kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

トランプをめぐるさまざまな意見

トランプをめぐるさまざまな意見を、きまぐれな日々 「現実主義」など何も打ち出さなかった新大統領・トランプ(2017年1月23日)にいただいたコメントと、このところ頻繁に引用する『広島瀬戸内新聞ニュース』の昨日付記事から引用しておく。前者に関しては、ブログ記事に対する異論のコメント、及び末尾に引っかかるところのあるコメント及びそれに対する反応のコメントをピックアップした。

http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1461.html#comment20064

 トランプ米大統領誕生前後の、日本の新聞・テレビや、左派的なサイトを見ていて思うのですが、左派の論客がよく口にする「トランプのような奴は、有無を言わさず全否定しなきゃダメ」というパターナリスティックな意見は何とかならないのか、と思います。管理人はもちろん、前からコメンテーターとして信頼していた杉山真大さんにも、残念ながらそんな所が見られます。

 トランプ大統領誕生の背景には、グローバル経済の進展に伴い貧困にあえぐアメリカの白人労働者層(ラストベルト)の支持があります。それなのに、左派の皆さんはポリティカル・コレクトネスを振りかざして「議論の余地なんてない」と全否定したがります。アメリカの労働者は貧困のままでいいんですか。「戦争で殺し殺されるよりも、貧困の中で飢えて死んだ方がマシ」とでも言いたいのですか。

 今年1月6日の朝日新聞(サイト)にも、「混迷の世界、行く先は」というタイトルで、長谷部恭男と杉田敦の対談が載っています→http://www.asahi.com/articles/DA3S12734809.html 「寄り添おうにも「ない袖は振れない」面もあります」「産業・経済構造の変化という「不都合な真実」を伝え、それに対応して生き方を変えるよう人々に求めるしかありません」など、「貧困者の不遇な運命を我慢しろ」というような、まさに「エスタブリッシュメントによる切り捨て」をあからさまにしているのです。また、1月25日の北海道新聞の「言葉の現在地 2017年冬?「15年安保」のその後」で、トランプの経済政策を、飢餓にあえいだドイツで「一人の子供も飢えさせない」と国民感情に訴えて台頭したナチスに例えています。それたら、実際に飢えている国民をそのままにしていいのか。

 こういうことを頭ごなしに否定して、ポリティカルコレクトネスの大前提を振りかざす「エスタブリッシュメントな左派」は、自らへの反省が足りないと思いますが、いかがでしょうか。

2017.01.25 12:21 にっしー


http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1461.html#comment20065

(前略)
僕自身もトランプラリーに乗っかって投資してきた身だから偉そうなことは言えないのですけれども、トランプラリーは長らく続かないと薄々思っていました。
軍事費の拡大については、『トランポノミクス』の元になった『レーガノミクス』でもあったみたいなんですがね。
市場はトランプ氏の規制緩和を含む経済政策の詳細は、2月上旬に発表される予算教書で分かると期待を寄せているようです。
(今週末にアメリカのGDPも発表されるから、それに左右される形にはなるのでしょうけど)


とはいえ、案の定トランプ大統領はここにきて保護主義的な面を前に出してきた。TPP撤退もそうだしNAFTA見直しも。
おそらくトランプ大統領は国内では積極的に財政出勤をして雇用を生み出しつつ、外交では自国優位かつ強硬的に交渉を進めていくという形になるのでしょう。
最近彼とイギリスのメイ首相が急激に接近しているのが気になりますが。


アメリカ国民がトランプ大統領を選んだのだから、僕等も批判しつつ様子を見るしかない。
あまり過干渉すると、かつてアメリカがイランのモサデク政権やチリのアジェンデ政権に対して過干渉したのと変わらなくなる気がします。

2017.01.25 12:35 SPIRIT(スピリット)


http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1461.html#comment20066

>あまり過干渉すると、かつてアメリカがイランのモサデク政権やチリのアジェンデ政権に対して過干渉したのと変わらなくなる気がします。

日本がアメリカに大量の工作員や工作資金を送り込んでるのですか?

