kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

秘密保護法案に賛成でも反対でもない藤原紀香を「見せしめ」にして「言論統制」をもくろむ産経の悪逆非道

特定秘密保護法案の衆院採決を今日(11/26)やるらしいが、昨日、こんな記事がネットで話題になった。


藤原紀香さん「赤旗で秘密保護法反対」は虚報 | GoHoo

藤原紀香さん「赤旗で秘密保護法反対」は虚報


▼女優の藤原紀香さんが「しんぶん赤旗」で特定秘密保護法案への反対を訴えていると産経が報道。赤旗に藤原さんのインタビュー記事は掲載されたが、法案について賛否を示した発言は全くなかった。

【産経】 2013/11/21 MSN産経ニュース「あの藤原紀香さんが『赤旗』登場 共産党のソフトイメージ戦略象徴」

《注意報1》 2013/11/25 19:00

産経新聞は、11月21日付でニュースサイトに「あの藤原紀香さんが『赤旗』登場 共産党のソフトイメージ戦略象徴」と見出しをつけ、共産党の機関紙『しんぶん赤旗』日曜版11月24日号に女優の藤原紀香さんが登場し、特定秘密保護法案への反対を訴えているなどと報じました。しかし、赤旗に掲載された藤原さんのインタビュー記事には、特定秘密保護法案に関して触れた発言は一切なく、法案への反対も訴えていませんでした。

あの藤原紀香さんが「赤旗」に登場 共産党のソフトイメージ戦略象徴 (MSN産経ニュース 2013/11/21 21:25)

赤旗日曜版には「この人に聞きたい」という著名人のインタビューコーナーがあり、11月24日号に藤原さんのインタビュー記事の(上)が掲載されています。産経は、この記事で「藤原さんは『ニュースを知らないことは一番危険だし、知らない間に国の大事なことが決まるなんてことにならないように、ひとりひとりがその事を知り、判断し、意見を出していく。そんな世の中になればいい』などと語り、特定秘密保護法案への反対を主張している」と報道。しかし、実際の発言の前後をみると、藤原さんがインターネット上で政治や社会のさまざまな問題について発信していることへの思いを述べたもので、特定秘密保護法案について述べた発言ではありませんでした。

また、産経の記事は「同党は9月、藤原さんが自身のブログで同法案への反対を表明した際に『しんぶん赤旗』日刊紙の一面コラム『潮流』で紹介するなど“接近”を図っていた」と伝えています。これは、藤原さんが9月13日に公式ブログに掲載した「秘密保全法案って?」という見出しの記事に言及したものとみられますが、産経が報じたように、藤原さんがブログで法案への反対を明言した事実はありませんでした。藤原さんはブログで「日経や朝日など各新聞の社説でも、これがこのまま通ると大変なことになると書かれており、もしその可能性があるとしたら、国民の一人としていかがなものかと心配しています」などと法案への懸念を示す一方、「もちろん、日本を陥れるべくスパイ行為を働いた輩には罰を与えるべきだと思うし、そのようなスパイ行為が起きないよう なんらかの法案が必要となるとは思います」とも言及。9月17日期限のパブリック・コメントに向け、「それぞれ、賛成、反対などの意見を書きましょう」と呼びかけていましたが、法案反対を明確に表明してはいませんでした。

産経の記事は冒頭で「共産党機関紙に『非党員』の有名女優・タレントが登場するのは異例だ」とも書かれています。しかし、当機構が調べたところ、加山雄三さん(11月17日付)、仲代達也さん(11月10日付)、中村雅俊さん(9月15日付)、田中圭さん(7月21日付)、稲森いずみさん(7月7日付)、野際陽子さん(6月30日付)、佐藤浩市さん(3月3日付)、釈由美子さん(2月3日付)など多数の俳優・タレントが赤旗のインタビュー記事で登場しており、藤原さんの登場は「異例」とはいえないと考えられます。

藤原さんは11月22日、公式ブログで、産経の記事を念頭において遺憾の意を表明しています。

■この人に聞きたい 藤原紀香さん(上)信念持って発信し続けてきた (赤旗日曜版2013年11月24日号)

まず知ること

〈藤原さんはインターネット上で、さまざまな政治や社会の問題についても発信しています〉
欧米の俳優などはテレビの前などでも堂々といろんな発言をしています。日本ではそこまでは難しい風潮なのは知っていますが、自分が気づいたことはブログなどで、書いていこうと思っています。
自国の大事なニュースにもかかわらず、意外に知らない人が多いことに驚きました。自分の国の政策はこのようにして決まるのですよ、とまず知ることが大事なのではと思い、書きました。
でも、私は自分の意見はこうだからみんなもそうして! などと書いたことはありません。何にしても賛否両論はあります。でも、そのニュースや事柄を知らないことは一番危険だし、知らない間に国の大事なことが決まるなんてことにならないように、ひとりひとりがその事を知り、判断し、意見を出していく。そんな世の中になればいいなと。

