第49回衆院選の議席が確定した。結局、自民党は昨夜8時にNHKが報じた議席数の上限を超え、立憲民主党は同じくNHKが報じた議席数の下限を下回った。接戦とされた選挙区の大半を自公与党がさらったことが極端な結果につながった。ほんのわずかの差を拡大した選挙結果は、皮肉にも今回選挙区で敗れた立民の現「一兵卒」小沢一郎が、かつて「剛腕」をふるって衆院選への導入に「貢献」した小選挙区制がもたらしたものだった。
各党の獲得議席は下記の通り。
- 自民 261
- 公明 32
- 立民 96
- 共産 10
- 維新 41
- 民民 11
- 某組 3
- 社民 1
- N党 0
- 諸派 0
- 無所属 10
「野党共闘」を構成する「立憲野党」各党は、今回の49:51あるいは48:52、せいぜい47:53の得票率で敗れた結果を、次には53:47や52:48、最低でも51:49の比率にすることによって「政権交代」を目指すのだろうか。
そもそもこういうギャンブル的な選挙制度そのものに大きな問題があるとは誰も思わないのだろうか。
予想の大外れに打ちひしがれる「選挙クラスター」のツイートを見ていると「異常な選挙だった」などと言っている。その異常さは選挙制度に由来するとは思わないのだろうか。
今回はこういう結果でも、次回は51:49の選挙区を多く作り出して「圧勝」すれば万々歳なのだろうか。
何かおかしくないか。
そもそも、立民にしても共産・社民にしても「野党統一候補」を立てることで比例票を失うデメリットをこうむることを余儀なくされている。やはりこれは平河エリ氏が指摘する通り「小選挙区制比例代表並立制」の矛盾ではないのか。
小選挙区比例代表並立制の矛盾が出てきているのだろうなと思います。
— 平河エリ / Eri Hirakawa『25歳からの国会』(現代書館) (@EriHirakawa) 2021年10月31日
小選挙区で勝負になるためには選挙前に交渉が必要。他方で、それを続けていくと比例でしぼんでいく。
なお、こういう結果を予測して書いたわけではないが、昨日午後、つまりまだ投票が行われている最中に、弊ブログは下記記事を公開したのだった。
小沢一郎の「神話」が終焉したことでもある。そろそろ真面目に選挙制度の再改変を「野党共闘」内で真剣に議論すべき時ではないだろうか。