kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

えっ、生活の党が「改憲反対」だって?(驚)

http://mainichi.jp/select/news/20130707k0000m010091000c.html

参院選:「改憲賛成」公明70% 候補者アンケート


 毎日新聞参院選(21日投開票)の立候補者を対象に、重要な政策課題に関するアンケートを実施した。憲法改正への賛否を聞いたところ、公明党候補者の70%が「賛成」と回答、9条改正についても50%が「賛成」と答えた。憲法に新たな条文を加える「加憲」に限っての賛成とみられるが、同党内で改憲機運が高まっていることが浮き彫りになった。自民党が党憲法草案に盛り込んだ「国防軍」については、自民党候補者の間でも十分に浸透していないことが分かった。

 アンケートは公示日前日の3日までに選挙区と比例代表の立候補予定者416人から回答を得て集計した。立候補者433人に対する回収率は96%。

 憲法改正への賛否では、回答者の58%が「賛成」と答え、「反対」の35%を上回った。自民党は無回答だった1人を除き全員が「賛成」。日本維新の会も全員が「賛成」で、みんなの党も「賛成」が79%と高率だった。民主党は「反対」が50%で、「賛成」の24%の倍以上。生活の党も「反対」が多く、共産、社民、みどりの風の各党は全員が「反対」と答えた。9条改正では、改正案をめぐる議論が多様化していることから、「自衛隊の役割や限界を明記すべきだ」と「自衛隊を他国同様の『国防軍』にすべきだ」の二つの改正賛成と、「反対」の三つの選択肢から回答してもらった。

 自民党で「国防軍創設改正」を選んだのは49%にとどまり、「自衛隊明記改正」の41%と同水準だった。国防軍創設は自民党が昨年発表した憲法改正草案の柱の一つだが、候補者の間に十分に浸透しているとは言い難い状況だった。

 公明党では、9条改正で50%が「自衛隊明記改正」を選択、「改正反対」は40%で、「国防軍創設改正」はいなかった。3年前の前回参院選時は、9条改正に「賛成」10%、「反対」85%で、大きく様変わりした。

 また、同党の「改憲」賛成は7割に上ったが、3年前は「賛成」は45%にすぎず、40%が「反対」だった。改憲に強い意欲を持つ安倍晋三首相の影響で、賛成が増えている面もありそうだ。

 改憲の発議要件を衆参各院の「3分の2以上の賛成」から、「過半数の賛成」に引き下げる96条改正については、自民党候補者の71%、維新の93%、みんなの67%が「賛成」と回答した。一方、公明党を含め他党の賛成はゼロで、96条改正には異論が強いことをうかがわせた。

 集団的自衛権の行使を可能にするため政府の憲法解釈を見直すべきか否かについては、自民党の57%、維新の93%、みんなの52%が「見直すべきだ」と回答。公明、共産、社民、みどりの風の全員が「見直すべきではない」とした。【古本陽荘、朝日弘行】

毎日新聞 2013年07月07日 09時00分


記事を読んで目を疑った。なぜって、生活の党の回答が、ほかならぬ毎日新聞がやっている「えらぼーと」の回答と矛盾するんじゃないかと思ったからだ。

そこで、今回の生活の党の候補者は11人だが、「えらぼーと」を確認すると、生活の党の候補者の回答は下記の通りだった。

■平山 幸司(青森)
Q1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:非該当
Q2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。/A2:反対
Q3:憲法改正を発議するためには、衆議院参議院でそれぞれ「3分の2以上の賛成」が必要です。この要件を「過半数の賛成」に引き下げる96条改正に賛成ですか、反対ですか。/ A3:反対
Q4:集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えますか。/ A4:見直さず


■関根 敏伸(岩手)
Q1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:反対
Q2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。/A2:反対
Q3:憲法改正を発議するためには、衆議院参議院でそれぞれ「3分の2以上の賛成」が必要です。この要件を「過半数の賛成」に引き下げる96条改正に賛成ですか、反対ですか。/ A3:反対
Q4:集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えますか。/ A4:見直さず


■森 裕子(新潟)
Q1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:反対
Q2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。/A2:非該当
Q3:憲法改正を発議するためには、衆議院参議院でそれぞれ「3分の2以上の賛成」が必要です。この要件を「過半数の賛成」に引き下げる96条改正に賛成ですか、反対ですか。/ A3:反対
Q4:集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えますか。/ A4:非該当


■太田 和美(千葉)
Q1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:反対
Q2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。/A2:反対
Q3:憲法改正を発議するためには、衆議院参議院でそれぞれ「3分の2以上の賛成」が必要です。この要件を「過半数の賛成」に引き下げる96条改正に賛成ですか、反対ですか。/ A3:反対
Q4:集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えますか。/ A4:見直さず


■佐藤 公治(広島)
Q1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:賛成
Q2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。/A2:非該当
Q3:憲法改正を発議するためには、衆議院参議院でそれぞれ「3分の2以上の賛成」が必要です。この要件を「過半数の賛成」に引き下げる96条改正に賛成ですか、反対ですか。/ A3:反対
Q4:集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えますか。/ A4:非該当