私のありのまま、素直な気持ち。 (藤原紀香さん公式ブログ 2013/11/22)

私のありのまま、素直な気持ち。

赤旗日曜版の芸能ページの取材をうけたことで、あるメディアに、話題になっている法案の事とこじつけられ、各方面に誤解を受ける書かれ方をしていてとても悲しいです。

これまで、素晴らしい芸能の先輩方や著名人の方々が赤旗新聞日曜版芸能ページに出られていますし、私も今回、そのお仲間に入れたようで光栄に思っていただけで、皆さんと同じように特定の政党に偏っていません。

取材では10年、これまで続けてきたチャリティーやボランティアの話を誠意をもって語りました。とてもいい記事になっていると事務所共々 喜んでおりました。
なのに、なぜこのように 書かれるのかとても遺憾に思いますし、きちんとその赤旗日曜版の記事を読んでいただければ、私の真意が伝わることと思います。

そして、
以前のblogを読み返して頂けたら分かると思いますが、私は法案に関して反対とか賛成とか書いていません。

私がはっきりと書いたのは、「法案を決めるため国民の意見を聞くパブリックコメントというものが、たった二週間しかないということ、これは知らない方が周りでも多かったので、まずはそのことを知りましょう、そして、法案に関しても理解した上で、賛否両論それぞれ声をあげましょう」と書きました。

あと、
「私はこの法案に反対と言っているのではなく、大事な我が国 日本のことをスパイなどされないようになんらかの対策は必要だと思う。ただ、その秘密となるものが どこまでの適用範囲なのかは、決めるべきでは。」と書いています。

それをいつのまにか、一文だけ切り取られ、無断使用の写真もくっつけられて 片方だけの意見の広告のように、作ってもいないポスターまでが作られてしまい、それが一人歩きしています(>_<)

もちろんあれは、私サイドが作ったものではないことを、いつも応援してくれるこのblogを読んでいる方々はわかってると思っていたので、これまで書きませんでしたが事務所社長とも相談して、違うことは違うと言おうと。(以下、略)

藤原紀香というのは、2006年に護憲派であるかのようなポーズをとって注目されながら、翌年の東京都知事選で石原慎太郎のブレーンに依頼を受けると、一転して石原応援団に加わった人である。そんな人が、「秘密保護法案に賛成でも反対でもない」というスタンスであることに全く不思議はない。

上記の藤原紀香のサイトからの引用文は、もとの『GoHoo』に引用されたものより一つあとの文章まで引用したのだが、私はこの件から、かつて城内実によって勝手に応援団に仕立てられた眞鍋かをりの一件を思い出した。

事実は、眞鍋かをりはかなり「(真正)保守寄り」ではあるけれども城内実の支持者ではなかったのと同じように、藤原紀香は政治への関心はそれなりに高いけれども、表立って秘密保護法案反対の旗を振るほど考えが固まっているわけではない、ということだろう。石原慎太郎応援団の一件を思えば、まあそんなところだろうなと思う。正直言って藤原紀香に物足りなさを感じるけれども、それはないものねだりというものであろう。

ところで問題は産経の報道である。あまたある産経の「虚報」の中でも、今回のものは特に悪質さが際立っている。

というのは、これは、藤原紀香のような、いささか信念があやふやではあるけれども、「秘密保護法案反対」に流れそうな芸能人を恫喝して、他の芸能人やひいては一般人が「秘密保護法案反対」に流れるのを阻止するという露骨な狙いを持って書かれた記事であるからだ。これはマスメディアによる「言論統制」そのものである。

最近私が気になるのは、いろんなキーワードでネット検索をかけた時、産経のサイトがひっかかる頻度が異様に高いことである。それは、数年前にMSNが毎日新聞との提携を取り止めて産経に乗り換えたことと関係があるのではないかと思うが、物事を調べる時にネット検索を利用する人々が多い現在、その悪影響は計り知れないものがある。産経新聞自体は現在も部数減が止まらず、フジサンケイグループのお荷物とも言われ、一時ブラック企業の一角をなす「すき屋」のゼンショーに売却される噂が流れたくらいであるにもかかわらず、ネットでの産経のはびこりようは異様である。

私は山本太郎が「脱原発を主張したからテレビの仕事を干された」と主張するのは眉唾だと思っているけれども、今後は秘密保護法案に限らず、政府の施策というか政治に関心を持とうとしただけでテレビ出演の仕事を干される時代になりかねないと思う。

マイクロソフトに産経との提携解消をお願いするくらいしか手がないのであれば困ったものである。