kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

無党派層への訴求力のない野党が「票を分断する」とは笑わせる

小林節の「政治団体」の名前は「国民怒りの声」だそうだが、ニュースでもあまり大きく扱われていないし、案の定というべきか、民進党共産党の支持者を中心に「反自民の票を割る」という批判が多く出ている。

しかし、衆院北海道5区補選ではっきり示されたように、もっとも条件の良い選挙区と候補者を持ってしても、民進党共産党を中心とした「野党共闘」は、民進党共産党がそれぞれ単独で選挙戦を戦った2014年衆院選の得票総数の和を下回る得票しか得られなかった。もともと無党派層を引きつける力もないのに、「票を分断する」もあったものではない。しかも、「国民怒りの声」は公認候補を選挙区に出すとは言っていない。言明したのは比例代表選への立候補だけであって、選挙区については野党統一候補を推薦することを考えていると小林節が言っていた。参院選比例代表選で複数の議席を得ることができる政党が、「票を分断」されて失う議席はせいぜい1議席か、多くても2議席だろう。2013年参院選の生活の党(獲得議席なし)のように、その1議席を確保できるかどうかの政党にとっては死活問題だろうけれど。生活の党と(以下略)*1に限らず、社民党なども「国民怒りの声」と統一名簿を作る道を模索しても良い、というかそのくらいやらないと生き残れないのではないかと私は思う。一方、民進党共産党の支持者は、「国民怒りの声」の参入によって、参院選投票率が上がって選挙区での「野党共闘」に有利に働くかもしれないのに、どうしてそういう前向きなことを考えずに脊髄反射的に「票を分断する」などとばかり言うのだろうか。私には不思議でならない。

思うに、民進党支持者にも共産党支持者にも、安倍政権を本気で倒そうという意欲はほとんどないのではないか。彼らからは、現在の党勢を守りたいという内向きの姿勢しか感じられない。支持者がそんなていたらくでは、民進党共産党無党派層の得票など増やすことができるはずがない。民進党支持者や共産党支持者の言い草をここに引用して揶揄しようかとも思ったが面倒なので止めた。

「国民怒りの声」の成否は、どんな候補者を擁立できるかどうかにかかっているだろう。小林節ばかりが目立つようでは、安保法成立から8か月が経過し、「立憲主義」に対する国民の関心も昨年秋当時よりは薄れていると思われる現在、「国民怒りの声」が議席を得ることは難しいと思われる。どれくらい無党派層にアピールできる候補者を持ってこれるかだ。

私は今のところ「国民怒りの声」には価値中立的だが(支持も反対もしない。変な候補者を持ってきた場合などにはそれを批判する可能性もある)、参議院選挙の投票率を高めるくらいに暴れてくれるかどうか、注目はしている。

*1:この政党は、主濱了も引退するらしいし、谷亮子もまだ出馬表明をしていないようだし、果たして参院選を戦う陣容を整えられるのだろうかと、大のアンチ小沢ながら心配になるところだ(笑)。