2017.01.25 21:06 suterakuso


トランプは内政面は「旧来自民主義」(檜山俊宏主義)、外交面は「白人優位主義」が一番近いか? : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2017年1月25日)

トランプは内政面は「旧来自民主義」(檜山俊宏主義)、外交面は「白人優位主義」が一番近いか?

トランプのイデオロギーは、あえていえば、内政面では日本の「旧来自民党」に近いでしょう。福祉という形で個人にセーフティネットを張る「社民主義」ではないのは確かです。
アメリカの会社がどんどん世界に雇用もお金も流出させることをよしとする新自由主義グローバリズムの本流とも違います。
そうではなくて、雇用、すなわちカイシャをアメリカに取り戻すことを通じたセーフティネット重視ではないでしょうか。
「雇用を取り戻す」と強調することがトランプの特徴です。
公共事業重視で福祉軽視。言動が古くさい。あえて、日本の政治家で言えば、1991年から2003年まで広島県政に「知事」ないし「天皇」と恐れられるほど君臨し、山を削り海を埋め立てハコモノを造りまくり広島県財政赤字と環境破壊の原因のほとんどをつくったといっても過言ではな檜山俊宏県議会議長(当時)が近いのではないでしょうか?国政レベルで言えば「金丸信」が近いでしょう。

外交面では、「白人優位主義」でしょう。日本や中国、メキシコ、イランに喧嘩を売る一方、ロシアとイスラエルには甘い。

同じ同盟国でも、貿易赤字がそれなりに大きいドイツ(EU)やカナダには文句を言わないのに、日本にだけは文句を言う。

アメリカにとってロシアとイランは両方とも宿敵ですが、イランにだけ厳しく、ロシアに甘い。

やはり、これはどうしても「白人優位主義」があるんだな、と感じてしまいます。

ただ、これは、アメリカでも、つい60年近く前までは、アフリカ系差別まくりだったのです。

従って、どちらかというと、昔に戻っただけとも言えなくもありません。
総じて言えば、日本に貿易でコテンパンにやられる1980年代以前のアメリカを取り戻す。これがトランプでしょう。

イデオロギー的には総じて「バブルの頃を取り戻す」安倍総理に近いです。しかし、こういうタイプの近いもの同士は、得てして喧嘩になりがちです。

安倍総理は、TPPで顔を潰されたと思っているのではないか。
トランプの方も日本に容赦しないのではないか?

案外、日本が近未来に戦争になるとすると、「アメリカ」が「大穴」で浮上してきたのではないか?安倍総理は、挑発されると顔を真っ赤にして怒る癖がある。安倍総理は、案外、バカまじめなところもある。
トランプの挑発に耐えかねて・・という危険はないわけではない。

というか、すでに、米日貿易戦争の火ぶたは切って落とされました。

日本も「対米戦争」を回避する方法はあります。アメリカに悪者にされたら、アメリカの挑発をバカまじめに相手にするのではなく、アメリカ依存度を下げてしまえば良いのです。イランを見習ってしまえば良いのです。イランはアメリカに制裁をくらいながらも、アメリカ以外と仲良くして経済を発展させてきました。中国も、また、内需拡大に舵を切り、アメリカ依存度を下げようとしています。中国も、1990年代に、日本がいわゆる構造協議でアメリカにコテンパンにやられたのを良く研究しています。

日本は、決して、トランプの挑発に乗ってはいけない。イランを見習い、アメリカ以外とも仲良くしてしまいましょう。


最後に、今年行われるフランス大統領選に関するトマ・ピケティのコラム(ルモンド紙に掲載したコラムの日本語訳を1月25日付朝日新聞が掲載)の最初の3分の1を引用する。朝日新聞デジタルの無料公開部分より少し長い引用。引用部分の後半に特に注目したい。