■広野 允士(比例)
Q1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:無回答
Q2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。/A2:無回答
Q3:憲法改正を発議するためには、衆議院参議院でそれぞれ「3分の2以上の賛成」が必要です。この要件を「過半数の賛成」に引き下げる96条改正に賛成ですか、反対ですか。/ A3:無回答
Q4:集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えますか。/ A4:無回答


■藤原 良信(比例)
Q1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:無回答
Q2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。/A2:無回答
Q3:憲法改正を発議するためには、衆議院参議院でそれぞれ「3分の2以上の賛成」が必要です。この要件を「過半数の賛成」に引き下げる96条改正に賛成ですか、反対ですか。/ A3:反対
Q4:集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えますか。/ A4:見直す


■はたともこ(比例)
Q1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:反対
Q2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。/A2:反対
Q3:憲法改正を発議するためには、衆議院参議院でそれぞれ「3分の2以上の賛成」が必要です。この要件を「過半数の賛成」に引き下げる96条改正に賛成ですか、反対ですか。/ A3:反対
Q4:集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えますか。/ A4:見直さず


■山岡 賢次(比例)
Q1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:無回答
Q2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。/A2:無回答
Q3:憲法改正を発議するためには、衆議院参議院でそれぞれ「3分の2以上の賛成」が必要です。この要件を「過半数の賛成」に引き下げる96条改正に賛成ですか、反対ですか。/ A3:無回答
Q4:集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えますか。/ A4:無回答


■東 祥三(比例)
Q1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:賛成
Q2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。/A2:非該当
Q3:憲法改正を発議するためには、衆議院参議院でそれぞれ「3分の2以上の賛成」が必要です。この要件を「過半数の賛成」に引き下げる96条改正に賛成ですか、反対ですか。/ A3:反対
Q4:集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えますか。/ A4:見直す


■三宅 雪子(比例)
Q1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:無回答
Q2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。/A2:反対
Q3:憲法改正を発議するためには、衆議院参議院でそれぞれ「3分の2以上の賛成」が必要です。この要件を「過半数の賛成」に引き下げる96条改正に賛成ですか、反対ですか。/ A3:反対
Q4:集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えますか。/ A4:見直さず


◎合計
Q1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:賛成2, 反対4, 無回答4, 非該当1
Q2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。/A2:賛成0, 反対5, 無回答3, 非該当3
Q3:憲法改正を発議するためには、衆議院参議院でそれぞれ「3分の2以上の賛成」が必要です。この要件を「過半数の賛成」に引き下げる96条改正に賛成ですか、反対ですか。/ A3:賛成0, 反対11, 無回答2
Q4:集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えますか。/ A4:見直す2, 見直さず5, 無回答2, 非該当2


なるほど、確かに記事の通りになっている。しかし、参院選公示前に生活の党は政党としてアンケートに回答しており、その結果は下記の通りだった。これは参院選の公示前から「えらぼーと」のサイトに公開されており、私はそれを覚えていたから、記事を読んで目を疑ったのだった。

Q1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:賛成
Q2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。/A2:反対
Q3:憲法改正を発議するためには、衆議院参議院でそれぞれ「3分の2以上の賛成」が必要です。この要件を「過半数の賛成」に引き下げる96条改正に賛成ですか、反対ですか。/ A3:反対
Q4:集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈を見直すべきだと考えますか。/ A4:見直す


上記が嘘だと思うなら、下記URLの「えらぼーと」に回答して、「政党別一致度」をご覧あれ。
http://vote.mainichi.jp/


なお、生活の党代表の小沢一郎は、昨年の衆院選の時に行われた「えらぼーと」のアンケートに下記のように答えている(日本未来の党・衆院選当選議員の「えらぼーと」回答結果 - kojitakenの日記(2012年12月22日)参照。なお、昨年の衆院選と今回の参院選で「えらぼーと」の質問項目が異なり、今回のQ2, Q3に該当する質問項目は衆院選の時にはなかった)。

Q1:あなたは憲法改正に賛成ですか、反対ですか。/ A1:賛成
Q2:集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈を見直すべきだと思いますか。/ A2:見直すべきだ


これは今回の政党の公式回答と矛盾しない。しかし、候補者たちの回答はそれと比較して「護憲」寄りになっており、小沢一郎及び生活の党公式の回答と矛盾する。特に集団的自衛権行使に関する憲法解釈を「見直すべき」というのは、小沢一郎の思想の代名詞のようなものであり、それを見直すなというのは、小沢一郎の教義の核心に反する。

象徴的なのは、あのタカ派政治家の代表格だったはずの森裕子である。2007年の参院選の時には、「えらぼーと」への回答を見て、森裕子ってとんでもないタカ派なんだなあと強く印象づけられたものだが、今回は改憲に「反対」、集団的自衛権の政府解釈見直しについては「非該当」で逃げている。明らかに自らの思想信条を隠しているのである。

一部に、生活の党は「中道右派」路線に回帰するのではないかとの観測もあったが、そうはならず、カルト系「なんちゃってリベラル・左派」政党として「白色矮星」化する末路をたどることになりそうだ。