kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小池百合子の正体と小池に投票した左翼・左派・リベラルの「病理」

今回の東京都知事選及びそれに当選した小池百合子については、下記のさとうしゅういち氏のエントリ2件に示された分析が妥当だと私は考えている。

野党側、候補擁立で精一杯、準備万端の小池氏に大きく遅れ : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2016年8月1日)

今回の東京都知事選挙は、はっきり申し上げて、以下のように総括できます。

  • やっとのことで、民進党から共産党まで乗れる候補者を擁立するには擁立した。
  • しかし、候補者の擁立だけで精一杯だった。
  • 政策や、候補者決定の透明性が不十分なまま公示を迎えた。
  • こうしたことも背景に「右側」連合東京は鳥越候補を推薦せず、「左側」の宇都宮健児陣営も鳥越応援でまとまらず、小池候補に一部支持が流れた。
  • このため、鳥越候補は前回の宇都宮健児さんの票は上回ったものの、宇都宮+細川の合計票を大きく下回った。
  • 小池候補は、先手必勝でかなり準備をしていたと考えられる。実質的には、小池候補が大きく先行し、そのまま逃げ切る選挙戦だった。
  • 清新イメージをうまく醸しだし、左翼票の一部も切り崩す形で大勝した。翼賛選挙での四王天延孝中将の全国最高点での当選を彷彿とさせた。


小池新知事は「安倍より右」の劣化ウランより硬い新自由主義者 : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2016年8月2日)

小池百合子新知事は、一言で言えば、安倍晋三総理よりも経済政策では「右」の「劣化ウランより硬い新自由主義者」です。

安倍総理は、乱暴に表現すれば、1980年代の日本を牛耳った金丸信竹下登古い自民党政治家と似たような経済政策です。
ただし、それが、時代状況に適合していないと言うことです。

小池知事は、1992年に参院議員に当選、翌年に衆院議員に転じました。
国会議員時代を通じて、「渡り鳥」「信念がない」などと罵倒されていますが、小池知事は確固たる信念をお持ちの方です。

それは劣化ウランより硬い新自由主義者であると言うことです。
(※劣化ウランは鉄より硬い金属で、アメリカ軍の戦車の装甲や砲弾に使われています。湾岸戦争イラク戦争では猛威を振るいましたが、一方で、放射能汚染が広がり、イラクの市民はもちろん、米軍兵士も含む多くの人が苦しんでいます。)


小池知事は、以下にお示しするように、その時代ごとに「最も新自由主義的な政党」に属していただけであり「最も新自由主義的な親分に仕えていた」だけです。
ぶれているのは政党や親分であり、小池さん自身のスタンスは一ミリもぶれていないと断言できます。

日本新党細川護煕)→新進党(小沢一郎)→自由党(小沢一郎)→保守党(扇千景)→自民党小泉純一郎

それぞれ、時代を代表する「新自由主義」政党であり、親分(党首)です。

介護士や保育士の給料は改善せずに、空き家を貸せば良い。」
という趣旨の演説は、正に「新自由主義」そのものです。

そして、安倍総理の経済政策を「東京発」で「右より」に引っ張っていくことは間違いありません。

ちなみに、増田寛也候補を表現するとすれば「田舎ならどこにでもいるような与野党相乗りのフツーの官僚知事」です。

増田候補を挟んで野党連合と対極に小池知事はいる。

しかし、清新イメージを醸しだし、無党派層をつかんだという案配です。


蛇足ながらつけ加えると、小池百合子は政治思想面でも、2000年に現行憲法停止を主張して石原慎太郎と意気投合し*1、2003年には日本の核兵器保有を場合によっては認めても良いと毎日新聞のアンケート(「えらぼーと」の前身と思われる)と答え*2、2003年には月刊誌『Voice』で日本の核武装に関して極右の田久保忠衛及び西岡力との鼎談で「東京に核ミサイルを配備しよう」とブチ上げる*3など、筋金入りの極右である。

つまり、小池百合子とは筋金入りの新自由主義者にして筋金入りの極右政治家にほかならないのであって、左翼、左派、リベラルのいずれかを自認する人間であれば絶対に投票してはならない候補だ。だから、政治勢力のうちどのくらいの人たちが都知事選で小池百合子に投票したかが政治勢力の理非を測る尺度になり得ると私は考えている。

共同通信(他の多くのメディアの協力を得て行ったと思われる)の出口調査によると、共産党支持者の17%、社民党支持者の18%がそれぞれ小池百合子に投票した。これは、39%が小池百合子に投票した民進党支持者や、この記事の末尾に示す東京新聞の記事を参照すると民進党と同じくらいの比率しか鳥越票を確保できなかったという生活の党と山本太郎となかまたち支持者と比較して、共産党社民党の支持者の方に理があることを示している。

