kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「探偵が犯人」であることが露見した「陸自PKO日報隠蔽問題」

陸自PKO日報の隠蔽に稲田朋美が関与していたことが防衛官僚(マスコミが「政府関係者」と報じるからには閣僚か防衛官僚に決まっていると思う)が共同通信朝日新聞にリークした件だが、要するに日報の隠蔽について防衛大臣である稲田の指示によって防衛監察本部による調査が行われて、その調査結果に基づいてトカゲの尻尾切りが行われようとしていたのを、切られようとしていた官僚が阻止しようとした話だ。そのことは連日の朝日新聞の記事を読んでいればはっきりわかる。これは単純な話であって、真犯人(稲田朋美)が探偵役になって茶番の「謎解き」をして幕引きしようとたくらんでいたのが、真犯人の手下がトカゲの尻尾切りを許すまいと「ウチのボスが黒幕だったんだよ」と暴露したという話だ。昨日の朝日(7/20)の記事は、タイトルも中身も秀逸だった。実にわかりやすかった。

http://www.asahi.com/articles/ASK7M5HWBK7MUTFK00V.html

調査命じた稲田氏、一転疑惑の人に 自身は監察の対象外
2017年7月20日08時16分

 調査を命じた人物が一転、「疑惑」の中心人物に――。南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題をめぐり、非公表を決めた過程への稲田朋美防衛相の関与が大きな焦点となってきた。安倍政権は8月初旬の内閣改造前に特別防衛監察の結果を公表して幕引きを図る構えだが、調査そのものの信頼性が揺らぎかねない事態に陥った。

防衛省関係者「茶番と見られかねない」

 「日報を非公表にするとか、隠蔽(いんぺい)するということは了承したことはない」「陸自にデータが残っていたという報告があったという認識はない」。19日夕、防衛省。稲田氏は記者団にこう述べ、同省として非公表を決めたプロセスへの自身の関与を改めて否定した。

 発端は18日夜。一部報道から取材を受けた稲田氏側がコメントを発表。フリージャーナリストからの情報公開請求に「廃棄した」として非開示としたはずの陸自内の日報データが発見された後、2月15日の会議で報告を受けた稲田氏が非公表を「了承」したという報道を否定する内容だった。

 こうした流れを受け、稲田氏の関与が最大の焦点に浮上した。稲田氏は3月、「報告はされなかった」と国会答弁しており、報告を受けていれば虚偽答弁の疑いも出てきた。

 稲田氏はこの日、記者団に「(陸自から)そういう報告は受けていない」と改めて否定。2月15日の会議については「打ち合わせの中で陸幕長が来た会はあったと思う」としたが、「何か報告があったということはない」と強調した。

 稲田氏の関与が取り沙汰されるようになったことで、特別防衛監察の信頼性自体も揺らいでいる。

 監察は防衛相直轄の防衛監察本部が担当。関係者らから事情を聴き、隠蔽工作の有無などを調べている。だが稲田氏は監察対象ではない。関与が疑われる防衛相の指示で調査するという構図になった。稲田氏は「独立性の高い立場から、徹底した調査を行う」としているが、防衛省関係者は「『茶番』と見られかねない」と漏らす。

 こうした状況を見て、野党側は追及の手を強める。民進党山井和則国会対策委員長は19日、「稲田氏の虚偽答弁、隠蔽疑惑は安倍晋三首相の任命責任であり、即刻罷免(ひめん)すべきだ」。共産党穀田恵二国会対策委員長も「(稲田氏は)不適格の権化みたいな人だ」と指摘した。

朝日新聞デジタルより)

一言で言えば「探偵が犯人」だったことが露呈したということだ。稲田朋美は、ガストン・ルルー(1868-1927)の『黄色い部屋の秘密』(1908)に出てくるラルサン探偵だったのだ。この推理小説の古典で、「名探偵」のはずだったラルサンが大悪党バルメイエの変装した姿だったことが主人公ルールタビーユによって暴露された。一方稲田朋美の「『無神経さがにじみ出ている』顔面フル装備」は、『女性セブン』の「名物還暦記者“オバ記者”こと野原広子」氏に痛撃されている。

しかも、上記で稲田朋美が真犯人だと書いたが、実は稲田とてパシリに過ぎない。この件や加計学園問題、さらには森友学園問題の本質を下記のTwitterが突いている。

https://twitter.com/naka8952/status/888047134183792644

中川 均
@naka8952

なぜ稲田はウソをついたか。それは南スーダンPKOを撤退させたくないというアベの意向に沿うためだった。なぜ山本はウソをついたか。それは必ず加計学園を認可させよというアベの意向を守るためだった。アベがそのウソをつかせたのだから、この二人より先に自分が辞任しなければおかしいだろ。

7:45 - 2017年7月20日

本当にその通りである。本当の真犯人は安倍晋三なのだ(加計学園問題や森友学園問題、特に後者では安倍昭恵も共同正犯である)。

ところで、陸自日報隠蔽の件だが、昨日の朝日の朝刊では特別防衛監察の結果は21日(つまり今日)にも発表されると書かれていたが、昨夜の『NEWS23』は来週に先送りされる公算が大きいと言っていた。

http://www.asahi.com/articles/ASK7N3WFPK7NUTFK008.html

「特別監察、求めあれば稲田氏も」 菅長官、日報問題で
2017年7月20日13時16分

 菅義偉官房長官は20日午前の記者会見で、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の部隊が作成した日報をめぐる防衛監察本部による調査について、いまは監察対象となっていない稲田朋美防衛相からも聞き取り調査をする可能性を示唆した。「防衛監察本部から求めがあれば、稲田防衛相をはじめ政務三役は協力することになるだろう」と述べた。

 日報は「廃棄した」とされた後も陸自内で保管されていたことが発覚。防衛監察本部は防衛省職員を対象に、組織的な隠蔽(いんぺい)の有無を調査する特別防衛監察を進めている。日報の非公表を決めた過程で稲田氏の関与があったかどうかも焦点で、菅氏は「すべての疑問に答えられる調査をするのは当然だ」と説明した。

 ただ、特別防衛監察は稲田防衛相が指示したもので、どこまで実効性が担保できるかは不透明だ。

 政府関係者によると、稲田氏は21日にも監察結果を公表する方向。菅氏は発表時期について「コメントは差し控えたい」と述べた。

朝日新聞デジタルより)

上記は朝日新聞デジタルの記事だが、21日付朝刊1面記事では、「稲田氏から聞き取りへ」「監察公表 先送りの公算大」という見出しになり、記事の文章も大きく書き換えられている。要するに探偵のはずだった稲田朋美からも事情聴取を行う必要が出てきたから、「トカゲの尻尾切り」は先送りするという話だ。

来週といえば8月3日前後に行われるとされる内閣改造の前の週だ。安倍晋三は時間稼ぎをして内閣改造による閣僚交代に持ち込むことによって、稲田を更迭してその経歴に傷をつけることをとことん避けるつもりなのだろう。

本当は、諸悪の根源である「敵の本丸」にして巨悪の安倍晋三を一刻も早く倒さなければならないのだが、世論もまだそこまでは熟し切っていないようだ。いいところまではきているが、「これで安倍政権をぶっ潰せる!」といえるところにまではまだ至っていないように思われる。