kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「野党共闘」を継続させたいなら、民進党代表選は枝野幸男に勝ってもらうしかない

民進党はどういうわけか代表選に異様に長い時間をかけるようで、当初私はそれを批判していたが、長い選挙期間のおかげでもしかしたら前原誠司絶対有利の情勢がひっくり返る可能性もないとはいえないのではないか、そう思うようになってきた。

民進党新代表は枝野さんで良いと思うが、こんなことなら岡田続投で良かった気がする : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2017年8月19日)

民進党代表選挙は9月1日。
野党共闘継続なら枝野さんでしょう。
前原さんは、テレビでも共産党との選挙協力を見直すと発言された。
前原代表なら、民進党解党で小池ファーストに個々の議員がなしくずし合流になりかねないです。
小池ファーストでも自分さえ生き残れればいいか、という甘い考えで、前原支持という議員も多いのではないか。
枝野代表なら、民進党は分裂する可能性が強い。
それでも分裂のほうが解党よりは、ましだと思う。


小池ファーストも大都会以外で票を取る展望はない。民進党議員も慌てて小池ファーストに行く必要があるのか?


自民党=旧来土豪+旧型大手企業、小池=大都会インテリ+連合+公明党+一部極右、野党連合=庶民の三國志に持ち込み、権力の暴走を防ぎ、庶民福祉充実の路線をしっかり打ち出すしか、民進党に道はないでしょう。
しかし、かえすがえすも「こんなことなら、ずっと岡田克也代表で良かったんじゃあ(苦笑)」という思いはぬぐえません。

(『広島瀬戸内新聞ニュース』より)

この記事には本当に同感だ。

私は昨年の参院選の前まで。「野党共闘」なんて民進党共産党のそれぞれの得票の合計を下回る票しか取れっこないよ、という冷笑的な態度を取っていたが、その認識が誤りだったことを参院選の激戦1人区12選挙区で「野党共闘」が11勝1敗という、今夜マツダスタジアムセ・リーグ最下位のヤクルトに完封負けした首位・広島カープにも及びもつかない高勝率で思い知らされた。岡田克也に対する私の評価もにわかに急上昇したのだが、しかしその岡田は、右派ポピュリストの政治家を天敵としていた。2005年の小泉純一郎に続いて、2016年には小池百合子がその「天敵」だった。

せっかく見直した岡田克也だが、都知事選での鳥越俊太郎惨敗を見越して、結果が出る前に秋の代表選不出馬を表明してしまったのは致し方ないと思った。私が岡田克也の立場であっても同じ行動をとったのではないかとあの時思ったので、岡田批判の声に同調する気にはならなかった。

結局岡田が出馬しなかった民進党代表選での3人の右派候補(蓮舫前原誠司玉木雄一郎)は、誰が代表になっても岡田の足許にも及ばないことは目に見えていたが、その中でも私の評価が最も低かったのは蓮舫だった。こりゃ民進党は悪くなるぞと思ったらその通りになった。その蓮舫は、「案の定」としか思えなかった大失策を犯してしまった。それこそ今日の大阪党員、もとい大阪桐蔭一塁手が9回ツーアウトで犯したエラー顔負けの致命的な大失策だ。

蓮舫時代の民進党、痛恨の敗着は「小池抱き付き」 : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2017年8月19日)

蓮舫の痛恨の敗着は、「小池百合子に抱き付こうとして振り払われたこと」だろう。


結局、小池に無防備になったところを突かれ、都議を引き抜かれ、醜態をさらし、長島や細野、木内ら国会議員も引き抜かれている。


都会のお金持ちインテリは、小池ファーストに流れる一方、わずかに民進党に期待していたリベラルは、呆れてしまう。都議選ではトリアージ的に共産党に流れた反自民、非小池層も多かった。
但し、小池ファーストも首都圏(恐らく東京と神奈川)以外では当選ラインの票を取る展望はない。維新もいまは安倍自民党寄りで小池に批判的だ。小池の大阪進出も難しいだろう。兵庫なら、勝負になるかもしれないが、昔のような地盤は残ってないだろう。
民進党が踏ん張れば
自民党=安倍晋三土豪+旧型大手企業
小池ファースト=大都会インテリお金持ち(新型企業)+連合右派+公明党+一部極右
野党市民連合=庶民福祉充実、立憲主義
三國志に持ちこめる。
それも、魏呉漢のような不均衡ではなく、それなりに均衡し、政権奪取も視野に入る状態には持っていける。
恐らく前原代表なら、民進党野党共闘を見なおし、なしくずし解党で小池ファースト合流もあり得る。


枝野代表で、野党共闘継続なら、逃げ出す議員もいるが、傷は前原代表よりは、浅い。


本当を言えば蓮舫都知事に出た方が総理に近づいたがいまさらそれを言っても仕方はない。傷は浅く。枝野がよりましだ

(『広島瀬戸内新聞ニュース』より)

蓮舫小池百合子抱きつき発言は、本当に最低の悪手だった。2011年に自らのチームを追い落とそうとして自軍の読売戦敗戦に手を叩いて喜んだ中日球団のフロント並みの大失策だ。あいつのせいで発奮した中日の選手たちにヤクルトの10年ぶりの優勝が阻止されてしまった。あの当時そういう結末になることを予感して記事を書いたら本当にその通りになったことは忘れられない。

