21日投開票の衆院大阪12区と沖縄3区の補欠選挙について、朝日新聞社は12、13の両日、電話調査を実施し、取材で得た情報と合わせて情勢を探った。大阪12区は維新新顔の藤田文武氏がやや先行し、自民新顔の北川晋平氏が激しく追っている。無所属前職の樽床伸二元総務相、無所属での立候補となった共産前職の宮本岳志氏はいずれも厳しい戦い。沖縄3区は無所属新顔で野党系の屋良朝博氏がリードし、自民新顔の島尻安伊子元沖縄北方相が懸命に追う。

 どちらも有権者の3~4割が投票態度を明らかにしておらず、情勢は変わる可能性がある。

 大阪12区補選で投票態度を明らかにした人を分析すると、藤田氏が維新支持層の8割を固め、無党派層の5割近くから支持を得ている。北川氏は自民支持層の7割を固めたが、推薦を受けた公明支持層はほぼ半数の支持にとどまっている。樽床氏は公明支持層から一定の支持を得て、無党派層の4割弱に浸透。宮本氏は共産支持層の大半を固めたが、無党派層の支持は広がっていない。

 沖縄3区補選は、朝日新聞社と沖縄タイムス、琉球朝日放送(QAB)が共同で調査を実施。投票態度を明らかにした人を分析すると、共産や社民などの政党や保守系政治団体などでつくる「オール沖縄」勢力が支援する屋良氏は、野党支持層をほぼ固め、無党派層から7割強の支持を得ている。自民支持層の2割にも浸透。70歳以上は7割が支持する。一方の島尻氏は自民支持層の8割から支持を得ているものの、無党派層の支持は2割台にとどまる。