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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

防大の「任官拒否者」が倍増したが、1991年に過去最多の任官拒否者が出た理由は何か。

宮武嶺さんのブログ記事 防衛大卒業式で安倍ホラッチョ内閣総理大臣が「安保法制は国民のリスク下げる」。でも任官拒否が倍増! - Everyone says I love you !(2016年3月22日)経由で知った毎日新聞記事。

防衛大学校:「任官拒否」が倍増の47人 卒業生の1割 - 毎日新聞

防衛大学校
「任官拒否」が倍増の47人 卒業生の1割

毎日新聞 2016年3月21日 23時48分(最終更新 3月22日 03時05分)

 防衛大学校の卒業式が21日、神奈川県横須賀市の防衛大であった。卒業後に自衛官への任官を辞退する「任官拒否者」は卒業生419人中、11%にあたる47人に上り、昨年に比べ2倍近くに達した。40人を超えるのはバブル景気で就職戦線が学生の売り手市場だった1991年の94人以来25年ぶりで、89年の51人に次ぐ過去4番目の多さ。

 防大が任官拒否者から理由を聴き取ったところ、内訳は、民間企業などへの就職26人▽身体的な理由11人▽大学院など進学6人▽その他4人−−。今月29日の安全保障関連法施行で、自衛隊は他国軍の後方支援など任務の幅が広がり、リスクも高まるが、安保関連法を理由にした任官拒否者はいなかったという。防大は「景気動向などさまざまな要因がある」としている。

 任官拒否は73年以降、毎年出ている。91年に最多を記録し、その後10〜30人台で推移していた。2012年は73年以降最少の4人で、13年7人▽14年10人▽15年25人−−だった。

 最多だった91年は、進路判断の材料となる90年度の有効求人倍率(1人あたりの求人数)が1.43倍。50人を超えた89年と90年も1倍を超え、求人状況が良好だった。14年度の有効求人倍率は1.11倍で7年ぶりに1倍を超え、15年度は毎月上昇し昨年12月は1.27倍だった。【町田徳丈】

防衛大学校

 陸海空自衛隊の幹部自衛官を養成する教育機関で戦前の士官学校にあたる。文系3学科と理系11学科があり講義や訓練を実施。学生は卒業までの4年間、約8人ずつの部屋で寮生活を送る。特別職の国家公務員として手当(2015年4月時点で毎月10万9400円)や年2回期末手当がある。


「安保関連法を理由にした任官拒否者はいなかった」って、そんなの本音を白状するわけないのであって、安保法が施行されるからに決まっているとは誰もが思うことだろう。

それと上記の毎日新聞記事でいただけないのは、これまででもっとも任官拒否者が多かった1991年について、「バブル景気で就職戦線が学生の売り手市場だった」などという枕詞をつけていることだ。1991年就職の就活は1990年で、バブル景気のピークより少しあとだ。

1991年の1月から2月にかけて何があったか、毎日新聞の記者は知らないのだろうか。それともすっとぼけているのか。

そう、湾岸戦争ですよ。湾岸戦争の時に、当時の自民党幹事長・小沢一郎自衛隊の海外派遣を求めてさかんに発言していた。その影響ですよ。今年任官拒否者が急増したのはそれと同じ理由だ。

今後自衛官の志望者は減り、今でもその実態があると思われる「経済的徴兵制」がますます強まっていくに違いない。