相変わらず選挙制度の議論が起きる気配が全くといってないので、昨日の話をもう少し続ける。
検索語「山本太郎 小選挙区制」で、下記の12月7日付京都新聞記事がヒットした。記事の最初の部分を引用する。
れいわ山本代表、立民の合流協議提案「いいことだ」 京都の河川敷で示す
私はこのくだりを読んで激しく腹を立てた。何が「いいこと」だ。ふざけるな、山本太郎!!
ここで山本太郎は小選挙区制の是非については何も言っていないが、山本太郎が小沢一郎の「小選挙区原理主義」を無批判に受け入れているであろうという私の推測に、ますます確信が強まってきた。
私は民主党系(立民・民民)の、相変わらずの新自由主義系の尾を引く経済政策に不満を持つ一方、共産党の民主集中制は全く受け入れられないので、比例は消去法で社民党に投票することが多い。その選択肢が奪われかねないことに日々やきもきしている。それを「いいことだ」などと抜かされると、向かっ腹が立つというか、頭に血が上るのだ。下記の、Socialistaと名乗るTwiiterアカウントの方は、少し前に立憲民主党シンパかと思ってそれを記事に書いしまったが、立民・民民・社民が合流するなら比例は共産党に入れるとつぶやいていたのを見たから、どうやら私と同様に比例は社民党に入れていた人らしい。
その人が、最近山本太郎と山本元号党を「自民党の補完勢力」だとして激しく攻撃している。下記の2件のツイートはなかなか興味深い。
「立憲の議席がれいわに変わっても、現状から野党の議席が減るわけではないし」
— 🌹Socialista🌹 (@cysgluala) 2019年12月10日
れいわが刺客を立てると立憲の議席が自民に変わります。
「選挙が活性化すれば、自民党議席を奪う結果となるかもしれない」
れいわは野党地盤の選挙区ばかり狙っているのにどうやって自民党の議席を奪うのですか? https://t.co/CUsQxpP7hb
その通りだ。山本元号党が立民が議席を持っている選挙区に刺客を立てれば、その選挙区では自民党候補が当選する。それが小選挙区制なのだ。これは、2012年の衆院選でいやというほど見せつけられたパターンだ。これはあまりにも悲惨だったので、2014年衆院選以降では行われなかったが、2017年衆院選では希望の党と立民の候補とが潰し合った。ただ救いは、この時の衆院選では立民が希望に刺客は送らない方針を枝野幸男が示したことだった。希望は立民に刺客を送ったけれど。
「立憲の議席がれいわに変わっても、現状から野党の議席が減るわけではないし」
— 🌹Socialista🌹 (@cysgluala) 2019年12月10日
これはまさに欧州的な選挙の見方で、比例制だと「社民党の議席が減っても左翼党がその分増えたら左派の議席は変わらない」みたいな考え方ができる。しかし日本は小選挙区制。 https://t.co/JZypqSCzd1
これも上記ツイートが指摘する通りだ。
山本太郎支持者はもう少し本気で現行衆院選の小選挙区制の問題点を考えた方が良い。いや考えなければならない。そして、小選挙区制に対して問題意識を持つ人は、山本太郎に本気で諌言した方が良い、いや諌言しなければならない。
それと同時に、第一党である自民党に対しては圧倒的に不利ながら、他の野党に対しては圧倒的に有利であり、うまくいけば政権が狙えるというつまらない理由によって小選挙区制に安住してきた民主党系の政党も、そのツケが回ってきたとしかいいようがない。彼らに猛省を求めるとともに、選挙制度の議論を活発化させよと強く訴えたい。