今日から統一地方選の後半戦だが、前半戦では「ゆ」党・維新を除く野党の凋落と、その敵失に助けられた自公の堅調が目立った。そう総括されるべきだと私は思うが、Twitterを見ていると、局所的な勝利を喜ぶ「共産党信者」や、国民民主党との(内輪の)争いに「勝った」と喜ぶ「立民(枝野)信者」(それどころか菅直人までもがそれに加わった)の発信ばかりが目立ち、何考えてるんだろう、この人たちは、と思った。
選挙結果には「野党共闘」の失敗が目に見える形で表れていると思うのだが、特に共産党の迷走が目立つ。「大阪W選」において勝手連方式で自民党候補を応援したことは、維新に「野合」批判の口実を与えて無党派層を説得する絶好の材料を与えただけだった。その維新の攻勢に自民党候補の陣営が動揺し、府市議会選を含む維新の圧勝につながってしまった。
その余波は、衆院選大阪12区の補選にもつながっているようだ。補選の世論調査が出始めた。共同通信は維新候補の先行を伝えている。
https://this.kiji.is/489714239608800353?c=39550187727945729
衆院2補選、自民が苦戦
共同通信社は12、13両日、衆院2補選に関する電話世論調査を実施した。取材を加味して情勢を探ると、大阪12区は日本維新の会の藤田文武氏が先行し、沖縄3区は無所属の屋良朝博氏が優位に立っている。自民党はいずれも苦戦している。
(共同通信 )
朝日は有料記事だが、途中まで読める。沖縄3区補選の情勢も合わせて記事の無料部分を引用する。
https://www.asahi.com/articles/ASM4F43LFM4FUZPS002.html
大阪12区、維新候補やや先行 沖縄3区は野党系リード
21日投開票の衆院大阪12区と沖縄3区の補欠選挙について、朝日新聞社は12、13の両日、電話調査を実施し、取材で得た情報と合わせて情勢を探った。大阪12区は維新新顔の藤田文武氏がやや先行し、自民新顔の北川晋平氏が激しく追っている。無所属前職の樽床伸二元総務相、無所属での立候補となった共産前職の宮本岳志氏はいずれも厳しい戦い。沖縄3区は無所属新顔で野党系の屋良朝博氏がリードし、自民新顔の島尻安伊子元沖縄北方相が懸命に追う。
どちらも有権者の3~4割が投票態度を明らかにしておらず、情勢は変わる可能性がある。
大阪12区補選で投票態度を明らかにした人を分析すると、藤田氏が維新支持層の8割を固め、無党派層の5割近くから支持を得ている。北川氏は自民支持層の7割を固めたが、推薦を受けた公明支持層はほぼ半数の支持にとどまっている。樽床氏は公明支持層から一定の支持を得て、無党派層の4割弱に浸透。宮本氏は共産支持層の大半を固めたが、無党派層の支持は広がっていない。
沖縄3区補選は、朝日新聞社と沖縄タイムス、琉球朝日放送(QAB)が共同で調査を実施。投票態度を明らかにした人を分析すると、共産や社民などの政党や保守系政治団体などでつくる「オール沖縄」勢力が支援する屋良氏は、野党支持層をほぼ固め、無党派層から7割強の支持を得ている。自民支持層の2割にも浸透。70歳以上は7割が支持する。一方の島尻氏は自民支持層の8割から支持を得ているものの、無党派層の支持は2割台にとどまる。
(朝日新聞デジタルより)
この記事など、「野党共闘」(その実態は「小沢と共産の共闘」にほかならない)がいかに無党派層にそっぽを向かれているかをはっきり示すものだ。あの新自由主義者の樽床伸二(2010年6月の民主党代表選で小沢一派が担いだ候補でもあった)が「無党派層の4割に浸透」とは、(大阪の)無党派層におけるネオリベ信仰の相も変わらぬ強さに閉口させられるが、元来ネオリベの旗手だった小沢と共産が組んだ「野党共闘」が推す宮本岳志への「無党派層の支持は広がっていない」事実を共産党は重く受け止めなければなるまい。
衆院大阪12区補選の応援弁士に極右の籠池泰典を呼ぼうとした?宮本岳志陣営の大醜態に怒る - kojitakenの日記
- [あたまがいたい]
こんなの維新サイドに「野合だ」と批判され、維新の有利にしかならない悪手以外の何物でもないが、「おもろかったらええやん」の大阪ではうけるとでも思ったのか。
2019/04/14 07:17
まったくだ。無党派層に全く浸透していない「小沢と共産の共闘」など、可及的速やかに解消されなければならないと私は信じる。こたつぬこ(木下ちがや)氏がツイートしていた通り、籠池泰典を応援弁士として招こうとした一件は地元の共産党支持者たちを動揺させた。昨日も引用したが、再度引用する。
この記事に、籠池氏が宮本岳志の応援に入るという選対幹部名のコメントがありますが、ありえませんね。このような不正解な情報が支援者に動揺をもたらしています。
— こたつぬこ『「社会を変えよう」といわれたら』4/17発売 (@sangituyama) April 12, 2019
自民党VS維新が激突する衆院補選大阪12区に「第三の候補」 “隠し玉”は籠池砲 https://t.co/Jla5d0Flhh
このように、実質的に「小沢と共産の共闘」に過ぎない「野党共闘」など百害あって一利なしであることがはっきりしつつある。
以上は小沢・共産両陣営に対する批判だが、統一地方選では「立民 vs. 民民」の内紛ばかりが注目される旧民主・民進系政党*1も、無党派層への浸透が、特に地方で弱いことも最後に指摘しておく。旧民主・民進系の支持者たち(その一部は「信者」と化している)のツイートには「反・反緊縮」の傾向が顕著だが、私はそれらを見るたびにうんざりさせられるとともに、「これでは地方で選挙に勝てないだろうな」といつも思う。
その予感が正しかったことが選挙結果としてはっきり示された、統一地方選前半戦だった。