kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

蓮舫さんはもしかすると国政だけでなく、立憲民主党に戻る気持ちもないのかもしれないなあ。そのくらい重い選択をした可能性がある中で、連合の芳野会長への発言が立憲民主党にとって有利か不利かを語ることに違和感を感じる。(政治おじいちゃんお化け氏のXより)

 国会議員を辞職し、立憲民主党(立民)からも離れた蓮舫氏が、連合会長の芳野友子を批判するXをポストした。

 

 

 これは、下記りっけんカジュアル党員/サポーターさんのXも指摘する通り、立民党員であれば立場上発することができない連合批判のポストだ。

 

 

 また政治おじいちゃんお化けさんのXから。

 

 

 蓮舫氏はもう在野の人なのだから(だから弊ブログでの呼称も今回から「氏」をつけることにした。但し国会議員在職時代の氏の言動を論じる際には従来通り呼び捨てとする)、「連合の芳野会長への発言が立憲民主党にとって有利か不利かを語ることに違和感を感じる」というのはよくわかる。

 ただ、蓮舫氏の立ち位置は国会議員在職中に属していた野田佳彦Gの、右からリベラル寄りまでかなり広い範囲に属する中でも真ん中よりやや右寄りであることは今も変わっていないと思うので、今後どこかの政党に属するなら、現在の枠組みが続く限りは立民しかないだろう。もっとも今秋の代表選で泉健太が再選され、東京都連が泉Gの影響下に置かれることになれば、蓮舫氏が立民に復党する可能性が遠のく、というよりほとんどなくなることは間違いない。蓮舫氏と泉健太との溝はそれほどまでにも深く、二人の関係の修復はほぼ不可能だと思われる。

 私は上記の認識を持っているとおことわりした上で書くが、それでも東京の立民や連合が現在のようになった経緯に、国会議員時代、ことに民進党代表時代の蓮舫の責任は決して小さくなかった。

 繰り返し書くが、民進党が2016年参院選で辛うじて踏ん張ったのは、当時代表だった岡田克也が、自らの思想信条や主義主張に反して共産党を含む「野党共闘」路線をとったからだ。あれで東北地方の一人区のかなりを獲ったことで、民進党は惨敗を免れた。そんな参院選の東京選挙区で大量得票し、最下位当選の小川敏夫の当選を危うくしたのが蓮舫で、当時の弊ブログはそんな蓮舫蓮舫に投票した人たちを呪っていたことはつい最近書いた。なお小川敏夫が落ちた場合に当選していたと思われるのは田中康夫三宅洋平のどちらか、おそらくはこの選挙に維新公認で立候補していた田中康夫だった。当時から私は維新を自民党以上に許せない政党だとして激しく嫌っていたから、小川敏夫の当選の最大の脅威となっていた蓮舫が疎ましくて仕方なかったわけだ。

 結局岡田克也参院選では一息ついたものの、その直後に行われた東京都知事選で共産党などとともに鳥越俊太郎を支援した責任を、長島昭久だの前原誠司だの細野豪志だのといった党内右派から追及されそうになっていたので、先手を打って党代表の座を投げ出すことを発表した。それを受けて行われた代表選は、蓮舫前原誠司玉木雄一郎というすべて右派の3人によって争われたが、3人の中では一番中道寄りだった蓮舫が、党内リベラル派や岡田克也の支持を受けて大勝した。それにもかかわらず蓮舫は、都知事に就任した小池百合子にすり寄る路線をとったのだった。

 たとえば小池の政治塾に民進党員が参加することばかりか、2013年の都知事選に民主党から立候補して落選した候補者が民進党を離党して都ファ公認あるいは推薦で立候補することまで容認した。

 しかし、蓮舫小池百合子に向けて発したラブコールは小池に足蹴にされた。この経緯は、2022年末から2023年初めにかけて泉健太が維新にすり寄ったものの足蹴にされた経緯と似ている。結局民進党右派は獲得わずか5議席にとどまった蓮舫執行部の責任を追求し、蓮舫民進党幹事長だった野田佳彦は退任に追い込まれた。そして、あの運命の2017年民進党代表選が行われたわけだ。以下Wikipediaより。

 

2017年9月民進党代表選挙(2017ねん9がつみんしんとうだいひょうせんきょ)は、2017年7月27日に辞任を表明した蓮舫代表の後任を選出するため、2017年9月1日に臨時党大会において実施された民進党党代表選挙である。前原誠司が選出された。