前回の都知事選で宇都宮健児に投票した人は、同じ共同通信の調査で29%が小池百合子に投票している。これは、民進党や生活の党よりはマシだが、共産党社民党と比較してはるかに悪いスコアだ。

宇都宮健児支持者の中には、共産党社民党だけではなく、民進党や生活の党の支持者も少なからずいるであろうから、両政治勢力の中間であって当然だと思われるかもしれないが、少なくとも、宇都宮健児支持者の集団は、東京都の全有権者と比較して、政治的識見の高低において特に優れているわけではなく似たり寄ったりであるとは断言できる。少しでも真面目にものを考える(括弧の有無を問わない)左翼、左派、リベラルであるなら、「小池百合子にだけは絶対に投票しない」などというのは最低でも満たさなければならない必要条件であると私は確信するからだ。

今回の都知事選では、これまで共産党を批判したことなど一度も見たことがない人たちが、激烈な言葉で共産党を非難する例をちらほら見かけた。今回の「野党共闘」の候補者選びには大いに問題があったことや、鳥越俊太郎が物足りない(ある人たちにとっては許せない)候補であったことは事実だ。しかし、自陣が「野党共闘」に加わった共産党社民党の支持者の集合と比較して、有意差のある高い比率で小池百合子への流出を招いたことを批判せずして今後の前進はあり得ない。その点で宇都宮健児支持者たちの自己認識は甘過ぎるし、支持者たちも、それに何よりも(以前から組織内においてファッショ的な性格があるとの批判を受けてきた)宇都宮選対もあまりに自分たちに甘過ぎると思うのである。

「きまぐれな日々」に、かつて2005年の郵政総選挙の結果に危機感を抱いてブログを始めたはずなのに、今ではその小泉郵政選挙を再現したとしか言いようがない小池百合子に対して「大甘」としか思われない記事*4を書くようになったブログ『日本がアブナイ!』や、今や政治への影響力をほとんど失った小沢一郎なんかを叩くのは止めて、巨悪を叩けなどと書いてきたコメントがあったが、安倍晋三への悪口などネットでもう10年以上書き続けている(安倍晋三が初めて総理大臣になる直前の10年前に、私は「AbEnd」なる造語を編み出し、「安倍晋三を終わりにする」などというスローガンを掲げていた)。その経験から、「下々」の人間の一人一人がいくら安倍晋三橋下徹石原慎太郎らの悪口を書いたところで、リーダーたちがしっかりしていなければどうしようもないことを痛感している。その観点からいえば、自陣営から29%もの人間が小池百合子に投票したことに何の問題も感じず、自己批判政治勢力内での相互批判もできないような政治勢力には、その体質が改められない限り何も期待できないし、その体質に対して「下々」の人間は強い批判の矢を放たなければならないと私は確信している。もっともしっかりしてもらわなければ困る人たちが全くしっかりしていないから私は激怒しているのだ。民進右派だの連合だの、前回細川護煕に投票した人たちだの、ましてや自公支持者やネトウヨどもなどには期待するところなど何もないから、彼らに対する批判が宇都宮支持者や宇都宮選対の責任者たちへの批判よりもトーンが弱くなるだけの話である。

なお、上記コメントをいただいた方の他ブログにおけるコメントを私が誤読して筋違いな文章を書いたとのご指摘だったので、それに対しては遺憾の意を表明する。

以下は未明にいただいたコメント。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160802/1470097124#c1470174589

id:axfxzo 2016/08/03 06:49

先程、東京新聞を買おうとして、やめてしまった。
くせでチラリと『本音のコラム』を覗いて買うか否かを決めるのだが、流石にこれは…な内容だったので。


文芸評論家斎藤さん。彼女の言葉にこそ『小池に投票するリベラルな女たち』の思いが詰まっていた。
イチイチゴモットモな鳥越批判である。しかし女性問題のくだりで彼女の底の浅さがわかってしまった。
女性の人権問題、所謂セカンドレイプということも含めて、文春などのあの見出しと中身などを比べてみての、これは胡散臭いのでは?政治的な(右翼側の)バッシングでは?と訝しいと思うが故の、それでもやっぱり安倍晋三じゃなかった(笑)、鳥越さんというのが私などの選択肢だった。
斎藤さんのコンパクトな鳥越批判は傾聴に価はする。されど、そこまで叩く彼女にはこうも聞きたくなる。
で、あなたは誰に投票したの?と。


