昔は、国政選挙の開票が終わって当選した無所属議員を自民党が追加公認することがよくあったが、今回の参議院選神奈川選挙区でもそれがあった。
しかし、3年前の参院選で当選した非改選の無所属議員を、3年後の参院選後に追加公認するなんて話は初めて聞いた。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016071390135459.html
改憲4党で参院2/3に 平野氏が自民入党届
2016年7月13日 13時54分
元復興相で無所属の平野達男参院議員(岩手選挙区)が自民党に入党届を提出していたことが分かった。入党が決まれば、参院(定数二四二)の新勢力で自民、公明の与党とおおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の「改憲四党」が百六十二議席となり、改憲発議に必要な三分の二に達する。さらに自民の参院議席は百二十二となり、二十七年ぶりに単独過半数を回復する。平野氏は十二日、自民党の谷垣禎一幹事長と党本部で会談。谷垣氏の入党要請に応じた。
参院の新勢力は十日投開票の参院選の結果、安倍政権下での改憲を否定しない四党に無所属・諸派を加えた「改憲勢力」で三分の二を突破。平野氏は自身の立場について「どういう改憲をするのか具体的に議論されていないので、答えられない」と回答し、改憲勢力ではないとの考えを示していたが、参院選では岩手選挙区の自民党候補を支援していた。
衆院は与党だけで三分の二を占めている。参院も、無所属議員らの協力が得られなくても改憲四党だけで発議要件を満たすことになるため、改憲論議が加速する可能性がある。
自民党の単独過半数は、一九八九年の消費税導入直後に行われた宇野政権下での参院選で、当時の社会党に改選第一党を奪われる大敗を喫して以来。今回の参院選では五十五議席を獲得。推薦していた無所属の中西健治氏(神奈川選挙区)を追加公認し、新勢力では五十六議席になっていた。平野氏入党で非改選の六十五議席と合わせ、合計は百二十二議席になる。
平野氏は農水官僚出身。二〇〇一年参院選で旧自由党から出馬して初当選し、三期目。参院では、今回落選した新党改革の荒井広幸代表と会派を結成していた。
(東京新聞)
実は今回の選挙では、自民党の単独過半数にも、「改憲4党」の参議院議席の3分の2超確保にも、それぞれ1議席及ばない結果なのだった。
私は寝てしまったのでリアルタイムには接していないが、参院選の比例代表の開票で最後から2番目の議席は民進党に、そして最後の最後の議席は生活の党と何とやらに決まったので、自民党はマジック「1」から2連敗するという昔(1973年)の阪神タイガースのような結果に終わっていたのだった*1。
それで、何が何でも「自民党単独過半数、改憲4党で3分の2超」の結果を演出するために、3年前に選挙協力しながら放置していた元小沢系の平野達男を入党させたというわけだ。平野達男は復党かと思ったが、調べてみると議員生活の最初は自由党だったため、自民党に属するのは初めてらしい。
結局、「元」がつくとはいえ「小沢一派」にやられたというわけだ。もっとも参院選比例代表最後の1議席も青木愛だったのだけれど。