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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安倍晋三が公邸泊、ミサイル把握か=野党が指摘−衆院委(時事)

このニュースに接して、半世紀以上前の松本清張の小説を地で行く話だと思った。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017083000971&g=prk

安倍首相公邸泊、ミサイル把握か=野党が指摘−衆院

 「安倍晋三首相が公邸に宿泊したのは、北朝鮮弾道ミサイルを発射した前日だけだ」。民進党後藤祐一衆院議員は30日の衆院安全保障委員会で、政府の初動態勢に関しこう指摘した。西村康稔官房副長官は「常日頃から緊張感を持って情報分析をしている結果だ」とかわしたが、後藤氏は北朝鮮に見抜かれるとして「普段から公邸に泊まった方がいい」と助言した。

 今月、首相が公邸に泊まったのは25、28両日のみ。いずれも翌早朝に北朝鮮がミサイルを発射しており、事前に兆候を察知していたとみられる。25日は夜の会合などを入れず、28日夜も公邸内で自民党役員らと会食したのみ。出席者の1人は「首相はあまり酒を飲まなかった」と話していた。

時事通信 2017/08/30-18:16)


思い出したのは、少し前に読んだ松本清張の中篇小説『神と野獣の日』だ。


小説は1963年に書かれたが、「防衛庁」ではなく「防衛省」が出てくる。当時から防衛庁の省昇格を求める動きが右派勢力の間にあったのだろう。それが現実になったのは第1次安倍内閣時代の2007年1月。清張はその44年前に右傾化した未来の日本を先取りしていた。

小説では、1時間半後に東京に、友好国が誤射した核弾頭ミサイルが1時間半後に東京に着弾するとの知らせを、日本の総理大臣がアメリカから受ける。この総理大臣は道徳の教科化にご執心の62歳(!)*1の右翼政治家という設定だ。

小説では、米軍関係者らを事前に脱出させる際に東京が混乱状態にあっては困ると考えるアメリカが、東京へのミサイル着弾を公表するなと日本の首相に圧力をかけるが、首相はこれに抵抗し、国民にミサイル着弾を公表する。しかし自らは何人かの閣僚とともに米軍のヘリで東京から大阪に脱出する。

小説でこっぴどく描かれている右翼の首相だが、自らミサイル発射の情報を得ていながら事前には何も言わず情報を囲い込んでしまい、発射後にわざとらしく、全くの役立たずというにとどまらず、青森で交通事故を引き起こすという害毒まで撒き散らした「Jアラート」とやらを発令させた安倍晋三は、小説に出てくる62歳の右翼宰相よりもさらにひどいのではないかと思った。なお、小説で日本の首相は、非常時だというのに政敵の動きを警戒する俗物であって、この点でもいついかなる場合でも石破茂の動向に神経を尖らせている安倍晋三を想起させる。

このありさまでは、もし本当に、小説に書かれたように東京に向けてミサイルが発射されたら、情報をつかんでおきながらそれを隠し、自らは下関に逃げて下関に臨時政府を開くのではないかと思ってしまった。

あの意地の悪かった松本清張の想像力さえはるかに超える「日本国の私物化」の権化、それが安倍晋三だ。

*1:安倍晋三は3週間後の9月21日に63歳の誕生日を迎える。つまり現在62歳。