kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「読売社員『政権べったり』前川前次官報道に困惑」(AERA)

プロ野球では読売軍が球団ワースト新記録の12連敗を記録したが、ヤクルトもおつき合いして7連敗したので*1プロ野球の話はあまりしたくない。といいつつ、ヤクルトには引き分けをはさまない16連敗という記録があることとか、プロ野球記録は1998年にロッテが記録した18連敗だとか(17連敗を止める目前で同点2ランを打たれた黒木の姿は今でも忘れられないとか、同時期に2つの球団が連敗したといえば、ヤクルト初優勝の翌年の1979年に開幕戦からヤクルトが8連敗、身売りして本拠地を福岡から所沢に移した早々の西武が12連敗したことがあったなあ、などと思い出される今日この頃。

その1979年には夏に千葉の神野寺から虎が脱走すると同時に阪神タイガースが怪進撃を始め、一時は首位広島にゲーム差なしまで迫ったものの、虎が捕まって殺されると同時に失速したこともあった。結局この年の虎は4位だったが、読売軍はその虎の小林繁(故人。読売軍と読売新聞が引き起こした悪名高い「江川事件」によって読売軍から阪神にトレードされた)に8連敗して5位だった。しかし書きたくないがヤクルトは最下位だった(笑)。

今回の読売軍の連敗でささやかれているのが、「前川喜平文部省前事務次官の呪い」だ。そう、読売軍の連敗は、読売が前川氏を陥れようとする意図を持った悪名高い謀略記事を紙面に載せたすぐ後に始まった。このふざけた記事が読売に載った(5/22)直後には読売軍は甲子園で虎に連勝したが(5/23,24)、阪神3連戦の3戦目(5/25)に負けると、そこから12連敗が始まったのだった*2。なお、読売軍の連敗が始まった5月25日は、前川氏のインタビューが載った『週刊文春』の発売日だった。

ここからがようやく本論だが、ネットで公開されたばかりの「読売社員「政権べったり」前川前次官報道に困惑」と題された下記URLの『AERA』の記事が、なぜか早々とリンク切れになっている。


少し前に、例の読売の悪質極まりない謀略記事のリンクが消された時、「読売は卑怯だ」と非難する声がネットに溢れたが、あれは実は単なる自動削除に過ぎなかった。マスコミのサイトに掲載された記事が短期間でリンク切れになるのは日本のマスコミ各社の悪しき風習であって、欧米先進国の報道機関はそんなことはやらない、とはよく言われることだ。

だが、今回の『AERA』の記事はそうではなかろう。リンク切れの理由は今のところわからないが*3、私は全く納得できないので、以下にリンク切れになった『AERA』の記事を引用する。下記は私の好まないサイトである『阿修羅』から孫引きした*4

読売社員「政権べったり」前川前次官報道に困惑〈AERA

 日本最大の発行部数を誇る全国紙は、権力の走狗と成り果ててしまったのか。「官邸からのリーク疑惑」は社内でも波紋を広げている。

*  *  *
 そのあまりにも奇異な記事が出たのは、5月22日付の読売新聞朝刊だった。

<前川前次官 出会い系バー通い 文科省在職中、平日夜>

 前文部科学事務次官前川喜平氏が、現役時代に新宿・歌舞伎町の出会い系バーに出入りしていたと社会面で大々的に報じた。前川氏が2、3年前から週に1回ほど店に通う常連だった、という関係者の話や「私も誘われたことがある」という女性の証言などが掲載されている。そして<「出会い系バー」や「出会い系喫茶」は売春の温床とも指摘される>と続くが、前川氏が買春した事実があったかどうかには全く触れられていない。

●記者と名乗らず取材

「複数の女の子によると、19日の金曜日の21時半ごろから22時半くらいに男性2人が店に来て、前川氏のことを聞きまわっていた。前川氏の写真を見せ、記者と明かさず、『この人の部下なんだ』と話し、店に来る頻度や店内での様子などを根掘り葉掘り聞いていたようです。そんなことを聞く客なんていないから、相当目立っていたみたいですよ」(歌舞伎町関係者)

 くしくも、記事が出た翌23日には朝日新聞の取材があり、24日には本誌が前川氏にインタビューし、週刊文春(6月1日号)で証言が報じられた。すでに私人となった前川氏の醜聞が、このタイミングで報じられたことは何を意味するのか。前川氏は本誌の取材にこう答えている。