概要[編集]

2017年7月2日実施の東京都議会議員選挙において、民進党は立候補予定者が相次いで離党する「離党ドミノ」が続いた末[1]、現有の7議席を割り込んで5議席にとどまり[2]旧民主党時代を含めて過去最低の獲得議席となる惨敗を喫した[3]蓮舫7月4日の常任幹事会で続投を表明したが、執行部代表自身の責任論が噴出したため[4]7月18日の記者会見で自身の二重国籍問題について釈明し[5]7月25日の両院議員懇談会で野田佳彦幹事長の交代と自身の衆院鞍替えを表明したものの[6]、求心力の回復にはつながらず、7月27日に辞任を表明し[7][8]、これに伴い代表選が行われることとなった。任期は、2019年9月末まで。

8月2日両院議員総会で代表選を8月21日告示、9月1日投開票の日程で行うことが決定された[9]投票権は党所属国会議員[注 1]のみならず、国政選挙の公認候補予定者・党籍を有する地方自治体議員・党員およびサポーターにも認められる[注 2]民進党結党以降、代表の任期途中の辞任に伴う代表選が行われるのはこれが初めてであり[12]、党規約上は投票権を国会議員のみに認める方式を選択する余地もあったが[12][13][14]、7月28日の臨時執行役員会で党員・サポーターの参加を求める意見が大勢を占めたため[15][16][14]、代表の任期満了に伴う代表選に準ずる「党員参加型」を採用することとなった[15][17][13][14]

争点としては、日本共産党自由党社会民主党との野党4党共闘のあり方(特に共産党との連携の是非)[18][19][9]憲法改正論議への対応[18][19][9]消費増税を含む経済・社会保障政策[20][21][22]原発ゼロ目標の年限前倒し[23][24]連合との関係修復[25][26]小池新党との関係[27]などが挙げられる。小池新党および共産党との関係に関する論争は後の希望の党立憲民主党への分裂への引き金にもなった。

 

URL: 2017年9月民進党代表選挙 - Wikipedia

 

 特に引用部分の終わりの方は、現在の立民リベラル派(サンクチュアリなど。ある時期から枝野幸男も関与するようになった)、中間派(主に野田G)、右派(泉Gを中心とする)との対立構造に引き継がれている。これは三派鼎立というよりは「リベラル+中間派」対「右派」の二派の対立構造に近い。

 なお2017年当時に「代表選は前原が勝っても枝野が勝っても同じ」と主張し、代表選後に前原が勝った途端に「希望の党」騒動を引き起こしたために自らの誤りを認めざるを得なくなったのがこたつぬこ(木下ちがや)氏である。弊ブログは当時から、前原と枝野の代表選であれば枝野を選ぶしかない」と主張していた。

 2017年代表選で当選したあと、リベラル派や岡田克也らの支援を受けながら小池百合子との連携に走ったのが蓮舫だった。

 これは、あるいは仕方ない側面もあったかもしれない。それは、2016年参院選東京都選挙区では私と同様に、蓮舫ではなく小川敏夫に投票したばかりか、2009年衆院選小池百合子幸福実現党と「自幸共闘」をやらかした時や、さらに遡って2007年に小池が防衛大臣になって「マダム寿司」などとイキっていた頃には辛辣に小池を批判していた、ブログ『日本がアブナイ!』の運営者・mew氏までもが「小池と民進党の連携にちょっとワクワクしている」などと書いたこと、またリベラル・左派系の著名人の中にも、当時小池の側近だった音喜多駿と対談して意気投合した斎藤美奈子のような人がいた。リベラル派の国会議員でも、辻元清美は小池本人と意気投合していた。ネットのリベラル派はそれをしきりに持ち上げているからどんな中身かと思って読んでみたらろくでもなかったので、弊ブログの下記記事で批判した。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 2017年4月2日に公開した上記記事が予測した通り、民進党は崩壊した。今でも「言わんこっちゃない」としか私には思えないのだが、小池百合子にはそのような妙な吸引力があるのかもしれない。

 自ブログ内検索をかけながら私が改めて共感したのは、2021年に政治おじいちゃんお化け氏が発した下記ツイート(当時)だった。

 

 