(ピケティコラム@ルモンド)仏大統領選のリスク 頼みは急進左派ポピュリスト

 4カ月もしないうちにフランスに新しい大統領がうまれる。「トランプ」や「ブレグジット(英国のEU離脱)」に続き、世論調査はまた間違うかもしれない。マリーヌ・ルペン氏が率いる右派ナショナリストが勝利に近づいている可能性も排除できない。激変は回避できても、その次の大統領選では、ルペン氏の政党がフランスのリベラル右派勢力に唯一対抗できる位置に立つリスクは、もはや現実のものだ。かたや急進左派は、ジャンリュック・メランション氏の勝利が期待されているが、悲しいかなありえそうにない。ルペン氏とメランション氏には共通点がある。2人ともEUに関する条約を槍玉に挙げ、国や地域同士が激しく競い合う今の体制を疑問視する。その姿勢がグローバリゼーションから取り残された人びとをひきつける。本質的な違いもある。メランション氏は、物言いが物議を醸し、世界の見方は不安を抱かせるが、国際主義的かつ進歩主義的な発想をする。

 この大統領選のリスクは、他の全ての政治勢力――大メディアも――が両候補を酷評し、「ポピュリスト」のレッテルを貼って、それでよしとすることだ。この新手の侮辱表現は米大統領選予備選でのバーニー・サンダース氏の健闘にも使われた。この表現は根本問題を覆い隠しかねない。ポピュリズムとは、先進国の庶民層がグローバリゼーションと格差拡大に直面して抱く「自分たちが見捨てられた」との感情がもたらす、混乱しているものの理のある反応だ。この難題に的確な解決策を構築するには、国際主義的なポピュリスト勢力――スペインの左派新党ポデモス、ギリシャ急進左派連合シリザ、サンダース氏やメランション氏のような急進左派――を頼りにするしかない。さもないとナショナリズムと排外主義のうねりにさらわれかねない。(後略)

(2017年1月25日付朝日新聞オピニオン面より。仏ルモンド紙、2017年1月15-16日付掲載コラムの朝日新聞による抄訳

上記をアメリカ大統領選に当てはめると、サンダースとトランプを一緒くたにして論じるのは危険だ、そんなことをするとトランプのナショナリズムと排外主義にさらわれかねない、というよりアメリカは既にさらわれてしまった、ということになる。

おそらく、トランプがサンダースよりも人気が高い理由の一つに、ピケティが書くところの急進左派が持つ「国際主義的」な考え方までもが、グローバリズムと一緒くたにされて急進左派にマイナスのイメージを与えることがあるのではないか。そう疑ってしまう。

アメリカファースト」を叫ぶ排外主義的なナショナリストであり、かつさとうしゅういち氏(『広島瀬戸内新聞ニュース』)が指摘する「白人優位主義」、つまり人種的偏見を強く持つ白人男であり、なおかつ「4年遅れの安倍晋三」としか言いようのないスローガンを喚き立てる男にシンパシーを抱けるような倒錯した心境には、私には間違ってもなれない。なぜなら、私自身もトランプに人種的偏見の目で見られる黄色人種だからだ。

しかも、国内経済政策で大企業や金持ちを優遇するトランプは、自らを熱狂的に支持してくれたアメリカの白人労働者層をしあわせにすることすらできないのは目に見えている。そして彼らの不満が自分に向かないようにするために、トランプのアメリカが外国に戦争を仕掛ける可能性がきわめて高いと私は見ている。

最後に、日本のトランプ擁護派についていえば、彼らには、「『右』も『左』もない」という「喜八」(と言ってももはや知らない人の方が圧倒的に多いかもしれないが、10年ほど前に反安倍・反自民ブログ村の村内政治を取り仕切っていた、右派民族主義的ブロガーの筆名だ)的な発想からいい加減に卒業すべきだと言いたい。

反グローバリズムを掲げるリベラル・左派を自認する人間なら、ナショナリズムや排外主義とは一線を画し、それらを真っ正面から批判する態度が強く求められると思う。それができないのであれば極右と何も変わるところはない。