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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

宇都宮健児氏が立候補見送り表明 東京都知事選(朝日)

帰宅してテレビをつけたら、報ステ都知事選「3候補」と言っていて、宇都宮健児の姿がなかったから降りたことがわかった。ネットを見ると案の定だった。

http://www.asahi.com/articles/ASJ7F6JVSJ7FUTIL03L.html

宇都宮健児氏が立候補見送り表明 東京都知事
2016年7月13日21時24分

 14日告示の東京都知事選で、立候補を表明していた元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(69)は13日夜、都内の事務所で会見し、出馬を取りやめることを表明した。これにより、元防衛相で自民党衆院議員の小池百合子氏(63)、元総務相岩手県知事を務めた増田寛也氏(64)、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)を中心とした知事選の構図が固まった。31日に投開票される。

 宇都宮氏は、野党4党が「統一候補」に決めた鳥越氏と2度面談。「鳥越さんが、私と支援者の政策はほとんど賛成と話した。総合的に判断した」と述べた。

 自民党公明党は増田氏の推薦を決めたが、小池氏の立候補により17年ぶりの「保守分裂選挙」となる。宇都宮氏は「保守がせっかく分裂してくれた。そのチャンスを生かせないのはどうか」とも語った。

 民進、共産、生活の党と山本太郎となかまたちの3党は13日、鳥越氏の推薦を決めた。社民党も同氏の推薦を決める方針。一方、民進の支援団体の連合東京は同日、自主投票の方針を決めた。岡田啓会長は「今回は政策を検証する時間もない」と説明した。日本のこころを大切にする党は同日、増田氏の推薦を決定した。都知事選にはこのほか、11人が記者会見を開いて立候補を表明している。

朝日新聞デジタルより)

ま、落ち着くところに落ち着いた感はある。鳥越俊太郎が最善の候補とは必ずしも思わないけれど、

今回の騒動で驚いたのは、一部宇都宮健児支持者の熱誠ぶりだった。

たとえばあるブログのコメント欄では、「宇都宮にせず鳥越を統一候補にするなら小池百合子を考える」とのっけから宣言したコメンテーターが、こんなことを書いていた。

増田と小池に保守分裂が起きれば、宇都宮なら勝てる。

先の参院選は、東京選挙区は蓮舫がいるからだが自民より得票が上である。共産系を入れればもっと多い。宇都宮なら勝てる。

間違っても民進は馬鹿な選択をしないように。
自民は民進を刺しに来ているのである。おおらかな博愛主義ではなく自民を全滅させに行くくらいでないととてもじゃないが選挙に勝てない。

はっきり言って何を考えているのかよくわからない。

東京選挙区で蓮舫が圧倒的な得票をしながら、小川敏夫は私のような「全幅の信は置けないが、田中康夫を『お維落とす』ために鼻をつまんで投票した」人間がいたりとか、田中康夫と支持層がかぶる三宅洋平が予想外に大量の得票をして田中康夫の票が食われたりしたことによって、辛うじてというか幸運にもというか当選できたのに過ぎなかった。

このことは、民進党支持者の中にリベラル層は存外少ないことを意味する。実際、東京の民進党で選挙に強いのは、松原仁長島昭久などの右派である。東京も、大阪や兵庫や神奈川の影に隠れてはいるが、なかなかに手強い右翼と新自由主義者の牙城なのだ。左派色の強い宇都宮健児民進を丸ごとグリップするのはできない相談だった。

上記のコメントから思ったのは、宇都宮健児陣営にはカリスマ性の強い人でもいるのかなあということだ。忌憚なく言えば、何か強力な「同調圧力」の力場を感じる。宇都宮健児を支持するのは、何も筋金入りのリベラルばかりではなく、4年前に孫崎享トンデモ本『戦後史の正体』に感激していた人間もいるし、「小沢信者」系と思われていた某ブログも、意外にも生活の党が推す鳥越俊太郎熱烈推しではなく、宇都宮健児への同情を強くにじませていた。上記のコメントなど、一種異様で宗教的な信念みたいなものを感じてしまうのである。

もっともテレビのワイドショーでは宇都宮健児はボロクソだったという。それはそれでまた嫌だなあと思う。選挙は出たい人が出れば良いのであって、「○○は割れてはならない」「××はまとまらなければならない」と言った類の言説は、私のもっとも嫌うところのものだ。2009年の政権交代前に私がいた集団では、「『右』も『左』もない」なるスローガンのもとに、平沼赳夫城内実への応援を強要するようなとんでもない空気があった。もちろん、小沢一郎は「神聖ニシテ侵スヘカラス」だった。そんなものには到底我慢ならなかったから、私は「政権交代」が実現する約半年前にケツをまくったのだった。

それで良いのだ。個人個人の思うように行動すれば良い。今回、仮に宇都宮健児が降りずに出馬して、その結果増田寛也なり小池百合子なりが当選したとしても、「宇都宮が野党票を割ったから負けたのだ」式の非難だけはするまいと私は思っていたのだった。

野党の一本化はなったけれども、鳥越俊太郎が勝つのはそう容易ではないと思う。増田寛也小池百合子とであれば、増田寛也の方が強敵であろう。なぜなら、保守陣営においては、増田寛也に投票せよというきわめて強い「同調圧力」が働いているように私には思われるからだ。