加計学園のことは話すな。話すとひどいことになる。こうして実際に起こったでしょ、と私に対する威嚇と感じました」

 その「威嚇」について、週刊新潮(6月1日号)は「安倍官邸が暴露した『文書リーク官僚』の風俗通い」との記事で、読売報道は官邸周辺からのリークだった可能性を指摘。週刊現代(6月10日号)は、与党幹部の証言として「北村滋内閣情報官、中村格警察庁刑事局組織犯罪対策部長が情報を流したと聞いている」と報じた。政権側の情報操作に、新聞社が加担したとすれば由々しき事態だ。他社の政治部記者は「ここまでやるか」と驚き、5月29日夜に安倍晋三首相が政治部長ら読売幹部と会食すると、のけぞった。購読者にも懸念は広がっているようだ。

「あの報道以降、SNSで『読売新聞へ不買運動を起こそう』という呼びかけが起こった。それに同調した人たちなのか、読者センターに『購読をやめる』というメールが寄せられているようだ。さすがに不買運動にまで発展するとは思わなかったようで、上層部も気にしていると聞いています」(読売新聞社員)

 不買運動の有無について読売新聞広報部に問い合わせたが、回答は得られなかった。

●明らかに「ワケアリ」

 元上毛新聞記者で、民進党衆院議員の宮崎岳志氏は「読売内部の記者も嘆いている」と語る。

「私が知る読売記者は『こんなことをやらされるなんて』と泣いていました。他にも、複数の記者が会社のやり方に怒っていて、『すべての読売の記者が同じだと思わないでください』と。8割はそういう良識のある記者でしょう。でも、越えてはならない一線を越えてしまった」

 元読売新聞大阪社会部記者でジャーナリストの大谷昭宏氏は、「あの記事の書き方は完全に『ワケアリ』だとわかる」と語る。

「同じニュースでも東京、大阪、西部それぞれの本社が編集するので、見出しや記事の大きさは異なる。でも、あの記事はすべて同じ。これは依頼が断れない記事を指す『ワケアリ』の特徴です。官邸との癒着を読売は否定するだろうが、内部にいた人間なら誰でもわかる」(大谷氏)

 さらに、記事にはもうひとつ不自然な点があるという。

「『教育行政のトップとして不適切な行動に対し、批判が上がりそうだ』と演説を入れている。社会面の事件報道で『容疑者に世間の怒りがわき起こりそう』などとは書かない。原稿の趣旨まで決められている。政権のために、社会部がアシとなって記事を書く。こんな理不尽になぜ記者は抵抗しないのか」(同)

 安倍首相は、今国会でも自身への批判に「印象操作だ」と繰り返す。その言葉が向けられるべきは、官邸ではないのか。(本誌取材班)

AERA 2017年6月12日号)


この件で民進党に呼ばれた読売の記者が「泣いた」とのことで一部から同情を買っていたが、私は「とんでもない」と思った。

そもそも不満でならないのは、この謀略記事を書いた読売の記者の実名が明らかにされていないことだ(22日付の読売の謀略記事は署名記事ではなかった)。記事を書いた読売の記者には説明責任があると私は思うのだが、なぜ実名が明らかにならないのだろうか。この際リテラでも日刊ゲンダイでもどこでも良いから読売記者の実名を暴露してくれないものか。

書いた記者には明らかに謀略記事を流した重い責任があるし、その記者氏をこのまま「泣いただけで逃げ得」に終わらせてはならないと強く思う。

*1:ヤクルトは交流戦1分け7敗で、8戦全敗の読売と並んで同一最下位。セ・リーグでも最下位で、ライバルだと勝手に思っていた中日には大きく水を開けられた。なお読売は5位に落ちた。

*2:もっともヤクルトも、その直前に阪神を3タテし損ねて5連勝を逃したところから泥沼にはまり、5連敗のあと交流戦前最後の試合の中日3連戦3戦目に1つ勝ったものの、そのあと1引き分けをはさんで7連敗中である。だから読売との差がいっこうに縮まらない。

*3:別のリンクに切り替えたのかとも思ったが、『Yahoo! JAPAN』に転載された記事もリンク切れになっているから、そうではなさそうだ。

*4:http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/834.html