kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

枝野幸男、「自民党に対抗する大きなまとまりを作る必要はない」と明言(「週刊プレイボーイ」)

衆院選の直後に「野合しよう!」と書いた「小沢信者」のブログがあった。

また、「枝野の孤高姿勢を憂慮。安倍3割政権を打倒するためには、第一党中心に野党の協力が不可欠」と書いた旧民進党シンパ系ブログもあった。

いずれも、小選挙区制的・二大政党制原理主義的発想の「保守反動」だよなあ、と正直思った。小選挙区制的・二大政党制原理主義的な発想が安易な「野合」を生み、それが有権者自由党や旧民進党に対する忌避の反応を引き起こしたという発想は、上記のブログ記事には欠片も見られない。

上記2つのブログ記事と鮮やかな対照をなすのが、週刊『プレイボーイ』誌に掲載された枝野幸男のインタビューだ。

自民支持の若者票をどう取り込む? 立憲民主党・枝野代表を直撃!「まったく考えていません」 - 政治・国際 - ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]

自民支持の若者票をどう取り込む? 立憲民主党・枝野代表を直撃!「まったく考えていません」

[2017年11月06日]

10月の衆院選の結果、野党第一党に躍り出た立憲民主党。しかし、“自民一強”の構図は温存どころか強化された感がある。では、選挙を通して“男を上げた”と評された枝野幸男代表は今、何を考えているのか。

国防は? 経済政策は? 立憲民主は本当に自民党と闘える、信頼できる政党なの? 単刀直入に聞いた!

* * *

―今回の総選挙で立憲民主党は55議席を獲得しました。何が今回の結果に結びついたと思いますか。

枝野 ひとつは、立ち位置や主張をクリアにできたこと。もうひとつは、「国民から遠いところにある政治はダメだ。草の根からの民主主義を」と訴えてきた我々の姿勢。このふたつが合わさって、期待を寄せられたのだと思っています。

―確かに民主党民進党も、常に「考えがバラバラな議員の寄せ集め」との批判がありました。

枝野 これまでは自民党に対抗するには大きなまとまり、政党をつくらなきゃダメだといわれていましたが、実は違った。党としての主張を鮮明にしていかないと、結局自民党とどこが違うのかが、有権者にわからなかったんですね。

―ただ、気になる数字があります。立憲民主党の政策は大学授業料の減免や奨学金の拡充など、若い人に訴えかけるものも多い。ところが、今回は選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてから初の衆議院選でしたが、投票した18歳、19歳の約4割が自民党に入れたとの報道がありました。立憲民主党の訴えは若い人たちに届いていないのでは?

枝野 私たちはスタートラインは“ゼロ”だと思っています。だから、むしろ「ゼロからそこまでいった」と思うべき。もともと低い世代ほど自民党しか知りませんから、若い世代に自民党が強いのは必然です。政治に関心が低いといわれているなか、新しい勢力が短期間でこれだけのアピールができた。今後の展望は開けたと思っています。

―では今後、自民党支持の若者をどう取り込む?

枝野 それはまったく考えていません。

―必要ないと?

枝野 自民党支持有権者をひっくり返すのではなく、“今回の選挙で投票に行かなかった人に、次の選挙で立憲民主党に投票してもらう”のです。つまり、投票率を上げること。それは、若者に限ったことではありませんが。

―今回の選挙の投票率は、53.68%で、過去2番目に低い数字でした。近年、投票率は低空飛行を続けていますが、上げる方法があるんですか?

枝野 僕は初当選からの24年間、選挙カーの上からではなく、ビールケースや小さな台の上に立ち、聴衆に囲まれながら演説してきました。これが、今回の選挙で我々が評価された「国民に寄り添う」という姿勢です。投票率を上げて、立憲民主党の支持を広げるためには、評価されたもうひとつの要素「主張をクリアにする」と合わせて、このふたつを徹底することしかないと思っています。そして、永田町の権力ゲームには関わってはいけない。

―では今後、永田町の空気を知らない新しい人材を擁立する考えはありますか? 例えば公募するとか。

枝野 僕自身は日本新党時代の公募第1号ですが、公募は慎重にやらなきゃいけないと考えています。公募によって永田町から遠い人物がやって来るかというと、もはやそうではないんです。“永田町的な政治が好きな人”が集まったら意味がない。

―各政党の公募を渡り歩いて、受かった党から出る新人候補もいますよね。

枝野 それが政治不信のもとになっている。「政治家になりたい」だけの人は、正直言っていりません。こちらから、いろんな人を口説いていかなきゃいけないと思っています。

―では、もうリクルート活動は始めている?

枝野 いや、まだ選挙が終わったばかりでそれどころじゃないです(笑)。

憲法改正アベノミクスに代わる経済政策、そして好きなカラオケ店は? この続きは『週刊プレイボーイ』47号(11月6日発売)「枝野幸男に直球質問!」にてお読みください!

(取材・文/畠山理仁 撮影/五十嵐和博)

(「週プレNEWS」より)

赤字及び青字のボールドにした部分こそ、衆院選立憲民主党に期待が寄せられて議席数を増やした要因だろう。これは、「野合しよう」や「枝野の孤高姿勢を憂慮」といったスタンスとは真っ向から対立するものだ。今後の野党陣営内部における新たな対立軸と言っても良いのではないか。

私は、枝野幸男がそのようなことを言うのであれば、小選挙区制廃止を訴えなければ次の段階に進めないのではないかと思う。

上記枝野インタビューに対する「広島瀬戸内新聞ニュース」の論評を以下引用する。

自民支持の若者票をどう取り込む? 立憲民主党・枝野代表を直撃!「まったく考えていません」 : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2017年11月6日)より

枝野幸男は、「理念がしっかりした政党を育てたほうが、野党支持者の総数を増やすことが出来る」と考えていると言うことでしょう。本社社主も全くその通りだと思います。
実際、希望と立憲に割れた結果として、旧民進出身議員も増えている。
自民党を倒すことありきで、理念や政策をそっちのけにすれば、野党への票の総数も減る。
小選挙区制とセットで「二大政党制」を進めてきた人たちの路線は破綻した、ということを枝野さんも認識していると思います。
加えて言うなら、次期国政選挙でも参院選一人区や衆院小選挙区での棲み分け程度にとどめ、合流はせずに、むしろ「穏健な多党制」を野党はめざすべきだと思います。
なお、立憲が増やして共産党が減らしたというのは「筋を通してハッキリ言う」ことを志向する票が流れたと言うことはあるでしょう。また、共産党の場合「野党共闘」の強調で、共産党がこれまで取り組んできたブラック企業撲滅の取り組み、また、医療や介護保険改悪に対して地方・国を問わずして先頭に立って闘ってきたことなど、「独自の値打ち」を伝えることが後回しになった面は否めません。共産党枝野幸男に見習うべき所はあると思います。

立憲民主党にも連合とのしがらみなどがあって、なかなか「小選挙区制廃止」を打ち出すにはバリアが高いと思うが、そこは「野党共闘」「市民連合」などが「小選挙区制廃止を『野党共闘』の統一綱領にせよ!」との方向性を一刻も早く明確にして、立民や枝野幸男にプレッシャーをかけるくらいでないとお話にならない。

いつまでも小選挙区原理主義者・二大政党制原理主義者の顔色を窺ってるんじゃないよ!

そう強く叫びたい今日この頃なのである。