kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

東芝の「チャレンジ」と安倍晋三(呆)

大企業で出世する人間は、必ずしも人格的に優れた人間ではなく、それどころか人格的に尊敬に値し、かつ仕事の能力も高い人たちは次々と出世競争から脱落していき、社内政治に長けた人間だけが生き残るという事実は、前世紀の一部上場企業勤務時代に見てきたので知ってはいた。

しかし、それにしても「これはひどい」。ひど過ぎる。

東芝の「チャレンジ」を一目で察することができる、あるグラフ - 斗比主閲子の姑日記(2015年7月21日)

東芝の「チャレンジ」を一目で察することができる、あるグラフ
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企業絡みの報道では最近は東芝がもっぱら注目を集めていました。

昨日東芝が起用した第三者委員会の調査報告書の要約が開示され、本日15時にその報告書のフル版が開示され、19時には記者会見があるそうですから、これからスタンバイモードになっていた専門家の皆様が分かりやすく噛み砕いた解説をされるはずです。

自分もこの第三者委員会の報告書の要約をチラチラ眺めていたのですが、既に多くの方が指摘されている、あるグラフがとても印象的でしたので、今回紹介する次第です。

そのグラフとはこちら。

f:id:topisyu:20150721142006j:plain

※画像は、東芝第三者委員会調査報告書<要約版>』P84より

東芝のPC事業部の月別売上高・営業利益の推移です。営業利益の方が2008年3月までは損益トントンぐらいだったのに、それ以降乱高下をしています。四半期の最初の月で大幅な営業赤字になって、最後の月で大幅な営業黒字になっている。

それまでのトレンドとは大きく異なるし、毎四半期こんなことになっていたら季節要因とも言い難い。社内で、何か会計上の操作があったのではないかと誰でも疑いたくなるグラフです。

誰が見てもおかしい状態がこの期間でも最低7年も維持存続されていたということは、その間の社内の雰囲気というのは推して知るべし、ですよね。まったく知らない会社ではありませんので、経営陣ではない中の人に対しては、これまでの苦労とこれからの更なる苦労の大きさに、個人的には心中察して余りあるところがあります。

他の部門でも色々あるようですから、こういう事例を見るに、やはり問題が発覚しやすいような仕組み作り、例えば、内部告発のハードルを下げるなどが必要なんでしょうね。傷が浅いうちに何とかしたほうが得だという流れに持っていく。


続報が気になる方は、東芝のその他のIRをどうぞ。


上記記事の画像がやや見づらいと思われる方は、下記をご参照いただきたい。
東芝PC事業月別売上高・営業利益推移.jpg 直

記事についた「はてなブックマーク」のコメントより。

etc-etc 確かに「一度やったらやめられない」感がすごく溢れ出ている。損失を埋めるために持ってきた利益によるより大きな損失を埋めるためにより大きな利益をもってきた損失を埋めるために感。
memoyashi フィードバック制御で発散するグラフを思い出した。誰もブレーキをかけない正のフィードバックだったから発散、世間の知るところに。
myogab 経営者の頭がおかしいとしか。ま、政府も似たようなことしてるけど。
ssids さすが老舗の電化製品企業、見事な発振回路ですね(棒読み)/上に提出→差し戻し→増幅→提出→差し戻し→増幅→...って本当に正帰還じゃないですかやだー
u4k ジグザクがどんどん大きくなるトコも面白いんだけど、大きくなった結果12年6月以降は営業利益が売上を超えるのもヤバい。そりゃ期中単月ではそういうこともあり得るけどさー。こんなん笑ってまうわ。
bookkeeper2012 最後の3年くらいヤケクソ。世間にばれるのを待っていた人も多かろう。
treve2013 似たような会社で似たようなことやってましたから、よくわかりますよ。おバカな社員は期末になると、張り切ってやる気満々で不正経理に協力してたし、優秀な社員は責任感じて病気になってたし。
vanbraam "四半期の最初の月で大幅な営業赤字になって、最後の月で大幅な営業黒字になっている"<振動しつつ発散する関数を見てるような.企業会計でこれはない.監査法人仕事しろ
Umekosan 東芝内部告発しないほど中が充実した会社であるということ。 これで監査法人は騙されたっていうのは嘘だよな。


月並みだが、経営陣の暴走を止められない東芝から、安倍晋三の暴走を止められない自民党と日本の政治を連想した。もっとも安倍晋三の場合は「党内政治に長けた」というより、自民党の「血統」に基づく支配原理に乗っかっただけだから、東芝の経営陣よりさらにたちが悪いといえるかもしれない。