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NYタイムズ、安倍晋三を再び批判「日米関係に深刻な脅威」 (共同)

下記は日経の記事だが共同通信の配信。産経のサイトにも同文の記事が掲載されていた。

NYタイムズ、安倍首相を再び批判「日米関係に深刻な脅威」 :日本経済新聞

NYタイムズ、安倍首相を再び批判「日米関係に深刻な脅威」


 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は2日、安倍晋三首相の姿勢を「ナショナリズム国家主義)」と指摘し、日米関係の「ますます深刻な脅威になっている」と批判する社説を掲載した。同紙の社説はこれまで数回にわたり、安倍氏の「国家主義」が危険だと訴えている。

 2日の社説は歴史問題に対する安倍首相の姿勢が日本周辺の「地域に対する危険な挑発」になっているとした。米国は日米安保条約に基づき日本を守ろうとしている一方、日中の紛争に引き込まれることは望んでおらず、安倍氏が米国の利益を忘れているとした。

 安倍首相が第2次大戦の「歴史をごまかそうとしている」と批判。さらに「彼(安倍首相)と他の国家主義者たちはいまだに南京大虐殺は全く起きなかったと主張している」との見解を示した。従軍慰安婦問題をめぐる河野洋平官房長官談話の検証問題にも触れ、慰安婦への「謝罪を撤回する可能性」を指摘した。(ニューヨーク=共同)

日本経済新聞 2014/3/3 14:00)


日曜日のサンデーモーニングを見ていたら、岸井成格が日中間で不測の事態が起きる可能性に言及していた。アメリカのメディアもこうしてアメリカが「日中の紛争に引き込まれる」ことに警戒している。

お気楽なのは日本の左派やメディアであって、先の都知事選では宇都宮健児やその支援勢力は「安倍首相は日本をアメリカと一緒に戦争する国にしようとしている」などと言っていた。権威がそういうと下々がおとなしく従うのが日本の「リベラル・左派」のあり方らしい(「主人持ち」の人たちの限界だろうと私は思っている)。「きまぐれな日々」にも、

天皇、小泉、米国といったちょっと前まで批判の対象だった存在に無批判に依存するような姿勢が出ていることに危惧を感じる。

だとか、

中国の東シナ海での脅威はかなり誇張されていて、双方首脳とも武力衝突の意図はさらさらない中で、安全保障のジレンマに陥っている感を持つ。要するに領海侵入の処理と「領土問題の有無」という点についてのメンツの張り合いであって、これさえ処理できれば関係は改善しうる。現場は双方とも極めて抑制されており、衝突に至ることはなくある程度の時間をおいて緩和に向かうだろう。

などと書いてきた人間がいたので、先週、これを批判する記事を書いた*1

かと思うと、孫崎享史観に洗脳され切った「小沢信者」系のブログには、「ウクライナのクーデターの非を言わず、ロシアを悪く言う安倍政権」などと書いて、せっかく日露がいい関係になっていたのに、と地団駄踏む記事を書いているところもあった。

一方では、安倍晋三がシリア空襲をめぐってアメリカに簡単に同調しなかったことを批判するかのような文章を書く人間もいて、両極端に走りがちなのが世の常なのかと思う次第。あの時の態度だけを切り取ってみれば、安倍晋三は決して間違っていなかった。

ウクライナについては、反ロシア勢力の中に極右勢力がかなりの位置を占めている問題がある一方で、KGB出身のプーチンのやり方もまた、かつてハンガリーチェコスロヴァキアポーランドに対してやらかしたソ連の軍事介入を思い出させる。プーチンの政敵に変死者や毒を盛られた政治家が続出したことも忘れてはならない。その政治手法において、ともに強権志向の安倍晋三プーチンにシンパシーを抱いているのではないかと書いたリベラル系ブログがあったが、これには私も「なるほどな」と思った。

いずれにせよ、孫崎享流の「『対米従属派』対『自主独立派』」などというお粗末な二分法はいい加減「トンデモ」に過ぎないという認識をみんなもう持っても良い頃だ。

孫崎の流儀で行けば、安倍晋三が「自主独立派」であることはもはや明らかだろう。安倍は安倍なりに日本の「国益」を追求している。それが、大多数の日本国民や世界の人々の利益とは相反しているだけの話である。