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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

近藤麻理恵『人生がときめく片づけの魔法』は「新・『「超」整理法』」か?

朝日新聞(4/17)朝刊より。

http://www.asahi.com/articles/ASH4J72G8H4JUCVL027.html

近藤麻理恵さん、「世界で最も影響力のある100人」に

 米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」が16日発表され、「片づけコンサルタント」として活動し、「ときめく片づけ」シリーズで知られる近藤麻理恵さん(30)が選ばれた。

 近藤さんは物に感謝しながら片づける方法を紹介してきた。著作を多く刊行するサンマーク出版によると、昨年10月に米国で出版した「人生がときめく片づけの魔法」が67万部超のベストセラーに。「kondo」を近藤さん流に片づける意味の動詞として使う人もいるという。イタリアやフランスでも刊行され、世界でシリーズ累計300万部の人気になっている。

 サンマーク出版の担当者は「片づける姿勢に踏み込んだ処分方法が受けている。これまでの消費文明への反省もあり、物を擬人化して、感謝を込めて捨てる精神が受けているのだと思います」と話した。

 日本からはほかに、作家の村上春樹さんも選ばれた。

朝日新聞デジタル 2015年4月16日23時47分)


人生がときめく片づけの魔法

人生がときめく片づけの魔法


へえ、近藤麻理恵さんという人もその著書も知らなかった。5年前の2010年に出た本なんだね。当時近藤さんは25歳だったことになる。
ネット検索をかけてみたら、昨年10月の『週刊朝日』の記事が引っかかった。

捨てられない人の共通点は「自分に対する自信のなさ」? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

捨てられない人の共通点は「自分に対する自信のなさ」?

(更新 2014/10/14 07:00)


『「超」整理法』から『人生がときめく片づけの魔法』まで、寄せては返す、かたづけブーム。だが胸の内で「わかっちゃいるけど捨てられない!」とつぶやく人も少なくないのでは。

 そもそも、なぜ私たちはこんなにも「捨てる捨てない」にとらわれるのか。思い起こせばバブル崩壊以降、さまざまなかたづけ術が唱えられてはブームを巻き起こしてきた。

 1990年代は『「超」整理法』(野口悠紀雄著)。書類を封筒に入れて最近使った順に並べるだけだが、記者は今も取材資料の整理に活用する。2000年代に入ると辰巳渚さんが『「捨てる!」技術』を出版。「見ないで捨てる」という大胆さは新鮮だった。そして「断捨離」。さらに10年出版の『人生がときめく片づけの魔法』(近藤麻理恵著)もベストセラーだ。

 こうしたかたづけブーム盛衰の背景を、人間の消費行動を心理学の面からとらえる「行動経済学」に詳しい立正大学の林康史教授(金融論)に読み解いてもらった。

「ひとつの整理法で限界になるころ、新しい方法が提唱されてブームになる。裏付けデータはないが、景気低迷でモノを買えなくなった状況を『物欲から離れた生活をしている』と自分を納得させようとする。ブームには、そうした心理が働いている可能性もある」

 一方、普段から「家をかたづけられない」と悩む人と向き合う心理カウンセラー大門昌代さん(48)は「『見捨てられ不安』かもしれない」と分析する。

 家族との関係や複雑な過去、トラウマ(心的外傷)など相談者が抱える事情は実に幅広いのに、かたづけられない理由を「もったいない」「かわいそう」「思い入れがある」と訴える人に共通するのは自分に対する自信のなさだという。

「モノに自分を投影し、捨てる対象が、まるで自分であるかのように錯覚する。無意識の不安を抱えています」(大門さん)

 混乱した内面を悟られたくなくて誰かにかたづけを頼むこともできず、部屋にはますますモノがあふれて自己嫌悪、という悪循環に陥りやすいそうだ。

「プロでも友達でも、一度、人の手を借りてかたづけ始めれば、『こんな散らかっていても嫌われなかった』という自信につながる。それを機に捨てられるようになることは多いです」

週刊朝日  2014年10月17日号より抜粋


懐かしい話題。未明に書いた「リテラ」のライター・田部祥太氏を批判する記事*1でもほのめかしておいたように、私にも本や雑誌を捨てられずに溜め込む悪癖がある。たとえば、月刊『現代』はブログ記事に引用する目的もあって、2006年のある時期から休刊となった2009年1月号まで毎月買い込んでいたのだが、それらのうち「捨てても惜しくない」と思った号は処分したものの、もしかしたら再び参照したくなるかも知れないと思った記事が載っている号は、未だに押し入れに眠っている。

かつては職場でも机上に書類の山を作っていた。現在は職場の机の上だけはきれいである。なぜなら、というわけでもないが、私も『週刊朝日』の記者氏同様、私も野口悠紀雄氏から学んだ『「超」整理法』を活用しているのだ。


「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)

「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)


また、辰巳渚氏の『「捨てる!」技術』も読んだ。


「捨てる!」技術 (宝島社新書)

「捨てる!」技術 (宝島社新書)


この本は、電車の車内で読み終えたのだが、下車するや否や駅のプラットフォームにあったゴミ箱に捨てた。それが著者の教えの実践だったかどうかは、本の中身を覚えていないのでわからない(笑)。ちなみに、『「超」整理法』は押し入れにあるプラスチックケースの中に眠っているはずだ。

その私が『人生がときめく片づけの魔法』は全く知らなかった。思わず買ってしまいそうだ。そうなるとますます本が増えてしまう。困ったものだ。

なにしろ私は、仲間内の雑談であの孫崎享トンデモ本『戦後史の正体』をブックオフに10円で売り飛ばすと公言しておきながら、未だに実行していない人間なのである。矢部宏治のトンデモ本『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』も、必ずや同じ運命をたどるであろう。困ったものである(笑)。


戦後史の正体 (「戦後再発見」双書1)

戦後史の正体 (「戦後再発見」双書1)