kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小池百合子も蓮舫も「看板倒れ」

一昨日の東京10区補選の投票率は34.85%しかなかった。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161023/k10010741371000.html

東京10区補選 投票率は34.85%
10月23日 22時07分

東京都選挙管理委員会によりますと、衆議院東京10区の補欠選挙投票率は34.85%で、これまでで最も低かったおととしの前回の選挙に比べ18.71ポイント低くなっています。

NHKニュースより)

今回の補選について、「民進党候補が善戦した」と論評したブログがあったが、その認識は正しくないと思う。民進党はいつものように不人気だったが、小池百合子の人気もテレビが騒いでいるほどのものでもないとみるべきだろう。今回の選挙に限らず、補選の投票率は本選挙より低いのは通例ではあるが、一昨年の衆院選の3分の2にも満たない低投票率というのは、やはり異常だろう。有権者の多くは、小池百合子の手下にも、「野党共闘」の候補にも魅力を感じなかったということだ。

小池も大したことはないが、このところ、自公へのすり寄りを急速に進めている連合に野田佳彦が「謝罪」するなどの醜態を演じている民進党の惨状は目を覆うばかりだ。

そもそも野田佳彦(「野ダメ」)を幹事長に任命した時点で、蓮舫の「経済音痴」は確定したと見るべきであって、蓮舫と野ダメの経済政策が続く限りは民進党に未来はないと私は思っている。その蓮舫が弥縫策として、野ダメよりはマシな経済政策を持つ前原誠司(但し、井手英策をブレーンとして迎えて「共助」重視を打ち出した程度のものであるとおもわれる)を「社会保障などの新しい調査会」の「会長に起用する考えを表明」したらしい。昨日(24日)の朝日新聞3面に報じられていた(前記鉤括弧内は朝日新聞記事からの引用)。以下、朝日の記事からさらに引用する。

蓮舫は=引用者註)「前原さんが代表選でおっしゃった政策の理論を構築する」と語った。前原グループの一人は「選挙の顔のはずだったのに、衆院選がすぐにあったら蓮舫体制では勝てない」と指摘。蓮舫執行部は批判勢力の取り込みに必死だ。

(2016年10月24日付朝日新聞3面掲載、関根慎一・牛尾梓記者署名記事より)

蓮舫は、参院選の東京選挙区で見せる東京での高い人気を過信して、「経済なんか何も知らなくても私の知名度で国政選挙にも勝てる」とでも思い上がっていたのであろう。それで思うような結果が出そうにもないと見ると、代表選から日が経ってから前原一派の取り込みを図ったりする。なお、前原といえば、補選を「民進党の善戦」と評価した前記のブロガーらからみれば「問題外のタカ派」ということになるのだろうが、こと経済政策にかけては、「共助」重視の前原でも私には全く物足りないが、野ダメに至っては「経済極右の論外中の論外」ともいえる政治家である。そんな野ダメを幹事長に任命した時点で、政治思想的にも「保守」である蓮舫は「経済極右」路線を選択したわけで、こりゃ全く期待できないなあと思った次第。

では、野党はどんな経済政策をとるべきか。この点に関して、さとうしゅういち氏が記事を書いていたので以下に引用する。

野党・リベラルは「正しい経済の伸びしろ」主張を : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)

野党・リベラルは「正しい経済の伸びしろ」主張を

今の日本は、他の先進国と比べても、短期的には「経済の伸びしろ」はあります。
裏を返せば、この20年間、GDPが横ばいだったのは先進国でも日本だけです。

もちろん、

  1. サービス経済化が進んだこと
  2. 人口減少(労働力人口の頭打ち)

はGDP全体が伸びるという観点からは不利です。
しかし、そんなことは、他の先進国でも大なり小なり起きていることです。

日本の場合は、

  1. 再分配が適切に行われていないために、庶民の購買力も低下し、GDPも必要以上に低下している。(OECDも再分配と成長は両立するとしている)
  2. サービス分野では消費者が「高品質低価格」を過剰に求めすぎて、デフレを起こしている。
  3. エネルギー革命、すなわち分散型・再生可能エネルギーへの転換に乗り遅れた。

などの問題を抱えています。

また、安倍政権の経済政策については

  1. 財政出動については悪くはないが
  2. 総理による外国へのバラマキを通じた武器や原発の輸出が大きな柱の一つになっている。
  3. 五輪関連を中心に新規ハコモノ中心になっている。これが、熊本や東日本大震災、北海道大水害の復興や老朽インフラの工事に回るべき建設・土木資源を浪費している。
  4. 介護保険の改悪、GPIFの株式投資損の総括を曖昧にしたままの年金カットなど社会保障について無責任。

などの問題が挙げられます。

日本の現状を踏まえたうえで安倍政権の経済政策のうち問題点について是正していくのが野党・リベラルのすべきことです。

野党側の安易な「脱経済成長」論は、社会保障の安易なカットなどを主張する「総理よりも右」の新自由主義者(たとえば植松聖被疑者)に悪用されかねない。
そして、野党が総理に勝てず、その結果、総理による憲法蹂躙や原発推進を後押しする遠因になりかねない。
こうした懸念を抱くものであります。

(広島瀬戸内新聞ニュース 2016年10月23日)

「短期的には『経済の伸びしろ』はあります」、つまり、短期的には高成長が可能だし、賃金に傾斜した分配や、再分配を強化することによって、需要を喚起する短期的な高成長に導くことができるというところがポイントだろう。安倍政権は財政支出を拡大しようとしているまでは良いが、企業に設備投資拡大をさせようとする一方で企業に賃金引き上げを求めるなど、ブレーキとアクセルを同時に踏むようなことをやっている。企業が使える金のうち、設備投資に回す分を増やすと労働者の賃金がその分減るのは当たり前だ。また政府は社会保障に傾斜した政府支出を行うべきなのに、安倍政権は社会保障を削減しようとしている。だから安倍政権の経済政策はうまくいかないと私はみている。

しかしそれでも、財政支出を拡大しようとしているだけ安倍政権はまだ蓮舫・野ダメの民進党に比べるとマシだとしかいいようがない。そして前原誠司は最悪の野ダメより辛うじてマシというレベルだろう。

その前原誠司の経済政策を今頃取り上げようとしている蓮舫は、周回遅れもいいところであり、これでは先が思いやられるとしか言いようがない。

なお、世のリベラル諸賢(あえて括弧抜き)も、内田樹に代表される「低成長大好き」な金持ち「リベラル」(内田は神戸のJR住吉駅近くに豪邸を構えていると聞く)の言うことに耳を傾けるのをいい加減に止めた方が良いと思う。内田樹にはかつてほどの人気はないと私は思っているけれども。