kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

今頃になって会期延長を求める「みんなの党」渡辺喜美が放つわびしい「小物感」のオーラ

安倍晋三は、これまで見たこともないタイプの総理大臣だ。思い込みが極めて激しく、一度思い込んだらひたすら猪突妄進*1する。そのエネルギーの源泉は、岸信介佐藤栄作孫崎享言うところの「アメリカに敢然と立ち向かった『自主独立派』の政治家」である母方の祖父や大叔父への信奉というか盲信である。

「千万人と雖も吾往かん」とは、

《「孟子」公孫丑上から》良心に恥じるところがなければ、千万人の敵に対しても恐れることなく向かっていこう。

との意味だが、岸信介を崇拝する安倍晋三は、自らの行為が正しいと信じているからこそ、映画監督や俳優ら269人が反対しようが、学者2006人が反対しようが、自ら信じる道を突き進んでいるのであって、それは2006年の「改正教育基本法」を成立させた時にも見られたことだ。だからこんな人間を総理大臣にしてはならなかったのである。2006年も今回も、最初から国会の会期最終日に法案を成立させると決めていて、その信念は何が起きようが全く揺るがない。安倍晋三は、あたかもブルドーザーで一切の障害物を押し潰すかのように、ひたすら盲進する。

その安倍晋三とは対照的なチキンが渡辺喜美である。今回の特定秘密保護法案成立に、安倍晋三にとって「殊勲甲」の働きをした「みんなの党」の渡辺喜美が、あまりの風当たりの強さにびびって、今になって会期延長を安倍晋三に要求した。


http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/politics/news/20131205/1433695

秘密保護法の審議、「強権的」 みんな渡辺代表が国会運営批判


 みんなの党渡辺喜美代表は4日、安倍晋三首相との党首討論に臨み、特定秘密保護法案を審議する参院の与党側の国会運営を批判、6日に会期末となる今国会の会期延長を求めた。

 党首討論後、記者団に対し、与党側が採決を強行した場合の対応については「今後考える」とし、賛成しないことに含みを持たせた。

 渡辺氏は「国会が強権的であってはいけない」と強調。衆院審議で与党側と修正案をまとめ賛成した立場として「こんないいかげんな国会運営が行われたら、手続きに反対せざるを得なくなる。会期延長はしっかりやっていただかなければならない」と語気を強めて安倍首相に迫り、丁寧な国会運営を求めた。

 また自民党石破茂幹事長が市民デモを批判した発言を「自民党のおごりが出たと言われても仕方がない大失言だ」と批判した。

下野新聞 2013年12月5日)

今頃こんなことを言うなら、安倍晋三に取り込まれてはいけなかったのである。江田憲司らが橋下徹(日本維新の怪)や民主党との合流を目指す動きをしたことを強権で抑え、橋下との連携を拒んだことで一定の評価を受けていた渡辺だが、安倍晋三と結んだことによって「なんだ、橋下じゃなくて安倍晋三なら良いのか」と思われ、信用を一気に失った。今や渡辺は、なんとも言えずわびしい「小物感」のオーラを細々と放っている。今後みんなの党の分裂は必至であり、カリスマ性を失った渡辺喜美は、かつて揶揄された「劇団ひとり」に戻るのか、自民党に復党するのか、それともかつて自分に熱心に声をかけてくれた小沢一郎と「負け犬」同士でつるむのであろうか。

かくして特定秘密保護法案は明日(6日)、参院本会議で強行採決されて成立する*2安倍晋三を総理大臣に復帰させた日本国民の誤った選択の必然的帰結である。

*1:いうまでもなく普通の日本語では「猪突猛進」だが、意図的に「猛」の字を書き換えた。

*2:それどころか今日(5日)参院本会議で一気に強行採決しようとの動きもあるらしい。