kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「細川氏、都知事選出馬へ にわかに『脱原発』」(毎日)

ここ数日の報道を見る限り、朝日、毎日、東京の各紙やTBS、テレビ朝日などのいわゆる「リベラル」系とされるマスメディアは予想通り細川護煕推しに懸命になっているように見える。ただテレビ朝日では右寄りの勢力も結構強いようで、報棄てサンデーとやらに先週(1/5)は石原慎太郎、今日(1/12)は竹中平蔵が出ていた。コメンテーターも朝日新聞星浩共同通信後藤謙次など、中道というよりはかなり右寄りのマスコミ重鎮が並ぶ。司会の長野智子は元フジテレビのタレントアナで、少し前までは同じテレ朝でこのあとの時間帯にやっているローカルの極右番組(黒鉄ヒロシだのテリー伊藤だのがレギュラー出演しているが、同じ「極右」でも大阪・読売テレビの故たかじんの番組とは比較にならない不人気番組)の司会を務めていた。「日曜日のテレ朝は右寄り」と記憶しておくと良いと思う。

それはともかく、毎日新聞都知事選絡みの政局記事をメモしておく。別に記事を推奨する意味合いはなく、2014年1月に都知事選に関して「リベラル」系とされる新聞にこんな記事が載っていたという資料としての位置づけ。

http://mainichi.jp/shimen/news/20140112ddm003010050000c.html

クローズアップ2014:細川氏都知事選出馬へ にわかに「脱原発


 猪瀬直樹氏の辞職に伴う東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)は、細川護熙(もりひろ)元首相(75)が立候補の見通しになったことで、構図が一変した。各政党が独自候補擁立に及び腰のなか、自民、公明両党が支援に回った舛添要一厚生労働相(65)を軸に選挙戦が展開されるとの見方が強まっていたが、細川氏の参戦で一気に緊張。「原発ゼロ」を訴える細川氏小泉純一郎元首相との連携も模索しており、争点として脱原発が際立つことは確実だ。安倍晋三首相の政権運営にも影響しそうだ。

 ◇争点化、政権は警戒

 細川氏は週明けにも立候補について最終判断する見通し。安倍政権は、2011年の東京電力福島第1原発事故を受けて強まった「原発ゼロ」の主張が、細川・小泉連合の「劇場型選挙」で一気に拡大する事態を警戒している。政府・自民党は衆参両院で多数を確保した後、世論の批判をかわしながら原発維持へかじをきりつつあった。

 しかし、都知事選で原発を巡る政策が争点化すれば、1000万都民の「民意」が示されることになる。選挙結果によっては原発再稼働の方針にも大きな打撃となりかねない。「1強多弱」の国政に、原発ゼロをてこにした新勢力が生まれる可能性さえある。自民党石破茂幹事長は10日、細川氏原発ゼロ路線に関し「エネルギー政策は国政の課題だ。それを争点にするのを都民がどう判断するか」と指摘。都知事選の争点は原発ではないとけん制した。

 安倍首相にとって、都知事選の「必勝」は政権を不安定化させないための条件だ。19日投開票の沖縄県名護市長選は劣勢が伝えられ「都知事選と1勝1敗に持ち込んで、政権のダメージを最小限にとどめたい」(自民党幹部)ともくろむ。4月には消費増税を控えており「景気が冷え込み、内閣支持率も低下する」との見方は消えない。政権を安定的に継続させ、集団的自衛権の行使容認などの「安倍カラー」政策を推進するため、今春までに政権が動揺する展開は避けたいところだ。

 かぎを握る小泉氏の思惑について政権は「そこまでするのか」と半信半疑だ。安倍首相は9日からの中東・アフリカ外遊前、「小泉さんと話してみようかな」と周辺に漏らした。自民党執行部は、小泉氏と親しい森喜朗元首相を通じ、細川氏を支援しないよう小泉氏の説得を試みる考えだ。

 ただ、細川氏は首相辞任後の1996年、小泉氏や田中秀征経済企画庁長官らと「行政改革研究会」を旗揚げするなど、細川、小泉両氏の関係は長い。細川氏周辺は「当時から細川さんがずっと会っているのは小泉さんだけ。自民党総裁選で小泉さんが負けた時も、細川さんは励まし続けた」と強調。小泉氏の支援に期待を込めた。

 一方、民主党都知事選で細川氏が「台風の目」になれば安倍政権を揺るがす好機とみている。11日の都連選対会議では、細川氏が出馬した場合、推薦などは出さず「勝手連の一つとして支援する」(松原仁都連会長)との方針を決めた。

 前日の10日、細川氏の関係者が海江田万里代表と接触し、「政党から支援を受けたり、政策協定を結んだりするつもりはない。黒衣に徹してほしい」と要請。党執行部は、政党色を出さない細川氏側の戦略を踏まえ、水面下で全面支援する構えだ。

 民主は当初、自公両党とともに舛添元厚労相への「相乗り」に傾いていた。だが、細川氏の登場で対応は一変。民主は細川氏に乗り換え、便乗して政権との対決姿勢をアピールしたい思惑がある。

 共産、社民両党は細川氏脱原発で一致する宇都宮健児・前日本弁護士連合会会長(67)の推薦を決めている。社民党幹部は「細川氏には(1億円借り入れで首相辞任につながった)東京佐川急便問題があった。細川氏支援はリスクが大きい」と指摘した。【小山由宇、影山哲也】

 ◇都議選、参院選…一定の集票力

 「脱原発」は東京都でどのくらい集票力があるのか。東日本大震災以降の選挙では、2012年12月の前回都知事選で、脱原発を掲げる各党の支援を受けた宇都宮氏が猪瀬氏に大差で敗れたが、昨年6月の都議選では共産が改選前の8から17議席に倍増。7月の参院選でも東京選挙区(改選数5)で無所属の山本太郎氏が67万票近くを集めて当選し、比例代表緑の党は、全国の得票の約2割(約9万票)を都内で集めた。

 当選ラインとの関係を見ると、過去10回の都知事選で最少得票の当選者は、19人が乱立した1999年選挙の石原慎太郎氏の約166万票。昨年参院選脱原発を中心に訴えた東京選挙区の主な候補・政党の得票合計は、選挙区は約161万票、比例代表は約120万票だった。脱原発運動の関係者は「潜在的な賛同者はもっと多いが、投票の優先順位が低かった。細川氏の出馬で関心が高まれば、得票は増える」と分析する。

 ◇宇都宮氏側に一本化を打診

 脱原発票が分散する恐れもある中、複数の関係者によると、細川氏側は既に人を介して宇都宮陣営に一本化調整を打診したが、宇都宮陣営は応じなかったという。11日の事務所開きで宇都宮氏は「脱原発を訴える人が出るのは大歓迎だが、細川さんはそれ以外の政策はどうなのか」と述べ、一本化を否定した。

 都政の課題は他に多く、原発が都内に無い中での争点化には疑問の声も多い。東京で脱原発を推進する実効性も不透明だ。

 都は東京電力の大株主で、副知事当時の猪瀬氏が、筆頭株主として12年6月の株主総会で東電病院の売却を迫ったこともある。だが東電はその後に実質国有化され、原子力損害賠償支援機構過半数の株を持つ。所有割合1・2%の都が経営に携われる余地は少なく、都幹部は「都が東電改革を主導できる状況ではなくなった」と話す。【竹内良和、藤沢美由紀】

毎日新聞 2014年01月12日 東京朝刊