宇都宮さんファンというのは彼の獲得投票実績と支持政党層との兼ね合いから見ても、そんなに多くはあるまい。せいぜい在特会上がりのあやつの投票数に毛が生えたくらいではなかろうか?そんなにあるのかとも疑問だが。
コジタサンは左派のあり得ない投票先のことを『病理』と呼ばれた。
コンビニ戦略などでのいろはであろう『差別化』商法にずば抜けていた
小池百合子を支えたのは女性とテレビなどはレクチャーしていたが、元来は鳥越さんに批判票を投じる女性層が『寝た』というよりか、都政を語っていた(少なくとも鳥越さんよりはと、斎藤さんは指摘したかったのだろうがと、怒りを抑えてこの表現にしておく…)小池百合子に雪崩れたのが実情だろうと、このコラムを読んで直感させられた。
相手候補に同様な疑惑報道があったら黙っているのか?とも彼女は批判する。かなり、頭に来ているのだろう(笑)。それこそ誰かではないが、ファクトに基づいた批判をしなければ激しく(右翼に)反撃されてしまうではないか?
人権などを熱く語る者が、かくも単純に文春に与してバッシングする。
くだらんね。

ああ斎藤美奈子ですね。私も直近の斎藤氏の論考には全く感心しませんでした。一昨年の都知事選では「U(=宇都宮健児氏、引用者註)は下りたらいいのに」*5と思ったという斎藤氏は(都民であるかどうかは存じ上げませんが、もし都民でいらっしゃるなら)前回は細川護煕にでも投票したんでしょうかね。今回は、まあさすがに小池百合子には投票しなかったと思いたいですね。実際にはどういう投票行動をとられたか知りませんが、多分鼻をつまんで鳥越氏にでも投票されたのでしょう。

鳥越俊太郎のスキャンダルに関しては、絶対に許せないと思うことには理を認めますし、また鳥越氏の政策に関する理由で、左翼、左派、リベラルであって鳥越氏には投票しないし、小池や増田にも投票しないという選択もありだと私は思っています(私自身、前回の都知事選でそのような投票行動をとりました)。しかし、左翼、左派、リベラルの増田や小池、特に小池への投票行動は「病理」として分析されるべき対象であると私は考えます。左翼、左派、リベラルの立場の人間が小池に投票することは、自らの思想信条や主義主張をかなぐり捨てることを意味しますからね。

さて最後はこの記事の途中で言及した東京新聞出口調査記事。見覚えのある数字が並んでいるから、共同通信か朝日(最近はいつも東大と提携しているようだ)のどちらか(前者だろうな)に乗っかったものだろう。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016080102000131.html

自民票も小池氏へ 出口調査の集計結果分析
2016年8月1日 朝刊

 元防衛相の小池百合子氏が初当選した東京都知事選で、無党派層や各政党の支持者はどう動いたか。有権者は何に期待して一票を投じたのか。東京新聞が都内の投票所で実施した出口調査の集計結果から分析した。(集計数字は小数点第二位以下を四捨五入)

◆30、40代半数超が小池氏

 「支持政党なし」と答えた無党派層は37・5%と、最も多い自民支持層の38・3%とほぼ同じ割合だった。前回の四割より減ったものの、無党派層の半分以上が小池氏に投票し、一定の影響力をもった。鳥越氏の20・1%と増田氏の18・8%を足しても小池氏には及ばなかった。

 年代別にみると二十〜五十代ではいずれも無党派が四割を超え、最も多い四十代では五割だった。高齢者では六十代が33・5%、七十歳以上は19・4%だった。投票の際に重視した基準では「お金に対するクリーンさ」を選んだ人の四割強が無党派層だった。当選後に最優先での取り組みを希望する政策は「景気・雇用」が最多だった。

 一方、政党支持層を合わせた年代別では、小池氏が三、四十代の半数以上の支持を得た。鳥越氏は十〜四十代で一割強の票しか得られなかった。

◆増田氏4割しか自民固められず

 支持政党別の投票先をみると、小池氏は政党の推薦・支持がなかったにもかかわらず、自民やおおさか維新支持層の五〜六割を固め、民進支持層も四割弱取り込んだ。共産支持層からも二割弱得票した。自民推薦の増田寛也氏以上に自民票を得たことが、無党派票と合わせ、他候補を突き放す要因となった。

 増田氏は公明票を七割固めたものの、自民支持層から四割しか票を得られず、他党支持層へも支持が広がらなかった。

 鳥越俊太郎氏は推薦を得た四党のうち、共産支持層こそ七割弱を固めたが、社民はほぼ六割、民進、生活の支持層はいずれも五割程度しか固め切れなかった。

 野党勢力の分散を避けるため、告示直前に立候補を断念した宇都宮健児氏に前回投票した人は鳥越氏に半数しか投票せず、三割弱が小池氏に流れた。増田氏に投票した人は一割程度だった。

