kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

衆院北海道5区補選、投票率65%なら自民と野党の票数はほぼ互角だったはず

標記の件、今回の補選に「野党共闘」が敗れた最大の敗因はなんといっても低投票率だ。この点に言及しない選挙の分析は無意味だと言っても過言ではない。

Twitterなどで拡散されている、NHKが報じた出口調査による投票者の各党支持者の比率を見ると、自民44%、民進20%、公明5%、共産5%、社民1%、大地0%、支持政党なし24%となっている。

この選挙における野党候補の敗因に、鈴木宗男の「新党大地」の裏切りを挙げる向きもあるが、同じ北海道でも鈴木の地盤と5区は地理的に離れているせいもあってか、新党大地(鈴木父娘)の裏切りは、彼らの北海道5区への影響力がほとんどないために無視して良いレベルと思われる。

問題はやはり投票者数に占める無党派層の比率が24%しかなかったことだ。これでは勝てるはずがない。

朝日新聞出口調査によると、無党派層のうち池田真紀に投票した人は68%、和田義明に投票した人は32%だったという。
仮に投票率がもっと上がり、増えた分はすべて無党派層により、うち68%は池田真紀に、32%は和田義明に投票すると仮定して単純計算すると、投票率が65%程度であれば両候補の得票はほぼ互角となったと思われる。

また、2010年の補選以降4度(本選2度、補選2度)の北海道5区の選挙結果から、自民候補と「民進(民主)+共産+みんな」の候補の合計得票率との得票率差を縦軸に、投票率を横軸にして散布図をプロットし、最小二乗法の近似式をエクセルで求めると、投票率が60%であれば自民候補と野党候補の得票数が同じになるという結果も得られた。

両者の間に5%の開きがあるが、これは2010年からの6年間で自民党を支持する人が徐々に増えてきたためにハードルが上がっているものと私は解釈している。

いずれにせよ、60%や65%という投票率は、決して高いハードルではない。

北海道5区投票率は、2005年の郵政総選挙と2009年の政権交代選挙で70%を超えているが、それ以前にも、2000年衆院選では65%、2003年衆院選でも64%あったのだ。2012年以降の低投票率は、主に民主党政権有権者の期待に応える結果を出せなかったために「寝てしまった」無党派層が多かったためと考えられる。そして彼らは今回の補選でも掘り起こされずに「寝たまま」だった。

要するに、今回の民進党共産党を軸とした「野党共闘」には、彼ら「寝ている無党派層」を起こさせるほどの魅力が欠けていたということだ。この冷厳な事実を正面から受け止めて課題として認識しない限り、「野党共闘」に未来はない。

敗者同士で傷を舐め合うような悠長なことをやっていられる時ではない。安倍晋三自民党の脅威は刻一刻と増していく一方だ。