。

最近イライラするのは、妙に橋下に同情的な一部リベラルである。ネットにも「橋下くんの改憲論は立憲主義に立脚しているから『超保守派』(=安倍晋三石原慎太郎平沼赳夫ら極右)とは違う」とか「『真正保守』と橋下くんの憲法論議に期待」などと書いているトンチンカンなブログがあるが、朝日新聞(特に「天声人語」などのコラム)なんかも似たようなものだ。こうした「リベラル」の迷妄を突くブログ記事を下記に示す。


憲法96条を改正したい者達のウソと詭弁(2) - Afternoon Cafe(2013年4月21日)より

(前略)
日本維新の会の96条改正は、道州制改憲のためのもの。ここを明確に打ち出していきたい。』
憲法改正の目的は道州制の導入なんだよ、憲法9条や人権条項を変えるための96条改正じゃないから安心してね、といいたいわけですねわかります。


市長自身が言ってるように道州制導入は
『47都道府県知事のうち道州制賛成者は10人ほどだ。地方議会ではほとんどが道州制反対。関西でも、大阪以外は道州制反対』『1000年かかっても実現できないであろう』
という状態、国民的な賛成とはほど遠い状態です。


(1)でも書きましたが、憲法は国民が権力担当者に出した命令です(立憲主義)。
ですから国会議員の憲法改正の発議とは、憲法を変えるべきと言う国民の具体的な声が高まったときに、それを受けて改正案を議論し発議できるのであり、国会が憲法改正を主導するのは立憲主義に反するのです。


道州制を導入すべきだという国民の声などほとんどないのに『憲法改正から道州制を実現する』などということは、まさに権力担当者が憲法改正を主導しようとしていることに他なりません。


『全都道府県知事を道州制賛成論者に替え、都道府県議会も道州制賛成論者で過半数を占めなければならない。全て選挙で替えていくしかない。こんなの不可能だ』
『これほどの体制変更は、法律で一気にやり抜くしかない。そのためには憲法改正をするしかない』
道州制賛同が増えないのでいつまでたっても実現できない。だったら一気に憲法を変えて実現させる。憲法道州制を定めてしまえば否が応でも道州制になる。
これはまさに「国民に対する上からの規範の押しつけ」有無を言わせぬトップダウンそのものであって、立憲主義に真っ向から反します。


橋下市長は維新の身内に対して
憲法学者のサポート役を置かずに、全然本質的な憲法論議になっていない」
憲法の教科書ぐらい読んでいるのか」
「国会議員が憲法のイロハのイのことを知らずに憲法論議をやること自体が本来間違っている」
などと苦言を呈したそうです
産経新聞『「本質的な憲法論議がない」橋下氏、維新国会議員団に苦言 深まる“東西対立”』2013.4.10 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130410/stt13041022510001-n1.htm
また、朝日の天声人語(4/11)によれば
憲法というのは権力の乱用を防ぐもの、国家権力を縛るもの、国民の権利を権力から守るものだ。
こういう国をつくりたいとか、特定の価値を宣言するとか、そういう思想書的なものではない」
とも語ったそうです。
いかにも立憲主義を理解してるかのようですね。


しかし橋下市長がやってることは自分で維新団に説教した立憲主義を全く理解していない、矛盾した事ではありませんか。


また、憲法第八章の地方自治を読めば、憲法道州制導入を禁じていないことがわかります。
だから道州制導入のためにわざわざ憲法を変える必要は無いのです。
民主主義の観点に立てば、憲法をいじることなく、国民的な合意を得て地方自治法を変えるのが筋でしょう。


そもそも
道州制のための改憲にしても、その中身を詰めるには時間がかかる。ゆえに96条を改正して時間を稼ぐ。』
って、ちょっと何言ってるのかわかんない。全くもって意味不明です。
どなたかわかりますか?


このように、改憲の必要の無い事柄、意味不明な理由を口実にして改憲の突破口を開こうとするのは、改憲の真の目的が道州制ではないからです。
(後略)

(『Afternoon Cafe』〜「憲法96条を改正したい者達のウソと詭弁(2)」より)


どうする、橋下シンパの「リベラル」たち(笑)