安倍晋三一味の暴走はとどまるところを知らない。
ナショナリスト本田悦朗氏がアベノミクスで目指す目標 - WSJ
【東京】本田悦朗氏。安倍晋三首相の経済再生計画で中心的な役割を担う顧問(内閣官房参与)だが、戦時中の話を熱く語るナショナリストでもある。
本田氏はウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、第2次大戦中の神風特攻隊の「自己犠牲」について語りながら、涙ぐんだ。
昨年12月の安倍首相による靖国神社参拝については、特攻隊員など戦争で死んだ数百万の兵士たちを追悼するために、首相が参拝したことを喜んでいるとし、「誰かがこれをしなければならなかった」と語った。その上で、「私は首相の勇気を高く評価する」と述べた。
14人のA級戦犯も合祀されている靖国神社への首相参拝は、日本の隣国であり、かつての日本の軍事侵略の犠牲となった中国と韓国の怒りを買った。
この参拝によって、東アジアでは大胆な経済再生計画によって安倍首相がどこに向かおうとしているのかという厄介な疑問が浮上した。安倍氏は、経済政策と同時に軍事力強化のため平和憲法を改正することを目標に掲げており、中国は安倍首相を軍国主義者だとしている。
日本の力を誇示するかのような安倍首相の動きに対する東アジアの反応は複雑だ。フィリピンやベトナムなど中国の台頭に反発する国は、中国との勢力均衡上、より強い日本を歓迎している。実際、日本は両国に巡視船を提供しているのだ。
安倍首相の経済分野での政策を練るブレインの1人である本田氏は、「アベノミクス」の背後にナショナリスト的な目標があることを隠そうとしない。同氏は、日本が力強い経済を必要としているのは、賃金上昇と生活向上のほかに、より強力な軍隊を持って中国に対峙できるようにするためだと語った。同氏は中国に「深刻な脅威を感じている」としている。
急速に軍事力を増強し、経済的に拡大する中国に対する日本人の恐怖は根深く、この不安は「失われた20年」によって増幅されている。1990年代初めにバブルがはじけた時、日本のGDPは中国のそれより約10倍も大きかった。しかし、今ではその半分強でしかない。
日本は中国のような核兵器を持ってはいないが、その通常兵力は強力な抑止力になっている。そしてもちろん日本はアジアにおける米国の主要な防衛同盟国だ。
しかし、多くの日本人は東アジアにおける米国の力の持続性に不安を抱いており、毎年軍事費を2桁の伸びで拡大している中国は、2、3年(5―10年という人もいる)で、いざ戦争となれば日本を打ち負かせる力を持つのではないかと恐れている。両国は東シナ海の諸島の領有権をめぐり激しく対立し、そこで武力衝突が偶発的に起きる恐れもある。
本田氏のナショナリスト的な感情は中国に対するものにとどまらない。同氏にとっては、中国の脅威から日本を守れるような経済力をつけるだけでは十分でなく、日本が世界の舞台で主体的行動を取れる活力があり、後見人としての米国にも頼らない、周辺国とのしがらみに左右されない国になることを望んでいる。
これも同氏が首相の靖国参拝を支持する理由だ。同氏は「日本の首相が靖国参拝を避けている限り、国際社会での日本の立場は非常に弱い」とし、「われわれは重荷を背負った日本を見たくはない。自立した国としての日本を見たい」と語った。
本田氏は大学教授でもあるが、その言わんとすることを強調するため神風特攻隊が米空母に体当たりするさまを頭の高さに上げた左手を落として表現した。同氏は「日本の平和と繁栄は彼らの犠牲の上にある」と、目を真っ赤にさせながら言い、「だから安倍首相は靖国へ行かなければならなかったのだ」と語った。
安倍首相は周囲に率直な物言いの側近を集めており、その多くは日本政治の右派だ。彼らは新聞の見出しになり議論を巻き起こす一方、重要な問題について首相の考えを知る手がかりを提供している。
人事に政治的な力が働いたとされるNHKの籾井勝人会長は先月の就任会見で、戦中の「従軍慰安婦」に関する発言で物議を醸した。この問題は韓国との関係において依然火種になっている。しかし、同会長は、大騒ぎすることではないといった調子で、このような女性は世界のどこの戦場にもいると述べたのだ。
本田氏の主張は、日本は日本が望むように歴史を解釈し、それを表現する権利を持たなければならないというものだ。同氏はそれが「純粋に日本人の精神と魂に関わる問題だ」と述べた。
(ウォール・ストリート・ジャーナル 2014年2月19日 13:15)
先の都知事選で、脱原発派の候補を細川護煕に一本化せよと叫んで人々を辟易させたさる有名ブロガーがいるが、トンデモの多いこのブロガーの主張にあって、数少ない納得できる指摘が、「宇都宮健児やその支援勢力は「安倍政権は日本を『アメリカとともに戦争できる国』にしようとしている」というが、それは違う。安倍晋三は中国と戦争を起こそうとしている」というものだ。さらに言えば、アメリカの戦争に日本が巻き込まれるのではなく、日本の(中国との)戦争にアメリカを巻き込もうとしている。だからアメリカが強く警戒するのだ。
それは、この本田悦朗の主張を読んでいてもよくわかる。
現在行われているソチ五輪に欧米の最高指導者たちが誰も行かないのに安倍晋三が行ったのは、いうまでもなく中国と対抗するためにロシアと手を組むためであって、安倍晋三はそのためなら北方領土の半分をロシアにくれてやっても良いと本気で考えているだろう。
このまま何もしなければ、中国はどんどん強くなっていって歯が立たなくなる。中国を叩くなら今のうちだ。安倍晋三は間違いなくそう考えている。だから、危機は切迫しているのである。
さらに、本田悦朗が「神風特攻隊が米空母に体当たりするさまを頭の高さに上げた左手を落として表現した」ことにも注目しなければならない。こんなのを読まされるアメリカ人の読者が、安倍晋三一味を支持したり、親しみを感じたりすることなど間違ってもあり得ない。
最後に、近年一部の「小沢信者」を中心とする「リベラル・左派」を「目から鱗が落ちた」と感激させている孫崎享の妄論との絡みもしつこく書いておこう。
孫崎は、日本の政治家は「対米従属派」と「自主独立派」に分けられると主張している。
その分類に従えば、安倍晋三や衛藤晟一や本田悦朗はまごうかたなき「自主独立派」であろう。
孫崎享の妄論はいまや完全に破綻したのである。