 上記のツイート(現Xのポスト)は、下記リンクの記事でも取り上げた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 読み返したら、私は上記記事でも蓮舫辻元清美を批判していた。特に蓮舫は、「希望の党」騒動時代には参院議員だったから踏み絵を踏まずに済んだ。仮にあの当時蓮舫衆院議員だったとしたら、自らにすり寄ってくれて2017年都議選でも都ファを勝たせてくれた蓮舫を「排除」したとは絶対に考えられない。その意味からも、今回の都知事選を「旧立憲の終焉」と評した平河エリは、全くの考え違いをしている。

 しかしそんな平河エリでさえ、ある程度うなずける下記Xを発している。

 

 

 これは本当にその通りで、仮に東京都連を牛耳っていたのが泉Gの人間だったら、党として小池百合子に刃向かう、今回の蓮舫氏のような候補は出せなかった。これは絶対に間違いない。

 たとえば、明らかに立民右派支持層に属する「改革市民」なるアカ(少し前には「市民派」、のち「改革派」と名乗っていた)は、しばらくXのポストを停止していたが、都知事選が小池のゼロ打ちになった直後に下記のXをポストした。なお、この人は「右派で社会民主主義者の立憲民主党協力党員」を自称しているが、右派と社会民主主義者とは両立しない。単なる右派人士とみるべきだ。但し玉木雄一郎榛葉賀津也のような極右は強く批判しているから、立民右派の中では左寄りという立場だろう。年齢は20代、性別は男性、居住は大阪府のようだ。このような属性の人にはきわめて珍しく、泉健太を熱心に支持している。また、過去にはネトウヨだった時期もあるらしい。

 

 

 

 その少しあとには下記のXも。

 

 

 なんで蓮舫参院議員在職中のことなので呼び捨て)が「旧立憲の象徴」に見えるのだろうか。私には理解不能だ。蓮舫は、仮に衆院議員だったら絶対に「希望の党」入りしたに違いない人だとしか私には思えないのだが。

 そしてそんな蓮舫が、ようやく自らが考えを改めたことを示して旗幟を鮮明にしたのが今回の都知事選だったと思う。私はそれを大いに評価したが、反面都知事選の壁の高さと、酒井菜摘が勝てたんだから蓮舫だって勝てるかもしれないと皮算用を弾いたであろう野田Gの計算に懸念も持った。選挙戦中はブログにかけられる時間がほとんどなかったせいもあるが、書きたい文章がなかなか思い浮かばなかったこともあって、前記「改革市民」氏とは異なった見地からではあるが、ブログの更新頻度が減った。

 

 「改革市民」氏は下記のXもポストしている。

 

 

 今の日本社会は、長年の自民党政権下で看護師、助産師といった職種が薄給で抑圧され、癌という大病を患っても公的サポートがろくに受けられず、それで酒井菜摘氏は癌に罹患する以前に竹中平蔵に共感したことなどの考え方を改めて立民から江東区議に立候補するようになったと思われる。そして衆院15区補選の出口調査によると、酒井氏は特に中間層からの支持が高かったという。スローガンとして掲げた「頑張るあなたを独りにしない」というフレーズが共感されたという指摘もあった。でも、本記事のように立民右派支持層を批判することが主な目的の記事中だからさりげなく書いておくと、このキャッチフレーズに対して私は若干の不満を持っている。というのは、このフレーズだと「頑張れない」人たちが置き去りにされてしまうからだ。この点は酒井衆院議員の今後の課題の一つだと考えて、彼女の支持者の一人として大いに注視している。

 蓮舫氏に話を戻すと、氏は今回の都知事選で参院議員時代のツケを一気に払わされたとみている。

 でも氏の政治生命をこれで終わらせる必要はない。まず選挙結果についていえば、2020年の都知事選で山本太郎は危うく供託金没収になろうかという65万票台の得票しか得られなかったのに、今も日本の政治状況や世論にかなりの影響力を持っている。

 20年の山本太郎の倍近い、蓮舫氏の128万票の得票は長く民主・民進系の国会議員だった上に、共産党からの支援も受けたからだとの反論もあろうが、少なくとも都知事選では蓮舫氏は無所属だったし、現在はどの政党にも属していない。

 蓮舫氏の「政治家としての再チャレンジ」のチャンスは普通にあるとみるのが、常識人の考え方だろう。