蓮舫の小池抱きつき発言も同様で、これが民進党に取り返しのつかない大打撃を与えることを私は蓮舫発言の当初から指摘していたし、実際その通りになった。もっとも2011年のヤクルトのV逸の時とは違って、同様の予想をする人は蓮舫発言当時から少なくなかった。なにしろ、蓮舫は自らの手で民進党の国会議員たちに自党からの逃げ道を作ってしまったも同然なのだから。

蓮舫は、参院選東京選挙区でいつも圧勝する自分の人気を過信していたんだろうと思う。

昨年の参院選で私は、当選の可能性が取り沙汰されていた田中康夫を追い落とすために、田中と競り合うとみられた民進党小川敏夫に「鼻をつまんで」投票したが、結局望み通りの結果になったとはいえ、民進党候補への得票があまりに蓮舫にばかり集中していたことに辟易し、開票速報を見ながら蓮舫に投票した人たちを呪詛する言葉を発していたものだ。

しかし、それは東京における蓮舫の個人人気に過ぎず、民進党という政党に向けられた有権者の不信感は、蓮舫が代表になったくらいで払拭できるはずもないことはわかり切っていた。ただ、蓮舫本人はそんなことは夢にも思わなかったのだろう。人間誰しも同じかもしれないが、特に総理大臣を目指そうとするような人間には、なんでそこまで自信を持つのか不思議なくらいの自惚れ屋が多い。最近では、自身への過信によって「人柄が信用できない」と思う人が増えたことに気づきもせずに墓穴を掘りつつある安倍晋三もその例に数え入れられるだろう。

上り坂の小池百合子にとって、有権者の不信感が定着した民進党のラブコールに応えることが自殺行為であることは、多少なりとも想像力のある人間なら誰にでもわかることだと思ったが、蓮舫にはそれが理解できなかったようだ。

いや、何も党代表の蓮舫ばかりではない。

蓮舫のあの「小池百合子抱きつき発言」を受けて、「小池都知事公明党民進党の連携にちょっとワクワクする」と書いた都会保守にして民進党びいきのブロガーがいるが、彼女も自らがひいきする民進党有権者にひどい不信感を抱かれている冷厳な事実に思いを致すことができなかったようだ。彼女に限らず、党のシンパが代表を諫められなかったことが事態を深刻化させた。

現在では、さすがに当のブロガー氏は小池百合子を応援する記事を書かなくなったが(但し小池を応援した自身の誤りを総括する気配は全くないが)、民進党、特に同党右派の国会議員たちは相も変わらぬお花畑らしく、前原誠司を代表に選べば民進党が丸ごと「小池ファ★スト」と「共闘」できると思っているかのようだ。

そんなことがあり得ないことは、小池ファ★ストの側に立って想像してみればすぐにわかることだ。まだ数人しかいない小池ファ★スト立ち上げ予定議員からすると、小が大を呑み込まなければならないのだ。あとから来る連中にでかい顔をされるわけには絶対にいかないから、民進党を離党した人間でなければ小池ファ★スト入りを認めないに決まっている。しかし、うぬぼれの強い民進党右派議員にはそのことが理解できていないようだ。

ところで、ここまで前原誠司が「野党共闘」の白紙撤回を強く示唆している以上、「野党共闘」のイデオローグたちは、これまで前原誠司に甘い顔をしてきた対応を一転させ、枝野幸男を支援する姿勢を明確にしなければならないはずだ。

私が特に重要だと思うのは、小沢一郎の影響力を受けていると見られる松野頼久グループに、従来同グループは「野党共闘」に前向きだったはずなのに「野党共闘」白紙撤回を唱える前原誠司を推すとはなにごとか、と強い圧力をかけることだ。もちろんこれは間接的に小沢一郎に圧力をかけることでもある。

おそらく、民主党時代から前原誠司とは近づいたり遠ざかったりしてきた一方、枝野幸男とは一貫して対立関係にあった小沢一郎の「敵味方理論」によって、また昨年来の前原誠司小沢一郎の接近もあって、小沢が今回の民進党代表選で前原を応援し、それを松野グループにも強いているのだろうと私は想像するが*1、松野グループが前原誠司を選択することが「野党共闘」にダメージを与えることを強くアピールして、彼らを前原誠司支援から引きはがすことが必要だと強く思う。

彼らを寝返らせることができれば、前原絶対有利と見られる現在の情勢をひっくり返せる目が出てくるのではないか。

最後の最後まで諦めてはならない。民進党代表に枝野幸男を当選させることが「野党共闘」継続のためには必要不可欠だと強く思う今日この頃なのである。

*1:今回の例に限らず、小沢の行動と理念はいつも矛盾している。たとえば2010年6月の民主党代表選で、小沢は「社民党にも支持される人を」と言いながらゴリゴリの新自由主義者である樽床伸二を担ぎ、2011年9月の代表選では「脱原発」をほのめかしながらゴリゴリの原発推進論者である海江田万里を推した。