◆「貧困対策」鳥越氏へ4割

 当選後に最優先で取り組んでほしい政策を八項目挙げて聞くと「景気・雇用」を選んだ人が最多で、「医療・介護」「教育・子育て」「行財政改革」の順。各項目を重視する人ごとの投票先をみると、七項目で小池氏がトップだった。

 唯一、「貧困対策」を重視した人々は、四割以上が鳥越氏へ投票し、小池氏には三割弱だった。増田氏には「東京五輪パラリンピックの準備」を重視した人の三割強が投票した。

 投票の際に最も重視した事柄を尋ねると、「政策」「人柄」「政治経験」が多かった。都知事が二代続いて失脚した要因である「お金に対するクリーンさ」を重視した人も一割弱いて、その45・5%が小池氏に投票し、鳥越氏へ32・4%、増田氏には16・7%にとどまった。増田氏には「行政経験」、鳥越氏には「支援する政党や団体」を重視して投票した人が多かった。

 ▽出口調査の方法=都内60カ所の投票所で、投票した有権者に質問用紙を渡し、示した回答から選択肢で答えてもらった。10代〜70歳以上の男女計2623人から回答を得た。

東京新聞より)


[追記]

今し方、「きまぐれな日々」にいただいたid:suterakusoさんのコメントに気づいて承認したので、これを紹介します。

http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1448.html#comment19788

上のバードストライクさんのコメントを見て、kojitakenさんの当該記事を見て、さらにバードストライクさんがリンクをはったコメントだけ(他のバードストライクさんのコメントは見ていません)見て、論点はなんなのかな?って思いました。

まず、kojitakenさんは、今回の選挙での宇都宮選対に対する批判は、「フライング」に対しては少ししているけど、あとはしていないと思います。宇都宮選対批判は前回の選挙でのことですよ。澤藤氏のブログから漏れた情報などを通して。宇都宮選対のせいで鳥越が負けたなんてことは言っていません。

それから、kojitakenさんは、バードストライクさんが「共産党の支持者」を「上意下達」であると言うところに、バードストライクさんの侮蔑の情を読んでいるとはいえ、その真偽を争ってはいませんよね。そして、そうした支持者の一部こそが小池になびくのだから、情を重んじるべきだというバードストライクさんの主張に対する批判が主眼ですよね。

まあ、選挙で情を重視するバードストライクさんが勝つのか、理というか原理原則というかを重視するkojitakenさんが勝つのか、あるいは、選挙ではなく、もっと射程の長い闘いにおいてどちらが勝つのか、というのは、この選挙においては、ある意味、バードストライクさんの勝ちといえるでしょう。ただ、そんなことでは…というのがkojitakenさんの主眼だと思いますがね。結局、小池が勝つのでしょう? それは、バードストライクさんの闘いにおいても勝ちではないでしょう? だから、選挙の構図を変えることも考えなくては…ということなのでしょう。

小池に投票した共産党支持者の内実はなかなか分からないので、「上意下達」の共産党支持者が小池になびいたかどうかということは、なかなか判断しにくいですね。

あと、菊池桃子湯浅誠の件は、べつに危惧であって、予言じゃないと思いますよ。

2016.08.03 08:32 suterakuso

「宇都宮選対批判は前回の選挙でのこと」というのはその通りです。今回は、選挙が終わるまでは宇都宮選対に言及することは、選挙への悪影響を考慮して極力控えていました。鳥越俊太郎氏に対して私がずっと抱いていた危惧(それゆえ、今回の選挙で鳥越氏を強く推すことは私にはできませんでした。消去法で鳥越氏に投票はしましたが)についても、選挙が終わるまで、例外の記事はありますがほとんど書かなかったのも、同じ理由に拠ります。選挙が終わったので、今ではこの記事に書いたように「自陣営から29%もの人間が小池に投票したのに自己批判も勢力内相互批判もしようとしない」宇都宮選対と宇都宮支持者を叩いていますし、鳥越氏の難点(スキャンダルは私は問題にしませんが)についても書いています。言わずもがなですけどね。

ま、そんなところです。もっとも他のコメンテーターは、バードストライク氏に加勢して、私(古寺多見=kojitaken)が敵味方思考をしているとか何とか書いてましたけど、人の書くことをいちいち気にして相手にしてたらブログなんか運営できませんから、そんなコメントは承認してブログに掲載はしますが右から左に読み流しておしまいです。悪いけど。